「癌の摘出手術を受けたのに、なぜ放射線治療が必要なの?」「もしかしたら手術ミスで全部、癌を取り切れていないのでは?」このように考える方がいるかも知れませんが、そうではありません。では、なぜ放射線治療を受けなければならないのでしょうか。
ドクターは、データなどを元に腫瘍を切除しますが、中には目には見えない病変が残存してしまうことが考えられます。医者も完璧ではないので、目に見えないものを取り除くことは困難です。この病変が残ってしまうと、局所的に再発してしまうことが考えられます。
再発するリスクの高い部位に放射線治療を行うことで、局所再発が大幅に減少し、治療を受けた人の方が、その後、長く生きられるということが証明されています。ですので、乳がんの手術を受けたドクターから、放射線治療を提示された場合は、受けておくのがおすすめです。ただし、乳房の全摘手術を受けて、再発のリスクが低い場合は、これには該当しないため、放射線治療を受ける必要はありません。担当のドクターとしっかり相談して、治療方針を決めるようにしましょう。
一般的には、斜め前方と後方から、乳房や乳房のあった胸壁に向けて照射を実施。さらに必要に応じて、リンパ節がある部分にも照射範囲を広げることがあります。病院やクリニックごとにガイドラインを設け、それに沿って照射範囲を設定していることもあります。また、放射線が患部に均等に照射できるよう、最先端の手法を用いて施術を行っているクリニックもあります。
治療スケジュールは、月曜日から金曜日までの週5日。合計で25~30回程度の治療が必要なので、1ヶ月から1ヶ月半ほどの治療期間が必要となります。一度、始めた治療を途中で中断してしまうと、その効果が低下してしまうので、よほどのことがない限り、期間中は治療を受け続けなければなりません。所要時間は1~2時間ほどなので、仕事や家事をしながら治療を受けることもできるので、分からないことがあれば、担当の先生に相談してみましょう。
治療を始める場合、まずは放射線科にて初診を受けます。この時は、診察と治療の説明のみで、治療などは行いません。初診が終わったら治療計画を策定。それが終わったら具体的な治療に取り掛かります。
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