骨転移した癌へのトモセラピー(放射線)治療

骨転移で放射線治療を行う目的

手術後の再発予防や、転移した病変に対する症状改善を目的に行います。

なぜ放射線治療が必要なのか

原発がんが発生し進行してしまうと、腫瘍が血管まで浸食し、これによってがん細胞が血液によって全身へ流れてしまいます。このようにして全身を巡った後、骨にたどり着いた腫瘍が骨転移ということになるのです。言い換えると、骨転移があるということは、全身病であることになり、全身病を治療する場合、一般的に行われるのは抗がん剤治療などの全身治療。しかし、場合によっては放射線治療を行うこともあります。その1つが体幹部定位放射線照射です。

体幹部定位放射線照射とは、病巣に対して多方向から放射線を集中的に照射する方法。一般的な照射と異なるのは、大線量を少ない回数で照射するという点です。この方法は、肺や肝腫瘍の場合でも、行われることで知られています。例えば背骨の場合だと、骨の中に脊髄という重要な神経が走っています。この脊髄は、放射線に弱いため、体幹部定位放射線照射治療を行う場合、脊髄を避けながら腫瘍にだけアプローチするようにしなければなりません。

この治療法は、原発のがんや他の転移が治療によって制御されていることが認められ、かつ骨の転移が1箇所の場合、または以前に照射した骨の病変が再増悪した場合などに効果的です。

骨転移における放射線治療の方法

放射線治療を行うためには、まず治療計画を策定しなければなりません。そのためには、CT及びMRIの撮影が必要となります。治療は、病変がある骨に対し12グレイという強さの照射を2回、行います。1回の照射時間は、40~50分ほど。照射を行っている間、痛みや熱さなどを感じることはなく、入院する必要もありません。治療を行った後は、画像検査などを定期的に行い、経過を観察します。定位放射線照射治療は、腫瘍に対し、高い線量を投与することができるので、治療を行った部位の腫瘍は80~90%という高水準で制御することができると報告されています。

放射線治療の副作用

放射線治療を受けることによって重大な副作用が出ることはほとんどありません。しかし、日常生活に支障をきたすほどではないものの副作用があることが確認されています。ではどのような副作用があるのか確認していきましょう。

まず1つ目は、皮膚炎です。主に治療を行っている時または、治療直後に多く見られ、放射線治療を受けた人のほとんどに見られる副作用ですが、それほど心配する必要はありません。医師に相談し、保湿剤や消炎鎮痛剤などを使えば、1ヶ月もしないうちに快復します。かゆみが出てもこすったりしないようにし、どうしても我慢できない時は、改めて主治医に相談してみましょう。

2つ目は、晩期障害と呼ばれるもの。これは、治療後、しばらくたってから起きる副作用のことを言います。具体的な症状として、皮膚の色が変わったり、硬くなったり、汗の分泌量が減ったりすることが挙げられます。こちらも医師の指導の下、対処を行えば、それほど問題ではないので安心して下さい。

【結論】骨転移はトモセラピーで治療できる?

トモセラピーとは、無限の回転軌道照射を実現させた強度変調放射線治療(IMRT)の専用装置のこと。今まで実現が困難とされてきた複雑な形をした腫瘍などにも、その形に沿った治療ができるようになったのが大きな特徴です。

治療をする場合は、その都度、CTを撮影し、治療を計画した時の画像と比較しながら位置の誤差を補正するので、計画した場所へ正確に治療を行うことができます。

トモセラピーの治療中に痛みはほとんどありません。1回の照射時間は5〜10分程度、トータルの治療時間も20〜30分程度となるので、身体的にも時間的にも負担の少ない治療法と言えます。また、従来の放射線治療に比べると、副作用がかなり軽減されているのも魅力です。

通常の骨転移はもちろん、多発の骨転移でも一度に全部をピンポイント照射するテクニックをトモセラピーで使えば、治療することは可能です。

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ちなみに…骨転移はサイバーナイフで治療できる?

サイバーナイフとは、高精度のロボットアームに小型の放射線治療装置を搭載した、定位放射線治療の専用装置。ロボットアームにより、さまざまな方向から腫瘍に集中的に放射線を照射することができます。腫瘍には集中的に放射線が照射されますが、周りの正常な臓器への照射は最小限にとどめることができるのが特徴です。

治療中のわずかな移動もX線のモニターで監視し、1ミリ以下のずれも検出することが可能。ロボットアーム側で位置誤差の補正を行うことができます。そのため、簡易的なプラスチックマスクによる固定のみで精密な照射することができるのもポイントでしょう。また、呼吸にともなって動く肺や腹部のがんへの治療も、自動で追跡して治療することができますよ。

サイバーナイフは体幹部の腫瘍や呼吸により動きのある腫瘍に対しても治療可能で、骨や脊椎への転移性腫瘍でも対応することができます。

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ちなみに…骨転移はガンマナイフで治療できる?

ガンマナイフは、脳内にある病巣部に200個程度の細かなガンマ線ビームを集中的に照射する放射線治療のことです。開頭手術をせずに病巣をナイフで切り取るように治療できることからこう呼ばれており、周辺の組織を痛めずに行うことができる、より侵襲の少ない治療と言えます。

照射時に貫通する頭皮や骨、脳実質、血管、神経への影響はほとんどなく、照射を行った病巣のみが徐々に凝固・壊死させることができる治療法です。今まで手術では困難だった脳の深部にある血管奇形や腫瘍への低侵襲的治療が可能であり、外科的手術に耐えられない患者や高齢者の治療も治療を受けられます。

ガンマナイフは、脳病変に対する定位放射線治療機器なので、基本的には肺や脊髄などは治療できないのが現状。ただし、骨転移の中でも頭蓋骨に転移が認められる場合は、使用することができるかもしれません。医師と相談しましょう。

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ちなみに…骨転移はトゥルービームで治療できる?

放射線治療装置に内蔵されたX線画像装置を使って、高精度に放射線治療を行うことができるのが「トゥルービーム」です。脳腫瘍など小さな病巣へのピンポイント照射を得意とするサイバーナイフに対し、トゥルービームは広域にわたる大きな病巣への照射も短時間で行うことができます。

治療するベッドに寝たままの状態になるだけで、装置が体の周りを自動に1回転して、CT写真を撮影することができるようになったため、X線写真では見えなかった軟部組織のがんが金属マーカーを埋め込むことなく位置を同定し、放射線を照射することが可能です。

広域の治療を得意としているので、骨転移の治療にも適用されます。

   
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