大腸がん

ここでは、大腸がんの治療法としての放射線治療(トモセラピーなど)について解説しています。トモセラピーの目的、方法、副作用などについて詳しくまとめました。

大腸がんで放射線治療を行う目的

大腸がんには、結腸がんと直腸がんの2種類があります。これらのうち、結腸がんに対して放射線治療が選択されることは、ほとんどありません。通常、大腸がんの放射線治療は、直腸がんのみを対象に行われています。以下、大腸がんに対する放射線治療の目的を確認してみましょう。

術前における病巣の縮小目的

大腸がんの治療には手術が第一選択とされますが、術前、病巣を少しでも小さくしておく目的で放射線治療が行われることがあります。同じ目的で化学療法(抗がん剤治療)が併用されることもあります。

骨転移・肺転移の治療目的

結腸がんも直腸がんも、骨や肺に転移する例が多く見られます。これら転移先の治療を行う目的で、放射線治療が選択されることがあります。

再発予防目的

大腸がんの手術において、病巣が完全に取り除かれる保証はありません。一部のがん細胞が残ってしまった場合、再発の恐れがあります。

術後、がん細胞の取り残しの可能性を排除し、再発を予防する目的で放射線治療が行われます。

緩和目的

がんの根治が難しいと判断された場合、病巣における痛みや周辺組織への影響を緩和させ、患者のQOLを高める目的で放射線治療が行われることがあります。特に骨転移における痛みの緩和に有効です。

大腸がんにおける放射線治療の方法

大腸がんにおける放射線治療の具体的な方法を確認してみましょう。

放射線の照射方法

CT画像をもとにして治療計画のもと、GTVと呼ばれる指標に基づいた範囲に対し、放射線を照射します。GTVとは、原発巣に2~3cmを加えた範囲で、かつリンパ節大に0.5~1cmと所属リンパ節を含めた範囲です。進行した直腸がんに対しては、外腸骨リンパ節領域も含めた範囲に対して放射線が照射されます。

大腸がんの放射線治療における一般的な線量

術前照射(腫瘍を小さくする目的の放射線治療)においては、通常、40~50Gyの放射線を20~28回に分けて照射します。術後照射(再発予防など)においては、50Gyの放射線を25~28回に分けて照射します。

術後に病変が残存していた場合には、極力腸に放射線が触れないよう注意しながら、病変に対してピンポイントで60Gyまでの放射線を照射することがあります。なお60Gyの放射線照射に代わって、最初に40Gyの放射線を全骨盤に照射し、その後20Gyの放射線を病変部に照射する、という方法を選択している医療機関もあります。

放射線治療の副作用

放射線治療は、抗がん剤と同様、副作用が出やすい治療と言われています。主に放射線を照射させた部位に副作用が生じますが、中には全身的に副作用が生じる患者もいます。

副作用の発症時期に応じ、急性期副作用(治療期間中・治療直後に生じるタイプ)と晩期副作用(治療から半年以上経ってから生じるタイプ)の2種類の副作用がありますが、発症時期や発症の程度については個人差があると理解してください。

以下、大腸がんの放射線治療における主な副作用を確認します。

下痢

腸に放射線を照射する以上、腸の働きに何らかの副作用が生じても不思議ではありません。具体的には、放射線の影響により腸炎が生じ、下痢や軟便を自覚することがあります。副作用を感じている場合には、消化の良い食べ物を摂るようにしましょう。医師から整腸剤を処方されることもあります。

食欲不振

胃腸に放射線治療を施すと、食欲不振の症状が現れることがあります。治療のスピードを早めるためにはカロリーが必要なので、食欲不振の際には、たとえ少量であってもなるべくカロリーの高いものを食べることが大切。食欲が全く湧かない場合には、医師に相談をしましょう。

吐き気・嘔吐

大腸がんや胃がんなどの放射線治療を受けた後、吐き気や嘔吐を起こすことがあります。症状が著しい場合には吐き気を抑える薬を処方してもらうなど、何らかの対策が必要かも知れません。

全身倦怠感

放射線を照射した部位に関わらず、治療中や治療後に全身の倦怠感を自覚することがあります。身体的な倦怠感のほかにも、精神的な倦怠感(無気力など)を訴える患者もいるようです。症状を自覚したときには仕事や家事などを無理せず、ゆっくりと体を休めるようにしましょう。

皮膚炎

腹部の皮膚に炎症を生じることがあります。具体的には、赤み、かゆみ、痛みなどです。放射線の治療中や治療直後は皮膚が敏感になっているため、当該部位に直射日光を浴びたり、化粧品や香水を使ったりすることは避けるようにしてください。

   
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