いちから分かる癌転移の治療方法ガイド

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肝臓内への転移

肝臓内への転移は、そのほとんどが肝臓癌によるものです。このページでは肝臓内へ転移する場合の特徴や治療方法などをまとめました。

肝臓内に転移するケースとは

肝臓内転移とは、肝臓から同じ肝臓内に転移が起きることで発生する癌転移のことです。肝臓癌の再発の8割が肝臓内転移に起因していると言われています。肝臓内には多くの血管が通っているため、血流に乗った癌細胞が移動しやすいのです。特に肝臓の主血管である「門脈」に癌ができた場合、肝臓全体に癌が転移する原因となるでしょう。

また、肝臓癌の中でも小さいものは画像検査で見つけにくく、治療で取り逃しやすいのです。残ってしまった癌細胞が時間をおいてまた増殖を始め、転移を引き起こしてしまいます。

肝臓内転移の症状

症状

肝臓内に転移しやすい肝臓癌は、初期段階ではほとんど自覚症状が現れません。進行してから初めて病気に気づくことも多いようです。肝臓内転移が進行した時の代表的な症状は、肝機能の衰え。だるさを感じるだけでなく、脱力感を覚えることもあります。

肝機能が低下した時に見られる最も特徴的といえる症状が、眼球や肌が黄色く変色する黄疸という症状です。目に見えて体重が減少したり、お酒に強い人が急にお酒に弱くなったりという自覚症状が出ます。

他にも、腹水が溜まってお腹が張ったり、手足がむくんだりなどの症状、尿の色が黄褐色になるという症状もあり、このような目に見える変化があってからようやく肝臓に異常が起きているのに気づく方も多いようです。

肝臓内転移の治療方法

肝臓内転移の場合は「切除手術」と「ラジオ波焼灼」が主な治療法として挙げられます。また、進行例に対しては、アテゾリズマブとベバシズマブの併用療法や、イミフィンジとイジュドの併用療法といった免疫療法が新たな標準治療となっています。

切除手術は、腹部に5~12ミリの手術穴を数ヶ所開けて、そこに内視鏡と器具を入れて患部を切除する腹腔鏡手術を行う場合がほとんどです。ラジオ波焼灼療法は、腫瘍に電極針を挿し、高周波のラジオ電流で癌細胞を焼却して死滅させる方法。腫瘍の数が少なく、大きさが基準以下だと効果的です。

癌が初期段階で見つかれば、ラジオ波焼灼療法(RFA)が標準治療として推奨されますが、特殊な状況下では腫瘍に直接エタノールを注入して癌細胞を死滅させる「経皮的エタノール局注療法(PEI)」が選択されることもあります。

これらの治療法が適応しない時は、癌に栄養を運んでいる動脈をふさぐ「肝動脈塞栓術」や、動脈に抗がん剤を直接注入する「動注療法」などが用いられるでしょう。

腫瘍の数が多い場合は「肝動脈化学塞栓(そくせん)療法」が有効です。動脈に抗がん剤を注入した後、血管を人工的に塞いで癌細胞を壊死させることができます。

肝臓内転移について

癌は周辺の臓器やリンパ節、遠隔臓器に転移することが多いのですが、肝臓癌のほとんどが肝臓内に転移します。癌細胞が肝臓の血管を通して移動し、複数の癌が発生するのです。

肝臓癌は初期症状を自覚しにくいのが特徴。進行した時に尿の色が黄褐色になるという症状が現れて初めて気づく人も。早期発見をして早めに対処するためにも、定期的に検査を受けるようにしましょう。

予防やスクリーニングに関する情報

がんにかからないようにするためにはどのようにすればいいのか、検査について知りたいと思っている方もいることでしょう。がんを予防するためには、節酒や禁煙、バランスのとれた食事、適正体重の維持、検診を受けるなど、日頃から予防行動を取ることが重要です。

肝細胞がんは、一般向けのがん検診は定められていませんが、肝硬変やB型・C型肝炎ウイルス感染者などの高リスク群に対しては、6か月ごとに超音波検査と血液検査(AFP、PIVKA-II)の組み合わせによるスクリーニングが推奨されています。

アルコール摂取や喫煙、肥満、糖尿病なども危険因子とされています。また、このような因子は、脳血管疾患や心疾患のリスクを高めるため、生活習慣に課題のある方は、早めに改善する必要があります。

ここでは、予防やスクリーニングに関する情報を解説しますので、チェックしてみましょう。

予防について

国立がん研究センターなどの研究グループは、日本人を対象にさまざまな研究を行っています。その結果、日本人のがんの予防においては、禁煙・節酒・食生活・身体活動・適正体重の維持という改善可能な生活習慣に、感染をプラスした6つの要因に着目して、「日本人のためのがん予防法(5+1)」を定めたとされています。

禁煙・節酒・食生活・身体活動・適正体重の維持といった5つの健康習慣を実践することによって、がんリスクは半減したというデータもあることから、取り組めそうなものから始めていくことが大切です。

禁煙

日本人を対象とした研究が行われた結果、タバコは頭頚部がんや肺がん、食道がん、胃がん、膵臓がん、肝細胞がん、大腸がん、子宮頸がん、膀胱がんなど、さまざまながんに関連していることがわかりました。タバコを吸っている人は吸わない人と比較して、何らかのがんに罹患するリスクが1.5倍高まるとされています。また、他人のタバコの煙によってもリスクは高まるため、なるべく避けることが大切です。

節酒

日本人男性を対象とした研究が行われた結果、1日の平均アルコール量が純エタノール量換算で23g未満の方と比較して、46g以上の場合で40%、69g以上で60%ほど、がんに罹患するリスクが高まることが判明しました。とりわけ、飲酒は肝細胞癌や食道がん、大腸がんとの強い関係があるとされています。

お酒の目量(1日あたり純エタノール量換算で23gほど)

飲酒する場合、以下のいずれかの量にとどめるようにしましょう。

食生活

今まで行われた研究から、「野菜や果物を食べない」「塩分や塩辛食品の取りすぎ」「熱すぎる食べ物や飲み物を摂る」ことは、がんの原因になると言われています。日頃より、塩分を控える・野菜と果物を意識して摂る・熱い食べ物や飲み物は少し冷ましてから摂るといったポイントを守ることもがん予防においては重要です。

身体を動かす

仕事や運動で身体をよく動かす人ほど、がん全体の発症リスクが低いというデータもあります。身体活動量が高い人の場合、がんだけではなく、心疾患のリスクも低くなるため、普段の生活の中で活動量を増やすことが大切です。

適正体重の維持

今まで行われた研究から、肥満度の指標であるBMI値※が、男性21.0~26.9、女性21.0~24.9で、がんによる死亡リスクが低いことが示されています。また、男女ともがんを含むすべての死亡リスクは、太りすぎはもちろん、瘦せすぎでも高くなることがわかっています。

BMIの計算方法

BMI(Body Mass Index):体格を表す指標です。値が高くなるほど、肥満度が高いとされています。BMI値は、(体重kg)/(身長m)2で算出可能なため、今の自分はどのくらいなのか計算しておくことが大切です。

