肺癌の転移

肺からほかの部位に転移した癌や、ほかの部位から肺へ転移した癌の特徴や治療法などをまとめました。

肺癌の転移先や治療法・肺に転移した癌の特徴

肺癌の転移先で多いのが、リンパ節や脳、骨などといわれています。さまざまな癌の中で、最も転移しやすいのが特徴です。初期症状がないため発見したときには大分進行している場合が多いのですが、現在では癌健診が普及されているため、早期発見率は高まっています。

ここでは、リンパ節、脳、骨への転移の特徴や治療法について記載していますので見ていきましょう。

リンパ節転移

癌はリンパや血流に乗ってほかの臓器に転移します。肺癌の場合、リンパから流れた癌細胞が、原発巣近くのリンパの流れが密集するリンパ節への転移が多いそう。そのほか、左右の肺を隔てる横隔や肺門、首や鎖骨上のリンパ節に転移することが多いと言われています。

症状

  • 頚部の腫れやリンパ節腫脹
  • 上半身のむくみ
  • 喉の異常
  • 顔や腕のしびれ・むくみ

肺癌がリンパ節に転移した場合、頚部の腫れやリンパ節腫脹といった症状が見られるようになります。また、縦隔や肺門にあるリンパ節に転移してしまった場合、上半身のむくみなどが出たり、風邪をひいていないのに咳が出ることも多いです。喉の調子が悪くなるため、たくさん話したり大声で叫んだわけではないのに喉がガラガラしたり、声枯れを感じる場合もあります。

体の中でも肺癌の転移が特に多いリンパ節の場所といえば、首や鎖骨上のリンパ節です。食道周囲のリンパ節に肺癌が転移した場合、食事をする際に飲み込みにくいと感じたり、嚥下障害が現れることもあります。ほか、顔や腕のあたりにしびれを感じたり、むくんでいると感じる方が多いようです。

治療方法

リンパ節転移の標準的な治療法は、外科療法でリンパ節の切除(肺葉切除またはリンパ節郭清)を行うことです。病期が早い場合、非常に有効な治療法と言えます。そのほか、外側から放射線を照射して癌細胞を取り除く放射線療法も。

脳転移

肺癌の転移先で最も怖いとされている「脳転移」。血液によって流された癌細胞が、脳の1番外側にある「硬膜」に転移します。

脳は大きく分けて4つの部位があり、どこに転移したかによって症状が異なるのですが、主な症状は視覚障害や感覚障害、麻痺や痙攣などがあるそうです。脳の表面にある「髄液」に転移した場合、背中や腰の痛み、手足のしびれを感じることも。

症状

  • 痙攣や感覚障害、目まい、麻痺
  • 腰や背中の痛み
  • 手足のしびれやむくみ
  • 人格への影響

脳の中でも特に転移が認められやすい部位といえば硬膜と呼ばれる部位で髄膜の一部に該当します。ここに転移が起きると痙攣や感覚障害、目まい、麻痺などの症状が発生するケースも多いです。

硬膜から更に転移が進み、髄液にまで達した場合には腰や背中の痛み、手足にしびれを感じることもあります。

また、肺癌が脳に転移してしまった場合、転移した部位の周辺部分がむくむのですが、これによって頭蓋骨の内部が圧迫された状態になると頭痛のほか、吐き気を感じることも多いです。

脳の中でもどの部位に転移するのかによって考えられる症状は変わってきます。例えば、脳の中でも精神を司る働きを持った前頭葉に転移した場合、人格が変化し、発症前とは別人のような状態になることもあるのです。

治療方法

脳転移が見つかった場合の治療法は、脳に届きにくい抗がん剤治療はあまり行わず、外科手術や放射線治療がメイン。小さい10個以下の腫瘍の治療には「ガンマナイフ」という放射線を当てる治療、脊髄まで腫瘍が転移し、10個以上あると「全脳照射」という治療が行われます。

骨転移

骨盤や大腿骨、腰椎や胸椎に多い「骨転移」。手足にはあまりみられず、体の中心にある骨に転移することがほとんど。また、1箇所癌の転移が見つかったら、ほかの場所にも転移している場合が多いのも特徴です。神経麻痺や病的骨折、骨の痛みや些細な刺激での骨折などが症状としてみられます。

症状

  • 痛みやしびれ
  • 骨が弱くなる

主な症状は転移した部分の痛みやしびれに関することです。骨に癌細胞が転移すると骨が非常に弱くなります。これは、骨の中に含まれているカルシウムが血中に流れ出してしまうからです。つまり、高カルシウム血症と呼ばれる状態になります。これにより、ちょっとした衝撃を受けただけでも骨折してしまうことがあるのです。

骨に転移したからといってすぐに強烈な痛みがあるわけではなく、徐々に痛みが強くなります。そのうち良くなるだろうと思って早急な対策が取れない方もいるため十分な注意が必要になるでしょう。痛みが発生する部位は人によって違うものの、脊髄に転院した場合は手足のしびれや筋力の低下を感じるケースも多いです。状態が悪化すると麻痺にもつながるため、できるだけ早く気づいて対策をとりましょう。

治療方法

骨転移の治療法には、薬物療法が有効です。症状が安定してきたらデノスマブやゾレドロン酸といった骨修飾薬を使用。SREの予防になり、抗がん剤との併用も可能です。

骨修飾薬などを使用しても痛みが引かない、麻痺するといった場合には放射線治療を行います。放射線治療は痛みを和らげたり、骨折の予防をしてくれるほか、1回の治療で2~3年以上は再発しないのが特徴です。

肺への癌転移

肺は全身へ血液を送り出したり、全身から血液を受け取ったりしている臓器です。そのため、ほかの癌と比較しても転移が非常に多くみられます。肺へ転移した場合は、ほかの部位にも転移していることがほとんどで、手術よりも抗がん剤治療やホルモン療法が中心です。

転移元によって癌の性質は異なるので、具体的な治療法はそれぞれ違います。ものによっては進行が遅く、数年間の共存ができることも。特に大腸からの転移性肺癌の場合は、肝転移やリンパ節転移が認められない場合に手術や放射線治療を行うことがあります。

肺以外に転移がなく、腫瘍がひとつだけであれば、手術による治療が可能です。もちろん、無治療よりも予後は良くなります。

転移した肺がんを治療できる病院

癌を発見したときに、すでに他のところに癌が転移していたなんてことは少なくありません。それは肺癌でも言えることです。しかし、病院で検査をして転移した癌が見つかったときは、焦って検査した病院ですぐ治療を決意するのはなるべく避ける様にしましょう。

実は転移した癌の治療は癌治療の中でも難しいとされており、実績がない医師に任せるのは危険だといえます。日本には転移した癌の治療実績が豊富にある医師が存在するので、その医師を選び相談するようにしましょう。

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