大腸癌の転移

肝臓や肺への転移を起こしやすい、大腸癌。転移の検査方法や、転移してしまった場合の治療方法などをまとめています。

大腸癌の転移先や治療法

大腸癌の転移は、他の癌転移と異なり、比較的全身への広がりが遅いのが特徴です。そのため、早期発見ができれば長期生存の可能性が高いとされています。通常の癌転移であれば、一ヵ所転移が見つかった場合、既に全身に転移していることが多いです。

しかし、大腸癌は早期発見できれば、転移が広がる前に切除手術が可能。特に肝臓への転移は、小さな段階で発見する技術が発達し、生存率が上昇しています。大腸癌の主な転移先は、肺と肝臓です。中でも肝臓への転移は圧倒的に多いので、注意する必要があります。

それでは、大腸癌における肝臓転移と肺転移の特徴と流れ、治療法を見ていきましょう。

肝臓転移

大腸癌になった約11%の人が、肝臓転移しています。大腸から出た血液の行先は肝臓のため、血液の流れに乗って移動した癌細胞が転移してしまうのです。これを血行性転移と言います。自覚しやすい症状が少ないのが特徴です。腹痛や怠さ、腹水が溜まる、黄疸が見られるなどの症状が出たら、すぐに肝臓への転移を疑いましょう。

治療方法

一番効果が高いのは、外科手術による腫瘍の切除です。手術を試行するには、腫瘍の大きさが要になります。腫瘍の数が多くても、正常に機能している肝臓を十分に残せるなら問題はありません。

残せる肝臓が少ないと予測される場合には、切除する部分の肝臓にある門脈を閉塞させ、残す部分の肝臓を大きくする門脈塞栓という処置を行います。また、万が一手術後再発しないよう、念を入れて抗がん剤治療を行う事も多いです。腫瘍が小さく、数が多い場合にも、抗がん剤治療は用いられます。

抗がん剤治療の方法は、薬の服用と点滴の二種類。点滴の場合、冠動脈にカテーテルを挿し込み、抗がん剤を投与します。薬の服用よりも、直接的かつ少ない量で投与が可能。副作用も少ないです。

他にも、癌細胞を電磁波で凝固させ焼却するマイクロ波凝固療法(MCT)や、ラジオ波焼灼療法(RFA)など、様々な治療法があります。転移した腫瘍を完全に取り除いた場合、約40%の確率で症状が改善。更にその5年後には、生存率が30~50%まで上がります。

肺転移

肺転移は、大腸癌から直接ということではありません。まず、大腸癌が肝臓へ転移し、そこから肺へ血液の流れとともに癌細胞がやってくるという流れが多いです。転移すると、息苦しさや長引く咳、血痰などの症状が現れます。

治療方法

肺転移の場合、一般的に胸腔鏡手術を行います。胸に小さな穴を数か所開け、手術器具とカメラを挿入、カメラの映像を確認しながら腫瘍を切除する手術方法です。

この治療法は、身体にかかる負担が少なく、術後も回復が早いメリットが。胸腔鏡手術で取り逃した小さな癌には、抗がん剤を使った化学療法や、ラジオ波焼灼療法、放射線療法などの治療が行われる場合もあります。

腹膜転移

大腸癌が進行すると、癌細胞が腸管を破り腸の外へ出てしまうケースも。外へ出た癌細胞は、腹膜を伝い広範囲に転移できるようになります。これが腹膜転移です。

腹膜転移する先は、主に脳と骨。脳転移の場合は、麻痺や痙攣、視界がぶれる、呂律が回らない、ふらつくなどの症状が現れます。放っておくと、頭痛や吐き気、意識障害などが起こるほど腫瘍が肥大化することに。

また、骨へ転移する可能性は1~2%とかなり低いですが、もし転移してしまった場合には治療が難しいため注意が必要です。骨を溶かし破壊するので、麻痺や痛みなどの症状があります。

治療方法

脳転移の場合、ガンマンナイフという放射線治療を行います。腫瘍の位置や大きさ、形に合わせ、一点集中で照射する治療法です。放射線の誤差は2㎜以内。

脳組織へのダメージを最小限に抑えられる、安全な治療です。治療後、70~80%の確率で症状が良くなっているデータがあります。骨転移は、痛みをモルヒネで抑えながら、放射線治療と抗がん剤治療を並行して行います。

転移予防のために

最近効果が認められた抗がん剤に、UFTというものがあります。2004年の米国臨床腫瘍学会で発表されたデータによれば、UTFは大腸癌の再発・転移リスクを48%も軽減できたそうです。

そのため、大腸がんの治療後の再発・転移リスクをコントロールするために、UTFを使った治療は今後標準化していくと目されています。

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