感染

日本人の場合、がんにかかる原因の1つに感染も挙げられます。感染したら必ずがんにかかるわけではないため、感染状況に応じた対策を講じると、がん予防につながると言われているのです。B型・C型肝炎ウィルスは、肝細胞がんの原因になります。地域の保健所や医療機関で検査を受け、感染している場合は、専門医の診察を受けましょう。

参照元:がん情報サービス

スクリーニングについて

スクリーニングとは、症状が出現する前にがんを発見しようとする試みのことで、がんの早期発見につながる場合もあります。がんはもちろん異常組織も、早期発見できれば治療が容易になるケースもあるのです。

主治医からスクリーニング検査を勧められたとしても、必ずしもがんを疑っているわけではないといわれています。スクリーニング検査は、がんの症状が出現する前に実施されるのが特徴です。スクリーニング検査を行った結果が異常の場合、がんの存在を確かめるために、さらなる検査を行うことになるのです。

肝がんに対するスクリーニング検査は、標準的なものや決められているものはありませんが、以下の検査法がその候補として現在研究が進められています。ここでは、スクリーニングについて詳しくご紹介します。

超音波検査

超音波検査は、超音波(高エネルギーの波)を肝臓に反射させ、それによって生じたエコーを用いる検査のことです。このエコーをもとに、ソノグラムと呼ばれる肝臓の画像が描き出されます。

CTスキャン

肝臓をさまざまな角度から撮影し、精細な連続画像を作る検査のことです。この画像は、X線装置に接続されているコンピュータで作成されます。肝臓をよりはっきりと映し出すために、造影剤を静脈内に注射するほか、患者に造影剤を服用してもらうケースもあります。

α-フェトプロテイン腫瘍マーカー

腫瘍によって生成され、血液や体液、組織の中から検出されることがある物質で、バイオマーカーとも呼ばれています。特定の腫瘍マーカーの値が高値を示す場合は、特定の種類のがんが体内に見られることを意味するケースがあります。肝臓がんを検出する腫瘍マーカーは、AFP(α-フェトプロテイン)が広く用いられているのが特徴です。しかし、α‐フェトプロテイン値は、妊娠や肝炎、他の種類のがんによっても上昇するケースがあります。

肝臓癌のスクリーニングのリスク

スクリーニング検査に関する判断は、困難なケースがあります。すべてのスクリーニング検査が役に立つというわけではなく、そのほとんどは検査に伴い、害が生じるリスクがあるとされています。スクリーニング検査を受けたい方は、主治医とよく話し合い、不明な点を確認しておきましょう。

偽陰性の検査結果が出る可能性

実際に肝がんが存在していても、スクリーニング検査を行って正常と出るケースもあります。偽陰性の検査結果が出た場合、何か症状が見られたとしても、医師の診察を受けるのが遅くなってしまうことがあります。

偽陽性の検査結果が出る可能性

実際に、体内にがんが見られないのにもかかわらず、スクリーニング検査の結果が異常と判定されるケースもあります。偽陽性の検査結果が出ると、不安な気持ちが強まる場合もあります。またその後、確定診断のための検査や手技(肝生検など)が実施されるため、そういった検査や手技によるリスクも生じます。

合併症が生じる可能性

スクリーニング検査の結果、異常と判定された場合には、肝がんの診断のために肝生検が実施されます。肝生検においては、まれと言われていますが、以下のような重篤な合併初が起こる可能性があります。

セルフチェック

前提として、肝臓は人体の中でも「沈黙の臓器」と呼ばれる組織であり、肝臓のトラブルや異常はなかなか諸症状として表に現れにくいことが知られています。そのため肝臓癌や肝臓内への転移癌についても自覚症状が乏しく、基本的にはセルフチェックだけで肝臓内への転移癌や肝臓癌の早期発見を叶えることは困難です。

しかし症状が明確に現れにくい臓器だからこそ、肝臓に関連した諸症状について異常を発見した際にはすでに癌が進行している可能性もあり、些細な変化にも気づけるように日頃から意識的に自身をセルフチェックすることには意義があります。またそもそも癌リスクの有無についても知っておくことが大切です。

肝臓癌や肝臓内癌などのチェック項目としては、肝機能の変化に関係する慢性肝炎や肝硬変といった症状に関連するものとなっており、以下のような特徴を見つけた際には速やかに医療機関を受診しましょう。

なお、上記の通りB型肝炎やC型肝炎について感染リスクがあったり、家族に肝炎患者がいたりするような場合、肝機能などに異常がなくとも一度医療機関を受診して適切な検査を受けておきましょう。

遺伝子検査

両親や家系の特徴が子供や孫へ伝わることを遺伝と呼びますが、癌のリスクについても遺伝子によって子孫へ影響する可能性が知られています。そのため現在は患者や家族の遺伝子を検査することで、あらかじめ癌になりやすいかどうかを診断したり、癌が発症する際にはどの臓器へどのような特徴の癌が発生するのか予測したりといった遺伝子検査や遺伝子診断についても全世界的に研究が行われています。

癌のリスクに関与する特定の遺伝子は「癌遺伝子」として研究されており、その変異の有無や組み合わせによって癌の予防や治療に関して様々な医学的情報を得られることが重要です。

癌遺伝子や変異があるからと言って必ずしも癌が発症するとは限りませんが、遺伝子検査によって得られる遺伝情報にもとづいて治療方針や治療法を決定することを「個別化治療」と呼びます。

肝臓に関する癌はゲノム情報にもとづいて複数に分類されており、癌遺伝子としてp16やAPC、TERT、CCND1など様々な遺伝子が知られていることもポイントです。

※参照元:国立研究開発法人国立がん研究センター|肝臓がん300例の全ゲノムを解読

遺伝子検査とは?

癌の遺伝子検査には、少数の遺伝子をピンポイントで調べる「がん遺伝子検査」と、多数の遺伝子について同時に調べる「がん遺伝子パネル検査」の大きく2つがあります。なお、一部の癌については標準治療として遺伝子検査や個別化治療が行われており、肝胆膵領域の遺伝子パネル検査についても2019年6月以降、いくつかの検査を保険診療として受けられるようになりました。ただし肝臓癌の遺伝子検査や遺伝子パネル検査を保険適用で受けるためには主治医が必要と判断することが要件となっており、遺伝子検査を受けたい場合は主治医へしっかりと相談するようにしてください。

※参照元:がん研有明病院|肝・胆・膵内科

癌の診断

前述したように、癌関連遺伝子としてすでに複数の遺伝子や癌との関連性が発見されており、新たな癌遺伝子の研究についても日進月歩で続けられていることが重要です。

特に一部の癌については関連遺伝子の類型や変異の有無が症状の特徴に関与するとされており、患者の遺伝子検査を行うことでどのような癌が発生しているのか確定診断に寄与する点は無視できません。

またすでに癌が発覚していない人に対して事前に遺伝子検査を行うことで、得られた結果から将来的な癌のリスクや発生しやすい癌の特性を事前分析するといった活用法もあります。

薬の有効性についての診断

がん遺伝子を調べることでがんの症状や特性を分析できることから、患者に対してどのような治療法が有効か、また予定している治療薬や治療法の効果などについて総合的な診断が可能です。

