肝臓癌の転移

肝臓癌が転移する仕組みや治療法、またほかの部位から肝臓に転移した癌の特徴などを解説しています。

肝臓癌の転移先や治療法・肝臓に転移した癌の特徴

治療を施しても、再発の可能性が非常に高いとされる肝臓癌。再発しやすい理由のひとつに、「肝臓癌は転移しやすい」という背景があります。

肝臓は、全身へ血液を送り出す臓器。血管が多く集まるため、血液にのって癌細胞が肝臓内を移動し、次々と転移してしまうのです。主に、肝臓の門脈という血管から転移することがわかっています。肝臓内の他に転移が多くみられるのは、肺と骨。

まれに腎臓や副腎、脾臓、胃、リンパ節などへ転移することもありますが、肝臓がんは遠隔転移が少ないがんです。もし転移していた場合は、がんの進行がかなり進んでいる状態だと考えられます。

ここではまず、肝臓癌が転移しやすい肝臓内、肺、骨への転移の流れと症状、転移後の治療法について見ていきましょう。

肝臓内転移

肝臓がんの再発の実に8割が、肝臓内転移によるもの。肝臓は血管が豊富なため、血流にのった癌細胞が肝臓内を移動するのです。特に肝臓の血管「門脈」にがんが出来た場合には、肝臓全体へ転移する原因となるでしょう。

また、肝臓がんの小さいものは、画像検査では見つけにくく、治療で取り逃すことが多いです。その癌細胞が、時間をおいてまた増殖をはじめることで転移を起こします。

症状にあげられるのは、身体の怠さ、手足のむくみなどです。肝内転移が進行すると、黄疸や腹水といった危険な症状も現れます。この段階までくると、一刻も早い手術が必要です。

症状

  • 肝機能の衰え
  • 黄疸
  • 尿が黄褐色になる
  • 腹水
  • むくみ

肝臓癌は肝臓内で転移しやすく、初期の段階はほとんど自覚症状がありません。肝臓内転移が進行した場合の代表的な症状といえるのが肝機能が衰えるということ。これによりだるさを感じたり、脱力感を覚えることもあります。

菅機能が低下した場合の最も特徴的な症状といえるのが眼球や肌が黄色くなる黄疸が現れることです。肝臓の機能が落ちた際には体重が減少したり、それまでたくさんお酒を飲んでも何ともなかったのに急にお酒に弱くなるなどの特徴も挙げられます。

尿の色にも変化があり、黄褐色になるため、こういった目に見える変化があってやっと肝臓に異常が起きていることに気づく方も多いようです。他に腹水がたまったり、手足のむくみも感じやすくなります。

治療方法

肝臓内転移の場合は、主な治療法に切除手術とラジオ波焼灼を挙げることができます。切除手術の場合、腹部に5~12mmの手術穴を数か所開け、そこに内視鏡と器具を入れて切除する、腹腔鏡手術を行うことが多いです。

ラジオ波焼灼療法は、電極針を腫瘍に挿し込み、高周波のラシオ電流を流し焼却することで癌細胞を死滅させる方法。これらは、数が少なく基準以下の大きさの腫瘍に効果的です。

がんの進行が初期段階であれば、PETITという針を使用して腫瘍に直接エタノールを注入し、癌細胞を死滅させる経皮的エタノール局注療法という治療法もあります。

前記の治療が適応できない場合は、がんに栄養を届ける動脈をふさぐ肝動脈塞栓術、動脈を通じて抗がん剤を直接注入する動注療法などが用いられます。

腫瘍の数が多い場合には、カテーテルを使用して動脈に抗がん剤を注入した後、塞栓物質を使用し血管を人工的に塞ぐことで癌細胞を壊死させる、肝動脈化学塞栓(そくせん)療法が有効です。肝臓癌はもともと抗がん剤が効きにくいので、延命にあまり効果的ではありません。

肺転移

肺転移は、癌細胞が血流にのって門脈を通り、気管支や肺まで到達することで起こります。肺へ転移した場合に現れる症状は少ないので、特に注意が必要です。胸部の痛みや息苦しさ、長期間にわたる咳、血痰が出るなどの症状があれば肺転移を疑いましょう。早急に検査することをおすすめします。

