癌の転移が起こる仕組み

癌の転移はなぜ起こる?そのメカニズムとは

癌の治療を難しくする要素の中でも、大きな障害となるのが「転移」。これは、がん細胞が体内のほかの部位に移動して腫瘍を形成することを指します。

はじめに発生した癌腫瘍の治療に比べ、転移した癌の治療はより難しいとされています。この転移した癌と闘うために、最新の治療法の開発・研究が日夜進められているわけです。

転移癌の治療について知るために、まずは癌の転移がどのようなメカニズムで生まれるのか知っておきましょう。

癌細胞が転移するタイミング

癌細胞の転移が起こるには、まず細胞の増殖が必要となります。

癌細胞の最初のすみかは「原発巣」と呼ばれます。原発巣に癌細胞が定着し、酸素や栄養を運ぶ血管をつくりだすことで、増殖をはじめます。

体内には、癌細胞が原発巣から離脱するのを防ぐ仕組み(細胞外マトリックス)があります。しかし、癌細胞自身が細胞外マトリックスとの接着・分解・移動を繰り替えすうちに隙間ができ、がん細胞は原発巣を離脱します。癌細胞の転移はここから始まるとも言えます。

原発巣を出た癌細胞は、血管やリンパ管を通じてほかの臓器へと流れていきます。その多くは免疫機構によって死滅させられるのですが、免疫をくぐり抜けてほかの部位に細胞がたどり着くと、新たな部位でまた癌細胞の増殖がはじまります。

転移のメカニズム

そもそも、癌細胞とひとくちに言っても、癌腫瘍に含まれる細胞は一様ではありません。運動能力が高いものや、まわりの組織(とりわけ細胞外マトリックス)を破壊する能力を持ったものなどがあります。

これらの特異な細胞をもった細胞が、周囲へと流れ出していくことを「浸潤」と呼びます。リンパ節や血管内へ浸潤した細胞は、血液細胞とともに塊となり、肺や肝臓、脳、せき髄へと移動します。

癌初期段階から、実は血液内に癌細胞は流れ出しています。しかし、これがほかの部位に定着するためには、ふたたび血管を内側から破って臓器内に侵入し、定着して、細胞が増殖するための血管をつくりださなければなりません。

人間のからだには免疫機構があるので、多くのがん細胞は新しい血管が生み出される前に殺されてしまいます。しかし、侵入と血管新生に成功した癌細胞があれば、そこから増殖がはじまり、転移巣を形成するのです。

転移の予防はまだ研究段階

こういった癌転移のメカニズムが分かりつつある中、癌の転移を防ぐ医療技術の開発が急がれています。

癌細胞がほかの部位に定着することを防ぐには、血管新生を阻害できればいいと考えられてきました。そのため、血管新生を抑制する方法が研究されてきましたが、これも効果は限定的です。

現在では、さらに転移を抑制する新しい治療法の研究が続けられています。癌の転移に大きな役割を果たすとされる「がん肝細胞」などが最新のトピックスとして注目されているようです。

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