癌の遺伝子検査と治療薬の有効性に関する診断としては、HER2遺伝子やBRAF遺伝子、EGFR遺伝子といった複数の遺伝子が対象になっており、それぞれの変異の有無によって有効な治療薬を選択したり、適切な治療法の組み合わせ方を検討したりするといったことがあります。

なお、保険診療として調べられる遺伝子の種類や癌の内容については主治医と相談してチェックするようにしてください。

※参照元:がん情報サービス|がん医療における遺伝子検査 もっと詳しく

副作用リスクの診断

治療薬の有効性について癌の遺伝子検査が効果的であるように、抗がん剤などの副作用リスクについても遺伝子検査によって検証することが可能です。

例えば細胞障害性抗がん薬として知られている「イリノテカン」を使用する際には、事前に血液検査や遺伝子検査を実施して、重篤な副作用が発生しやすい体質か否かを調べることが行われています。また検査の結果、副作用リスクが高いと診断された患者に対しては、使用する薬の量をコントロールしたり別の治療薬を選択したりといったことが考えられるでしょう。

イリノテカンは肝臓癌や肝転移などの治療にも使用される医薬品です。

※参照元:がん情報サービス|がん医療における遺伝子検査 もっと詳しく

遺伝子検査を受ける際の注意点

遺伝子検査は日本全国の医療機関で受けられますが、保険診療として受けられる遺伝子検査には一定の条件があります。そのため、まずは自身の状態でどのような遺伝子検査が保険適用となるのか、主治医に確認した上で検査方法を相談しましょう。

患者のQOL(生活の質)について

CARTは、まず腹部に針を刺して溜まっている腹水を抜いていきます。CART専用の貯留バッグに貯めた腹水から、がん細胞や細菌、血球成分を取り除いて、アルブミンなどの有用成分を濃縮する操作を行います。そして、アルブミンなどの有用成分が濃縮された腹水を点滴で戻していきます。

CARTでアルブミンなどの有用成分を補充すると、栄養状態が改善し、QOLの向上につながります。また、腹部の圧迫が軽減し、苦痛の緩和にもつながります。

末期の状態にあっても、腹水の管理ができると、QOLを改善していけると言われています。CARTを行うと、発熱や悪寒、血圧上昇、頭痛、嘔気、戦慄といった副作用が見られることがあります。頻度は不明ですが、溶血や血圧低下、顔色不良、嘔吐、血圧低下、ショック症状を呈するケースもあるため、心配なことがある方は主治医へ確認しておきましょう。

経済的な不安を軽減するには

癌の治療や予防について考える際、どうしても気になってしまう問題の1つに「お金」の話があります。一般論として、癌の治療やケアには高額な治療費がかかると考えられており、実際、入院治療や投薬治療、術後の再発予防など様々な理由で費用がかかる可能性はゼロでありません。

しかし日本の公的保険では所得状況などに応じて支払った治療費の一部が返還される高額療養費制度といった制度があり、その他にも各地方自治体では地域住民のために癌検診の費用助成など様々な制度を用意していることもあります。

また癌保険や医療保険といった民間の保険サービスもあり、癌の再発や転移に備える予防対策の1つとしてお金の問題に対する備えも考えておくことが肝要です。

患者の声・体験談

肝臓内への転移が見られた方や、治療を受けている方の体験談が知りたいと思っている方もいるのではないでしょうか。ここでは、肝転移のある方や手術を受けた方の体験談をご紹介します。

緩和ケアへ早めに移行してよかった

緩和ケアに移行後は、薬の副作用の心配がない。もちろん、癌による体調不良は進行中だが、痛み止め等でなんとか対応できている。対面での仕事も1時間程度であれば、こなすことができそうだ。

緩和ケアというと終末の印象をもたれる方が多いが、私は体が衰弱する前に移行してよかったと思う。副作用がないことに加えて、自分の力で癌と共生する覚悟が生まれたからだ。

引用元:癌と余命を生きる 肝内胆管癌ステージⅣ

肝臓の切除量が多く入院期間が長引いた

退院前に担当医から手術の状況について説明を受けました。
この時初めて手術の際の写真を見せていただきました。 肝臓の所々に変質している所があったことからがんの転移の可能性もあり当初の予定よりも切除量が多くなたたこと
切除した肝臓の検査で変質している所は単なる炎症でがんの転移は認められなかったこと
がんは肝臓内で胆管が左右に分かれている直後の右側で他への転移は認められなかったとのことでした。
入院期間が長引いたのも肝臓の切除量がもともとぎりぎりと考えていた量よりも多かったためでしょう。

引用元:回復経過03

周りの人が親身になって声をかけてくれた

看護師の友人は病名を聞いたとき泣いてくれたそう。そして遠い道のりを飛んできてくれました。がんが小さくなったと伝えると、心から喜んでくれました。 病院の緩和ケアの看護師さん、薬剤師さんたちも親身になっていつも声をかけてくれ、ありがたく感謝の気持でいっぱいです。

引用元:胆管・胆のうがんの体験談 胆管・胆のうがん 54歳 女性 パート・アルバイト|がんになっても

病院選びや先生選びは予後に関係する

私は術後あれこれ調べ、セカンドオピニオンも父に内緒で聞きに行きました。聞くと手術の方法もいろいろあり、そもそも病院選び、先生選びも予後を大きく変えるのだと思いました。 身近でがんになった方がいらしたら、よくよく調べて悔いのない治療を選んでください。

引用元:胆管・胆のうがんの体験談 胆管・胆のうがん 42歳 女性|がんになっても

セカンドオピニオンなどにも耳を傾けてくれるようになった

当初はひとつの病院・先生にこだわり「この先生に全てお任せしたい」と言い切って聞かなかった母が徐々にセカンドオピニオンなどにも耳を傾けてくれるようになり今の病院を紹介していただき治療中です。

なんでも多角的に考えなければ…と思い知らされました。腫瘍マーカーの値が転院時は高かったのですが今の先生にお願いしてからいくらか落ち着いています。

引用元:胆管・胆のうがんの体験談 胆管・胆のうがん 38歳 女性|がんになっても

医師と看護師を信じることで気持ちが楽になった

担当外科医、看護師さんを信じることで気持が楽になり不安が消えたことを覚えています。

引用元:胆管・胆のうがんの体験談 胆管・胆のうがん 45歳 男性 会社員|がんになっても

家族へ本音で話せたからか勤務先へはスムーズに伝えられた

家族や友人に病状を伝えた際にはお互い涙し、感情的になった事もありました。そのようなこともあり、勤務先へは比較的スムーズに話が出来ました。深刻になり過ぎないようにできるだけ明るい感じで伝えました。ただ、夜遅くなり過ぎたり、体調が悪い時があるかもしれないなど、ちょっとだけ思いやりを下さいとも話しました。見た目にはわからないので、もしかしたら周りの人は自分が病気である事を忘れている人もいるかもしれませんね

引用元:胆管がん体験者 西口洋平さん|オンコロ

会社の人事へ病気や治療のことを具体的に伝えた

3月ぐらいの抗がん剤やる前に会社に1回行きました。人事の人に話をして、こういう病気で、治療もこんなふうにかかって、退院がいつぐらいで復帰がこれくらいなんですよと。なんか使える制度が何かとか、みたいな話をして。じゃこれ使えるよとか、高額療養費の申請しといたほうがいいよとか、みたいな話をもらったっていう感じですね。人事の人が多様性ある方で、病気の人も過去に会社に在籍していたみたいで「そういうこと解るよ、だから一緒に闘っていこうね」みたいな感じのスタンスの方だったんで、すごい話が早かったですね。