症状

  • 咳が出る
  • 血痰が出る
  • 息苦しさや呼吸困難
  • 胸の痛み
  • 喉の異常

風邪を引いたわけではないものの、咳が出るようになります。咳の強さは人によって違うのですが、状態が悪化すると血痰が出る場合も多いです。特に、原因不明の咳が1週間以上続く場合は肺転移が疑われるので病院で診察を受けましょう。

咳が出なかったとしても、息苦しさや呼吸の難しさを感じる方もいます。ただ呼吸をするだけでも辛いと感じるような状態であれば肺転移が起きている可能性もゼロではありません。咳が出やすくなることも原因の一つとなり、胸の痛みを感じることもあります。

それから、咳がたくさん出る影響で声が枯れたり、喉の異常を感じることも多いです。

治療方法

肺転移した腫瘍が初期段階の場合には、内視鏡手術が可能です。容体が悪化し、手術に耐えられない状態であれば、抗がん剤による全身化学療法が用いられます。

基本的に全身化学療法を行うケースが多いですが、腫瘍が多数存在する、または肥大している場合には、肺にある気管支動脈に抗がん剤を注入する気管支動注報や、リンパ球を大量に注入し、癌細胞を攻撃させる免疫療法なども試されるようです。

骨転移

骨転移しやすいのは、胸椎や腰椎などの椎骨、骨盤といった体幹に位置する部位です。肝臓がんから骨への転移を遠隔転移といい、頻度は1割程です。骨転移を見つけるには、CTによる画像診断やスクリーニング検査を行います。

骨転移には、痺れや麻痺、骨折などの症状がありますが、これは癌腫瘍が骨を壊しながら大きくなるためです。

症状

  • 麻痺やしびれ
  • 骨がもろくなる
  • 痛み

どの部位の骨に転移するのかによって現れる症状は異なりますが、体幹部分にあたる骨に腫瘍ができると麻痺やしびれなどが起こります。

また、骨折しやすくなるのも骨に癌細胞が転移した場合の特徴的な症状です。強い衝撃が加えられたわけではないのに簡単に骨折するような場合は癌細胞の転移が原因で骨がもろくなっていると考えられるでしょう。特に腰の骨や足の骨などが骨折するとそこから一気に体力が落ちてしまう危険性も考えられます。

また、しびれではなく痛みを感じる方も多いです。腰椎に転移した場合は腰痛、上腕骨に転移した場合は腕の痛みなど、麻痺やしびれが発生する際と同じくどこの骨に転移したのかによって痛みが現れる部位は異なります。

治療方法

骨転移の治療は、抗がん剤による化学療法が一般的。効果が薄い場合、放射線治療が行われます。10~15回の照射を1日2~3回に分けて行う治療法です。1日だけではなく、経過を見ながら照射を行う必要があります。

また、治療する時期が早いと癌細胞を増やしてしまう可能性が。逆に、治療時期が遅いと麻痺や骨折につながる危険性もあるので、放射線治療は計画的に施行されます。進行が初期の場合には、腫瘍を切除し人口骨に置き換える外科的手術も可能です。

肝臓への転移

肝臓癌の転移は、腹部超音波検査でほとんど発見することが可能です。初回の癌治療を行ったあと、3か月から半年に一度はこの検査を行い、転移を見逃さないようにする必要があります。もちろん超音波検査だけでは不確実なので、半年から1年に一度はCT検査も行うとベスト。

ちなみに、胃やすい臓、大腸、胆管など、肝臓に近い臓器からの転移が起こりやすいと推測されています。原発巣によって治療方法は変わりますが、肺がんやすい臓がんは全身への転移が疑われるので、肝臓の転移巣だけを切除しても意味がありません。一方、乳癌や胃がんは切除の対象となることがあります。

大腸がんからの転移の場合は、比較的治療成績が良いようです。3分の1のケースで切除が可能で、切除ができた場合の5年生存率は40%を超えています。

転移した肝臓がんを治療できる病院

転移した癌を治療しようと考えたとき、1番重要となるポイントを知っていますか?実は「医師選び」なんです。癌治療の中でも転移した癌の治療は最も難しいとされている治療で、ある程度の技術を持っている医師でないとできません。そうなると安心して治療を受けるためにも、必然的に医師選びは重要となります。

さらに、合わせて病院選びにもこだわるとなお良いです。どういった実績がある病院なのかを知っておくことで、後悔しない医師選びに繋がりますよ。

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