食道癌の転移

リンパ節や肺、骨に転移しやすい食道癌。転移したときの症状や治療法についてまとめました。

食道癌の転移先や治療法・食道に転移した癌の特徴

食道癌は進行が早く、転移しやすいと言われているとても厄介な病気です。通常、口から肛門までの食べ物の通路である消化管は、漿膜(しょうまく)という丈夫な膜で覆われています。漿膜は組織を守る厚い壁のようなもので、発生した癌が他に転移しにくくなる壁となってくれます。しかし、食道には漿膜が存在しません。そのため、一度癌が発生してしまうと、肺や心臓、気管などの周辺にある臓器や組織に転移しやすいです。

通常の癌であれば、まずは近くの臓器から転移が始まるものですが、食道は太い血管やリンパ節も密着しているため、食道から遠い脳や骨などの臓器にも転移してしまうのです。

やっかいな癌ですが、現在は食道を検査する内視鏡検査が普及してきたこともあり、早期発見が高まっています

ここからは、リンパ節、脳、骨への転移の特徴や治療法について見ていきましょう。

リンパ節転移

食道癌は、進行度合いに関係なくリンパ節に転移する可能性があります。

リンパ節は全身に張り巡らせれているため、癌の発生位置より遠ければ遠いほど治療は困難になるもの。リンパ節へ転移してしまうと、生存率がぐんと低くなってしまいます。

進行度が浅いステージ1の場合は、食道癌ができた場所の近くのリンパ節にとどまっている状態です。ステージ2・3はガンの発生場所から転移しているリンパ節までの位置で判断されます。

症状

  • 食べ物がのどに詰まる感じがする
  • 食後に食道あたりに違和感がある、しみる
  • 胸や背中に痛みを感じる
  • 声が枯れる、かすれる
  • 出血がある

食道癌は転移が早く、発見が遅れると治療しても治らない可能性があるので、症状に心当たりのある人は早めに検診を受けることが大切です。ステージ1では食道癌の自覚症状がありませんが、ステージ2・3になると、食べ物が詰まったり声が枯れたりするなど、食道やのどに関係のある症状が現れます。

治療方法

食道癌がリンパ節に転移してしまった場合、外科手術・抗がん剤・放射線治療のうち、1~2つの治療法を選んで行ないます。

手術の成功率が高いのは外科手術。初期段階であるステージ1~3の人は外科手術を受ける場合がほとんどです。手術では完全に取り除けない小さなガン細胞を退治する目的で、手術前後に抗がん剤治療を行なうこともあります。

癌が食道から遠くのリンパ節に転移して手術が難しい(ステージ3・4)と判断された場合は、「抗がん剤+放射線治療」を受けなければなりません。抗がん剤や放射線治療をする際の目的は、完治ではなく、癌の進行を食い止めるために行なわれます。

肺・肝臓転移

肺・肝臓転移は食道癌のステージ4に分類されます。体重が減る、食欲がない、疲れやすいなどの症状が現れ、癌細胞が大きくなると、臓器ごとの症状が出てくるようになるのが特徴です。

症状

  • 体重が減る
  • 食欲がない
  • 疲れやすい
  • 胸、背中、お腹の痛み
  • 黄疸

肺転移の場合は胸を壁に押し当てただけで咳が出たり、胸の痛みを感じたりするようになります。肝臓に移転した場合は、背中やお腹の痛み、黄疸などが代表的な症状です。ただし、肝臓は臓器の中でも特に症状が出にくいところのため、初期段階で症状を自覚するのは難しいもの。症状が出てからではなく、定期的に検診を受けるようにしましょう。

治療方法

薬物療法」と「対症療法」が行なわれます。薬物療法は、癌細胞の増殖や破壊を目的とした治療です。臓器を切り取らず温存できたり、入院せずに外来治療をできたりするのがメリット。

対症療法は、病気に伴う症状を消す・緩和するための治療です。根治を目指す治療ではなく、辛い症状や痛みによる不快を取り除くことで、QOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)を高めることを目的として行なわれています。

骨・脳転移

骨への転移は乳がんや肺がんと比べると確率は低いです。肺や内臓などに転移し、そのあと徐々に骨に転移が見られるのが、食道がんの骨転移の流れです。

脳への転移はさらに稀なケース。脳に転移すると、治療をしても再発してしまい、完治する可能性が低いと言われています。そのため、手術をしないケースがほとんどです。

進行が早い食道癌では、早期発見することが重要。初期症状が出てからでは遅いため、日頃から検診を受けるようにしましょう。

症状

  • 骨への痛み
  • ちょっとした衝撃で骨折してしまう
  • 頭痛
  • 吐き気
  • ろれつが回らなくなる

骨転移した場合には骨に痛みを伴ったり、ちょっとした刺激で骨折する「病的骨折」が起こりやすくなったりします。脳転移の場合は頭痛や吐き気、ろれつが回らないなどの症状が現れます。癌と診断されてこのような症状が出ると脳へ転移している可能性が高いので、すぐに病院にいきましょう。

治療方法

骨や脳などに転移した末期の食道癌も、薬物療法と対症療法以外にも、放射線治療も行なわれます

骨転移の放射線治療は、もろくなった骨を安定させる骨対策や脊髄の圧迫による麻痺の神経症状のコントロールです。食道癌は、頚椎や胸椎、頭蓋骨など多くの骨に転移します。特に頚椎や胸椎に転移した場合は、脊髄が癌によって圧迫されるため強い痛みを感じ、神経が麻痺することも…。そこに放射線治療を行なうことで、痛みの緩和や骨折の予防、神経症状の改善などの効果が期待できるようになるのです。

脳転移では頭痛、吐き気、嘔吐、ふらつき、歩行困難、視力の異常など、症状の緩和を目的として放射線治療が行なわれます。

食道への転移

食道は同じ消化器官である胃から転移することがあるようです。胃癌が食道へ転移するときの症状は、食べたときに詰まる感じがすると言われています。胃癌が食道に転移してしまった場合、手術が難しくなるため、抗がん剤治療が中心です。

転移した食道を治療できる病院

食道癌は転移がとても早いため、早期発見することが大切です。しかし、どれだけ定期検診を受けていても、食道癌は気がつきにくい臓器に転移するため、症例実績がない医師だと見逃してしまう可能性があります。定期検診を行ない早期発見するためには、転移した癌の治療実績のある専門医に診てもらうほうが安全です。実績や経験の豊富な医師を選んで相談するようにしましょう。

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