引用元:一歩行動すれば、世界は変わる|がんノート

開業医で大きな病院の受診を勧められた

4年前のある日、高熱が出て開業医に行ったら「大きい病院に行って下さい」と言われて行ったら、検査で「がんです」と言われた。結局そこの病院で「手術できない」と言われて大学病院で手術した。それから、4年経った。現在3ヶ月ごとの検査で今のところ再発していない。

引用元:肝臓がん 50歳 男性|がんになっても

皆様の励ましに感謝

毎回高齢の両親が気にかけ、励まされ、皆様に感謝するように。子供達には、色々我慢し頑張る姿を見せられ励みに。

引用元:肝臓がん 50歳 男性|がんになっても

子どもは家にあるがんの本や手術痕から病気を理解している

告知されたとき幼稚園に通っていた娘は、小学3年生になりました。家にあるがんについての本や週1回の通院、おなかにある手術痕から、パパが病気で、その病気ががんであることは理解しています。

引用元:父として、夫として、一人の人間として、がんになって本当にやりたいと思えることに出会えた|あやライフ

抗がん剤治療では飲食できるものをとり乗り切った

抗がん剤で治療中はたいして食べていないのにもかかわらず、高脂血症で総コレステロールと中性脂肪が高くなりました。味覚障害も出て、ゆで卵しか食べられなくなり、また、水の味がダメになって水やお茶が飲めず、原液のリンゴ酢やコーヒーで水分を摂っていました。この時、体重が一気に落ち、診断前と比べて4.8%ほど減りました(42kg から40kg)。管理栄養士さんからは、「卵はコレステロールが多く含まれていて気になるかもしれませんが、食べられるものを食べて。飲めるものを飲んで」と言われて、とにかく頑張って飲食しました。

引用元:UCさん 40代 大腸がんステージⅣ|オンコロジー

味覚障害のある時の食事

病院の栄養士さんから「抗がん剤の副作用である味覚障害には個人差がありますが、一般的にはうま味や塩味が感じにくくなり、甘味を強く感じることが多いようです」と言われたので、普段から食べ慣れたものをベースに色々試したところ、私の場合は塩味や辛味がきつく感じるようで、好物の鮭フレークは苦手になっていました。しかし、なぜか梅干しの塩味は酸っぱく感じて食欲がわいたので不思議だなあと思います。そうやって試行錯誤しましたが、食事量はやはり減ります。幸いなことに味覚障害が強いのは抗がん剤投与後3日間くらいとわかるようになったので、この間は我慢して食べるようにしています。なぜなら食べることは生きる原点で、食べると身体が動いて体力がつき、次の治療につながることを実感しているからです。

引用元:LOさん 60代 膵臓がんステージⅣ|オンコロジー

周囲の人に助けられて感謝

以前から肝機能関連検査値上昇、体重減少、食欲不振という変化が身体におこっていました。腹部エコーをすると、肝臓に8センチもの腫瘍がありました。総合病院にて詳しい検査をうけた結果、肝内胆管がんステージⅣb。肺転移、リンパ節転移、肝臓にも複数のがん転移がありました。
大学生の息子を残し、死にたくない。母より先に死ねない。元気になりたい。の一心で抗がん剤治療をおこないました。
看護師の友人は病名を聞いたとき泣いてくれたそう。そして遠い道のりを飛んできてくれました。がんが小さくなったと伝えると、心から喜んでくれました。
病院の緩和ケアの看護師さん、薬剤師さんたちも親身になっていつも声をかけてくれ、ありがたく感謝の気持でいっぱいです。

※引用アストラゼネカ|がんになっても

医療従事者との信頼関係で不安が軽減

貧血の治療が終了し、医師より以前確認されていたポリープの経過を調べてみましょうということでエコー検査を受け、胆嚢がんと診断され手術することが決まりました。
担当外科医、看護師さんを信じることで気持が楽になり不安が消えたことを覚えています。

※引用アストラゼネカ|がんになっても

正しい知識と理解が大切

会社を辞めて2年。病気がわかる前は、ハイキングと写真が趣味の父でしたが、昨年夏頃食欲がなくなり、病院の検査で胆のうがんが見つかり、11月に手術をして半年で亡くなりました。手術前がんをはっきり告げず、意志決定させたことを聞き残念でなりません。
私は術後あれこれ調べ、セカンドオピニオンも父に内緒で聞きに行きました。聞くと手術の方法もいろいろあり、そもそも病院選び、先生選びも予後を大きく変えるのだと思いました。 身近でがんになった方がいらしたら、よくよく調べて悔いのない治療を選んでください。(後略)

※引用アストラゼネカ|がんになっても

セカンドオピニオンが大事だと思った

当初はひとつの病院・先生にこだわり「この先生に全てお任せしたい」と言い切って聞かなかった母が徐々にセカンドオピニオンなどにも耳を傾けてくれるようになり今の病院を紹介していただき治療中です。
なんでも多角的に考えなければ…と思い知らされました。腫瘍マーカーの値が転院時は高かったのですが今の先生にお願いしてからいくらか落ち着いています。(後略)

※引用アストラゼネカ|がんになっても

告知について家族で考えてください

もともと気持ちの小さい人でしたので、最後までがんとは言えませんでした。本人もうすうすは気づいていたかもしれませんが、十二指腸と肝臓が悪くなっていると伝え我慢して治療しないと治らないとうそをついて痛い治療を我慢させました。今思うと、ホスピスに行って静かに又穏やかに死なせたほうが良かったと思っています。 今は、もし誰かががんになったら本人に告知し本人の意思に任せようと家族全員一致しています。

※引用アストラゼネカ|がんになっても

異常があればすぐに検査を

一番最初に 肝臓の病気を見つけたのは10年ぐらい前かな 健康診断で 肝臓機能が低下しているから病院で検査を受けてください と健康診断の時 言われた
若かったし 何大したことないんじゃないかなと思って しばらく放置していた(中略)ICU に6日ぐらい入ったけどそこら中管だらけで 自由に動くことができなかった 後で女房が教えてくれたけどもし 肝臓自体が 癌になつていたら 余命宣告が 出されていて 6ヶ月ぐらいと言われた 手術時間が長かったのは良い方向に 向いていると判断できた 手術後の 経過も良くて 手術をした 日から 2週間で 退院することができた 今では元気よく 仕事にいつているいる 1ヶ月に1回の 通院も じきに終わり 半年に一回 で済むようになる 癌と言われた時には ショックを受けたけど いい先生に巡り合って命拾いをした
皆さんもこれを読んでくれたら 健康診断で 指摘されたらすぐに言ってください そうすれば 眼科を防ぐことも 可能と思います くれぐれも言いますけど 健康診断で指摘されたら 必ず早めに 病院に行ってください

※引用元:Caloo|病気体験レポート

不安もあったけれど治療して順調に回復

以前からC形肝炎ウィルスに感染していることはわかっていたので、定期的に肝臓の超音波診断(エコー)を専門病院で受けていました。半年前の超音波検査でついに9mmの腫瘍が発見されてしまいました。先生からは手術して1/4ほど肝臓を切除することを勧められました。しかし、セカンドオピニオンを受けてみたいと思い、主治医の先生にお願いしてセカンドオピニオン用の紹介状を書いていただきました。(中略)少し不安ではありましたが、手術を受けることを決断してからは、開き直って先生にお任せすることにしました。手術は10時間近くかかったのですが、2日くらいは少し痛みがあったのですが、痛み止めを変えていただいてからは、まったくといっていいほど痛みははくなり、すぐに歩行訓練もできるようになり、術後2日目からは食事も食べられるようになって、予定通り8日間で退院できました。
手のひらの2/3くらいの大きさの肝臓を切除したのですが、むくみやだるさもなく順調に回復しました。

※引用元:Caloo|病気体験レポート

自分の治療体験を伝えたい

(前略)9月8日(火)
眼科(O先生)で網膜検査の後、消化器内科の外来受診(SW Dr.)。先生の話では「腫瘍はS6部分の一箇所で大きさは5×6cm肝細胞癌か肝内胆管がんのどちらかだと思います。どちらか調べるために(大学病院などでは)穿刺吸引細胞診を行うのが普通ですが、針でつついて癌を他に広げてしまう危険性があり患者さんの利益にならない為、判断を行わずに切ってしまったほうがいいと思います。因みに外科の先生には伝えてあって、切る気満々です。」ということで手術へ向けての必要な検査を手際よく予約を入れてくださり、その手術に必要な肺機能検査と心電図の検査を受けた。 ※大学病院などは研究機関なので、穿刺吸引細胞診(2週間程かかる)をやってからの手術となることが多いらしい。(中略)10月29日(木)
外科外来(SD Dr.)切り取った癌の組織検査の結果が出た。
低分化の肝細胞癌ということで、癌は総て取り切れたが、低分化なので再発の危険性もあるため、経過観察が必要。「更に詳しい検査結果は次の外来で」とのことだった。この日の血液検査の結果で肝臓の数値は随分良くなっている。

※引用元:Caloo|病気体験レポート

異常が見つかった人はすぐに精密検査を受けてください

初めて受けた人間ドックのエコー検査で、肝臓に直径6cmもある巨大な「腫瘤」が見つかり、至急専門医の精密検査が必要とのことで、大学病院の肝臓内科を紹介されました。(中略)人間ドックなどで肝臓に「腫瘤」を発見された方へ、検査入院での精密検査や確定診断の方法を参考に、また、この確定診断が少しでも安心できる材料になれば幸いです。

※引用元:Caloo|病気体験レポート

16年越しの再発・転移でも元気に過ごしています

(前略)胆嚢の組織検査の結果も やはり癌でしたが 大腸と胆嚢 癌だけで転移はなかったです。(中略)手術の傷ですが 大きく何十針も縫ったので今でも 跡はありますが 温泉に行っても 恥ずかしくないような 綺麗な痕です。(中略)16年も経っていると 油断もしてしまっていましたが 今回も転移はなく 趣味のゴルフをしたり カラオケに言ったり 元気に 毎日 過ごしています。

※引用元:Caloo|病気体験レポート

癌になって気付いた家族の温かさ

私のがん体験には、家族のサポートが大きな位置を占めています。まさか23歳という若さでがんに罹患するとは思いもよらず、どうしたらいいのか正直呆然としてしまっていました。社会人としても、デビューしたばかりで右も左もわからない状態。仕事に穴をあけるわけにもいかないと思い、自分の病気のことなのに自分自身は情報収集などに時間を割くことができませんでした。(中略)それまでは実家を出て一人暮らしをはじめ、母と過ごす時間がほとんどなくなっていました。入院をしたことで実家にいた頃と同じような毎日顔を合わせる生活に。がんに罹患しなければ母と二人きりでこんなに長い期間を一緒に過ごすことはなかったはずです。
術後はゆっくりしか歩けない私の横でいつも明るく励ましてくれました。改めて母に感謝しましたし、自分が将来結婚し家庭を持ったら母のような人になりたいと思わせてくれました。

※引用元:tomosnote|家族に助けられた闘病生活。常に付き添ってくれた母と遠方から病院通いをした父、両親の偉大さに感謝した

治療選択の基準について

治療は、標準治療を基本に担当医と相談しながら決めます。本人の年齢や希望、身体の状態、生活環境などを総合的に検討したうえで決定するのが特徴です。肝細胞がんにかかった方の多くは、がんと慢性肝疾患といった病気をかかえています。そのため、まずは肝予備能をChild-Pugh分類を用いて評価し、治療法を選択します。

肝予備能の確認方法

肝予備能とは「肝臓の機能(肝機能)がどの程度まで保たれているか」を判断する指標であり、肝臓内転移の癌治療の方針や内容を検討するために必ず確認しなければならないポイントです。

肝予備能は基本的に「肝障害度」と「Child-Pugh分類」という2種類の基準にもとづいて複合的に評価されることも重要です。

肝障害度

肝障害度は、肝癌診療ガイドラインの第3版まで肝予備能を評価する指標として採用されていた分類法であり、肝機能の状態に合わせて「A・B・C」の3段階評価で示されます。また、肝障害度は現在でも肝臓切除術を実施する際などに活用されています。

肝障害度の分類法としては「ICG(インドシアニングリーン)」という色素が用いられており、さらに腹水の有無や血清ビリルビン値、血清アルブミン値といった血中成分の数値などによって総合的に評価されることが特徴です。

なお、障害の程度はAが最も低く、Cが最も大きいという段階で示されます。

例えば肝障害度の評価内容としては、以下のような基準が用いられます。

※参照元:がん情報サービス|肝臓がん(肝細胞がん) 治療

Child-Pugh分類

Child-Pugh分類は、肝癌診療ガイドライン第4版から肝予備能の評価法として採用された指標です。Child-Pugh分類では肝障害度の評価のように色素は使用されず、腹水の量や肝性脳症の程度、血清ビリルビン値といった血中成分の数値など複数の項目にもとづいてそれぞれ「1~3点」で採点し、得られた合計点に応じて「A・B・C」の3段階で評価されます。なお、肝障害度と同様にAからCにかけて障害の程度は重大となります。

Child-Pugh分類の評価点(合計点)は以下の通りです。

その他、分類Aの軽度の肝硬変は「代償性肝硬変」、分類Cに当たる重度の肝硬変は「非代償性肝硬変」とも呼ばれます。

※参照元:がん情報サービス|肝臓がん(肝細胞がん) 治療

肝臓内がんのステージ(病期)分類

肝臓癌の進行度は「ステージ(病期)」として分類されており、ここでは肝臓内への転移癌についても肝臓癌(肝細胞癌)のステージ分類にもとづいて解説します。

なお肝臓癌のステージ分類に関して、現在は国内における「臨床・病理 原発性肝癌取扱い規約(日本肝癌研究会編)」にもとづいた指標と、国際的な指標として「TNM悪性腫瘍の分類(UICC)」の2種類が採用されている点に注意してください。

これらのステージ分類は、それぞれ肝臓癌や肝臓内癌の進行度などを表す指標として用いられますが、分類法によって各ステージの表す内容が異なるため、どちらの分類による評価なのか最初にきちんと区別しておくことが大切です。

ステージ(病期)分類(日本肝癌研究会)

日本国内において使用されている肝臓癌のステージ分類であり、肝臓における腫瘍の数やサイズ、また範囲や転移の有無などによって分類されます。

具体的には腫瘍の状態に応じた「T1~T4」の4段階と、リンパ節や他の臓器への転移にもとづいた「I~Ⅳ期」に大きく分類されることが特徴です。

T分類は以下のように区別されます。

また、「I~Ⅳ期」のステージは以下のようになります。

※参照元:がん情報サービス|肝臓がん(肝細胞がん) 治療

ステージ(病期)分類(UICC)

「TNM悪性腫瘍の分類」として国際的に使用されているステージ分類であり、主な判断基準として「領域リンパ節への転移の有無もしくは遠隔転移の有無」と、腫瘍のサイズや組織型などが複合的に利用されています。

ステージは「ⅠA期・ⅠB期・Ⅱ期・ⅢA期・ⅢB期・ⅣA期・ⅣB期」の7段階で構成されており、原則として領域リンパ節への転移がある場合は全てⅣA期、遠隔転移まで認められる場合は全てⅣB期になることがポイントです。

その他の分類についてはおよそ以下のようになります。

※参照元:がん情報サービス|肝臓がん(肝細胞がん) 治療

治療選択のアルゴリズム

肝細胞癌の治療法をどのように選択するかは、肝予備能(Child-Pugh分類)の状態や患者の意向、他臓器への転移の有無など様々な要素を総合的に考慮して決定されることが重要です。

なお、実際の臨床現場における治療選択のアルゴリズムとして、日本癌治療学会がん診療ガイドラインでは「肝予備能・肝外転移・脈管侵襲・腫瘍数・腫瘍径」の5つの因子による判断基準を設定しています。

具体的には以下のような区分によって治療法の選択が行われています。

治療アルゴリズム
肝予備能 Child-Pugh分類A・B Child-Pugh分類C
肝外転移 なし あり ミラノ基準内
または
5-5-500基準内
移植不能
脈管侵襲 なし あり -
腫瘍の個数 1~3 4以上 -
腫瘍サイズ(径) 3cm以内 3cm超 -
治療法 切除/焼灼 切除/塞栓 塞栓
動注・薬物療法
切除
薬物療法
薬物療法 移植 緩和ケア

※参照元:日本癌治療学会がん診療ガイドライン|診療アルゴリズム

肝臓内がんの治療方法

肝予備能など複数の因子からアルゴリズムにもとづいて選択される肝臓内癌の治療法としては、主として手術(外科治療)や焼灼、塞栓、さらに薬物療法といったものが検討されます。またその他にも免疫療法や放射線治療、緩和ケアといった治療が候補になることもあるでしょう。

手術(外科治療)

肝臓内癌における外科治療としては、大きく分けて肝臓の切除と、肝臓移植の2パターンが考えられます。なお肝切除はChild-Pugh分類がAもしくはBの場合に選択され、肝移植はChild-Pugh分類Cの場合に候補となる点もポイントです。

肝切除

肝切除は肝臓内にある癌組織を含めた一定の範囲を切除して、癌細胞を物理的に除去する外科治療となります。一般的に、肝障害度やChild-Pugh分類によって肝機能の状態が良いとされるほど切除後に残せる肝臓の量や範囲は多くなり、術後の状態も良く保ちやすいことが重要です。

通常、肝切除が適用となるのはChild-Pugh分類でAもしくはB、さらに肝臓の外への転移がなく、腫瘍の数が1~3個の範囲内とされています。一方、癌のサイズについては制限が特に定められておらず、例えば10cm超の大きな腫瘍であっても切除によって対応できる可能性はあるでしょう。

肝臓を切除する方法としては開腹手術だけでなく、腹部に小さな穴を開けて腹腔鏡を挿入する腹腔鏡下手術も検討されますが、広範囲を切除する場合は開腹手術が優位になります。

※参照元:がん情報サービス|肝臓がん(肝細胞がん) 治療

肝移植

Child-Pugh分類でCに該当する場合、患者の肝臓を全て切除した後、臓器提供者(ドナー)からの肝臓提供を受けて移植手術(肝移植)が選択されることもあるでしょう。なお日本国内ではドナーとして存命の近親者が選ばれる「生体肝移植」が主流となっており、一部のケースにおいて脳死後の第三者ドナーから肝臓を提供してもらう「脳死肝移植」も実施されています。

ただし肝移植が選択される条件として、「ミラノ基準」として脈管への広がりや肝臓以外への転移、肝臓の大きさや個数など複数の項目について具体的な指標が設定されており、それらの条件を満たさない場合は肝移植が不可能として緩和ケアなどが選択されるという流れです。

手術(外科治療)の合併症・副作用

肝切除や肝移植といった手術を実施する場合、様々な合併症のリスクが存在することも無視できません。

肝臓癌や肝臓内癌における手術の合併症としては、例えば肝臓を切除した後の出血や、胆汁が漏出する「胆汁漏」、さらに肝機能が正常に働かない肝不全といったケースが想定されます。なお、胆汁漏が発生した場合はドレーンを使用して体内の胆汁を体外へ排出することにより対処しますが、症状が改善しない場合は再手術となることもあるでしょう。

また出血が止まらない場合は輸血や再手術による止血を行わなければならず、さらに肝不全が生じた場合は早急に対策を講じなければならないこともポイントです。

穿刺局所療法

穿刺局所療法とは文字通り、特定のポイントへ治療用の針を刺して局所的な治療を行うものであり、肝切除のような手術よりも患者の肉体的負担を軽減できることが強みです。

穿刺局所療法が適用となるのはChild-Pugh分類AもしくはB、そして癌の数が3個以下で、最大サイズが3cm以下という場合になります。また、肝臓内癌の治療として行われる穿刺局所療法は、主として「ラジオ波焼灼療法(RFA)」が推奨されており、その他に「経皮的エタノール注入(PEI)」や「経皮的マイクロ波凝固療法(PMCT)」といった方法が状況に応じて選択されます。

※参照元:がん情報サービス|肝臓がん(肝細胞がん) 治療

ラジオ波焼灼療法(RFA)

ラジオ波焼灼療法(RFA)はあらかじめ癌の存在する部位を特定した上で、患者の腹部へ特殊な医療用針を刺して肝臓まで到達させ、さらに針へ電気を流して先端部分に熱を発生させ、その熱でターゲットとなる癌を局所的に焼灼する治療法です。

肝切除のように肝臓を切り取る必要がなく、また開腹の必要もないため患者への肉体的負担を軽減しやすいことが利点です。なお、ラジオ波焼灼療法では針を刺す部分へ局所麻酔を行い、さらに癌を焼く際の痛みを緩和するため鎮痛剤や麻酔も併用します。

焼灼にかかる時間は通常10~30分程度となります。

また、2017年に日本国内で保険適用となった「次世代マイクロ波アブレーション(Microwave Ablation:MWA)」も選択肢に加わっています。従来のラジオ波焼灼に比べ、短時間で広範囲を治療できる特長があり、局所治療の新たな選択肢となっています。

経皮的エタノール注入(PEI)

経皮的エタノール注入(PEI)とは、超音波によって患者の体内を可視化しながら腹部へ細い針を刺して肝臓にある腫瘍まで到達させた後、針の中にエタノール(アルコール)を注入して癌細胞へ流し込み、癌細胞を壊死させるという治療法です。

経皮的エタノール注入は肝細胞癌に対する治療として優れた効果を備えているものの、転移性肝癌や肝内胆管癌といった癌に対する治療としては不十分とされており、全ての肝臓癌へ採用されない点に注意してください。また経皮的エタノール注入は一度の治療によって対処できる範囲が限られており、複数の腫瘍が存在する場合は数日をかけて繰り返し治療が行われることもあります。

経皮的マイクロ波凝固療法(PMCT)

経皮的マイクロ波凝固療法(PMCT)は、経皮的エタノール注入と同様に、超音波によって患者の体内にある腫瘍の位置をチェックしつつ、電極針を患者の腹部へ刺して肝臓にある癌細胞へと到達させた後、針に電気を流して電磁波(マイクロ波)を発生させて癌細胞を熱凝固させるという治療法です。

経皮的マイクロ波凝固療法はラジオ波焼灼療法と経皮的エタノール注入を合わせたような治療法となっており、60秒間の通電によって発生するマイクロ波は細胞内の水分子を激しく振動させ、15×20mmの範囲にある腫瘍細胞を凝固することができます。

肝細胞癌や転移性肝癌の治療法として保険適用になっており、肝臓内への転移癌の治療として候補になる可能性もあるでしょう。

穿刺局所療法の合併症・副作用

穿刺局所療法における合併症としては腹痛や発熱、手術部位からの出血、また腸管障害や肝機能障害といった症状が考えられます。また、腹部へ直接に針を刺すことで痛みを感じたり、通電による火傷が生じたりすることもあります。

塞栓療法

塞栓療法はChild-Pugh分類AもしくはBのうち、腫瘍の数が4個以上であったり癌のサイズが大きかったりするなど、手術や穿刺局所療法が不適用となる場合に選択される治療法です。

塞栓療法では基本的に、X線で患者の体内をモニタリングしつつ、足の付け根(鼠径部)や手首、肘などの動脈からカテーテルを挿入して肝動脈へ薬剤を流し込み、肝臓内の癌細胞へ栄養を運ぶ血液の流れを遮断します。

代表的な塞栓療法としては「肝動脈化学塞栓療法(TACE)」や「肝動脈塞栓療法(TAE)」といったものが挙げられます。

肝動脈化学塞栓療法(TACE)・肝動脈塞栓療法(TAE)

患者の鼠径部などの動脈からカテーテルを挿入し、肝動脈までカテーテルの先端を到達させた後、血管を詰まらせる塞栓物質や、さらに任意の抗がん剤などの薬剤を注入する治療法です。

肝動脈塞栓療法(TAE)では塞栓物質のみが使用され、肝動脈化学塞栓療法(TACE)では塞栓物質に加えて細胞障害性抗がん薬などが併用されます。

肝臓の血管内へ注入された塞栓物質の影響によって血流が阻害され、癌細胞へ酸素や栄養が運ばれなくなり、結果として癌細胞が死滅するという仕組みです。

なお、肝動脈化学塞栓療法(TACE)を2回行った後に治療効果の検証が行われ、治療効果が不十分であると診断されたり、肝臓内に新しい腫瘍が発生したりしている場合、また癌の遠隔転移が生じた場合などは別の治療法が提案されることもあります。

塞栓療法の合併症・副作用

塞栓療法ではカテーテルによって動脈を傷つけるといった合併症リスクの他にも、治療後の発熱や嘔吐感、腹痛、胸痛、肝機能障害、食欲不振などの副作用を伴う場合があります。

実際に塞栓療法でどの程度の副作用が生じるかは個人差がある上、治療する範囲や肝機能の状態などにも左右されるため、あらかじめ主治医と相談してどのような副作用のリスクがあり、それぞれにおいてどう対応していくべきかきちんと理解しておくことが大切です。

なお、塞栓療法の治療後は数時間から半日程度の安静期間が設けられます。

薬物療法

Child-Pugh分類Aの場合において、肝臓外への転移が認められたり、脈管への浸潤があったり、もしくは腫瘍の数が4個以上になる時は薬物療法が治療法の候補として検討されます。

肝細胞癌治療における全身薬物療法としては、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤による治療が標準治療として設定されており、さらに集学的治療として上述したような塞栓療法における細胞障害性抗がん薬の使用といった選択肢が採用されることもあるでしょう。

一次治療としての薬物療法では、免疫チェックポイント阻害剤と分子標的薬の併用療法が行われますが、自己免疫性疾患などの理由によって免疫チェックポイント阻害剤を使用できない患者に対しては分子標的薬のみが用いられます。また、一次治療による効果が認められない場合や副作用が激しい場合、別の分子標的薬を二次治療として選択することも考えられます。

薬物療法の合併症・副作用

薬物療法における副作用は主として使用される治療薬によって異なっており、自分が使用する免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬にどのような副作用のリスクが存在しているのか、あらかじめ主治医としっかり話し合って確認しておくことが欠かせません。また、薬物療法を始めてから何かしらの違和感や異常を自覚した場合、速やかに主治医や看護師へ相談して副作用の程度や症状をチェックすることも必要です。

なお、薬物療法は入院治療だけでなく外来での通院治療で進められることもあり、もしも医療機関の外での生活や副作用について不安感がある場合は、必ずその気持ちも含めて主治医などへ相談することが肝要です。

免疫療法

免疫療法は患者が生来備えている免疫の働きを使って癌を攻撃する治療法であり、2023年6月時点で肝細胞癌の治療に対して医学的に効果が認められている免疫療法は、免疫チェックポイント阻害剤を使用した治療法だけとなっています。

免疫療法は世界中で様々な研究機関が研究を行っており、今後さらに様々な肝細胞癌へ有効性を持つ免疫療法が発見される可能性はありますが、少なくとも日本国内において明確に肝細胞癌の治療へ有用であると認められている免疫療法は限定的であることも覚えておいてください。

なお、免疫チェックポイント阻害剤を用いた治療は上述した薬物療法における治療法であり、肝細胞癌に対する免疫療法は必然的に薬物療法として扱われることもあります。

免疫療法の合併症・副作用

肝細胞癌の免疫療法における副作用としては、まず医学的根拠にもとづいて治療効果が認められている免疫チェックポイント阻害剤を用いた治療法における副作用と同じものが考えられます。

その他の免疫療法に関しては、先端治療など一部の医療機関において試験的に実施されているものもありますが、それぞれの副作用についてはケースバイケースとなるため、具立木に治療を検討する際は必ず事前に詳細を主治医へ確認し、そもそも治療の適用性なども十分に確認した上で考えるようにしてください。

放射線治療

放射線治療は、高エネルギーの放射線を患者の体外から照射し、体内にある腫瘍細胞を攻撃して癌を治療する治療法です。放射線治療には従来の放射線照射だけでなく、高精度放射線照射装置を活用した高精度放射線治療なども開発されていますが、肝細胞癌の治療法として明確に標準治療となっている放射線治療はありません。

ただし、外科的アプローチが困難な場合や脈管内へ癌が広がっている場合など、一部の条件下で補助的にX線を使った放射線治療が採用されることはあります。

その他、重粒子線や陽子線といった放射線を使って治療する場合もありますが、そもそも治療を実施するためには専用の医療設備が必要となるため、それらの治療を希望する際には主治医へ相談してしっかりと話し合うことが必要です。

なお、癌による痛みの緩和や脳への転移癌に対する治療として、放射線治療が推奨されることもあります。

放射線治療の合併症・副作用

放射線治療は強力なエネルギーを持った放射線を癌細胞へ照射し、細胞を破壊することで癌の治療を目指すという仕組みが基本になります。一方、放射線治療では患者の体外から放射線を照射するため、どうしても体内にある癌細胞だけでなく健常な細胞や組織にも放射線が当たってしまうことが課題です。

現在は放射線による被曝ダメージを軽減するため、高精度放射線治療といった治療法も確立されていますが、いずれの場合も副作用のリスクをゼロにすることは困難であり、放射線治療によってどのような副作用のリスクがあるかは事前に主治医へ確認しておきましょう。

緩和ケア/支持療法

緩和ケアや支持療法は癌に起因する肉体的な負担や精神的な負担を軽減・緩和して、前向きに治療へのぞめる体制を整えたり、残された命の期間を大切に過ごしたりと、QOL向上に向けた取り組みが主目的となります。そのため緩和ケアは必ずしも終末期のみに実施するものではない点に注意してください。

肝細胞癌や肝臓内への転移癌では、癌による影響で痛みの他にも黄疸や腹水、倦怠感、むくみなど様々な諸症状が生じることが珍しくありません。

緩和ケアの充実には医師と患者のコミュニケーションが不可欠なため、不安や苦しみは積極的に医療者と共有するようにしてください。

臨床試験や治療法のトレンド

この章では、比較的新しい臨床試験や治療法について解説していきます。予後が極めて不良である中期進行肝がんに治癒をもたらす可能性のある治療法や、切除不能な肝細胞がんを患っている患者の生存期間の延長効果が示されたものなどを解説しています。肝臓がん新しい治療法を探している方は、チェックしてください。

アテゾリズマブとベバシズマブと呼ばれる2種類の薬剤を用いた中期進行肝がん治療

近畿大学医学部の内科学教室主任教授である工藤 正俊を中心とする研究チームは、国内6施設と香港1施設と共同研究を行い、切除不能な中期進行肝がん患者を治癒に導く治療法の開発を行いました。

研究チームは、アテゾリズマブとベバシズマブという2種類の薬剤を用いた研究を実施。その結果、7施設の中期進行肝がん110症例中、免疫療法後の切除、ラジオ波または免疫療法と選択的TACEを併用して38例(35%)が根治。このうち薬物治療を終えても再発していない患者は25例(23%)という結果が出ています。

本研究成果は、予後が極めて不良である中期進行肝がんに治癒をもたらす可能性のある治療法であり、今後、中期進行肝がん患者に対して標準治療法になることが期待されています。

参照元:近畿大学

イミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ)とイジュド®(一般名:トレメリムマブ)の併用療法

アストラゼネカは、第Ⅲ相HIMALAYA試験の新しい結果を発表しました。この試験では、アストラゼネカのイミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ)とイジュド®(一般名:トレメリムマブ)の併用療法について記されています。全身療法による治療歴がなく、局所療法が適応ではない切除不能な肝細胞がんに罹患している患者の治療薬として、4年経過時点で持続的で臨床的に意義のある全生存期間の延長効果が証明されたのです。

今回のHIMALAYA試験の結果は、スペイン・バルセロナで開催された2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)世界消化器がん会議で発表されています。新たに発表された4年間の追跡データから、イミフィンジにイジュドのプライミング単回投与を追加したSTRIDE(Single Tremelimumab Regular Interval Durvalumab)レジメンが、ソラフェニブと比較して死亡リスクを22%低減させたことがわかっています。

参照元:アストラゼネカ

血中MYCNにより肝臓癌再発予防薬の効果を予測可能

2024年2月28日、理化学研究所と岐阜大学、東京慈恵会医科大学によって構成される研究チームが、癌遺伝子の1つである「MYCN」由来の血中タンパク質をバイオマーカーとして、肝臓癌再発予防薬として期待される「非環式レチノイド(一般名:ペレチノイン)」の治療応答性を予測できることを発表しました。

同研究では、まず血中MYCNの定量化が成功されており、肝癌の長期予後を予測するバイオマーカーとして同定されています。加えて、血中MYCN量が非環式レチノイドの応答性に関与していることを発見し、結果的に血中MYCN量を測定することで非環式レチノイドによる再発予防効果も予測できることが報告されました。これにより今後は治療前に肝癌の予後を予測できるようになる「コンパニオン診断」の可能性が示唆されています。

※参照元:理化学研究所|肝内胆管がんの治療選択肢――新たに保険適用となった粒子線治療の特徴

肝内胆管がんに対する粒子線治療とは?

肝内胆管がんの治療には、手術・薬物療法・放射線治療があります。2022年4月から、手術困難な肝内胆管がんに対する粒子線治療が保険適用となりました。粒子線治療は、肝内胆管がんにおける局所的な根治を目指せる治療のことです。

遠隔転移のないステージ1~3の状態で手術困難な場合、上記ステージに対しては局所的に強い治療を行うことが可能とされています。

その中でも、肝臓への副作用を軽減しやすい粒子線治療が重要な選択肢の1つです。

※参照元:メディカルノート|肝がん予防のための患者層別化マーカーを発見

肝臓がんにおける次世代マイクロ波アブレーション、新規分子標的薬

慶應義塾大学病院では、消化器内科や放射線科が緊密な連携をはかり、さまざまな専門家から構成されるクラスターをつくり、肝臓がんの治療にあたります。とりわけ、消化器内科では、局所療法・分子標的薬を用いた化学療法を行う役割を持つのが特徴です。

近年、肝臓がん局所療法の比較的新しい機器としてマイクロ波アブレーション(microwave ablation:MWA)が登場、海外で採用されることになりました。

国内でも新世代MWA機器として、Emprint ablation systemが2017年7月に保険適用となりました。また、肝細胞がんの化学療法として、複合免疫療法であるアテゾリズマブとベバシズマブの併用、デュルバルマブとトレメリムマブの併用など、化学療法が使用可能と言われています。

治療の選択肢が広がり、肝臓がんの治療成績の向上も期待されています。

※参照元:KOMPAS|肝臓がんの最新治療~次世代マイクロ波アブレーション、新規分子標的薬~―消化器内科―

術前術後の補助化学療法に関しても研究

胆道がんのエビデンスは確立されていない中、術前の化学療法において、ゲムシタビンとシスプラチン、S-1を合わせたGCS療法を3回実施後に手術する場合と、すぐに手術をした場合で比べたJCOG 1920と呼ばれる試験が始まり、今後のデータの集積・解析が待ち望まれています。

よい治療結果が出れば、今後GCS療法後における、胆道がんの切除が標準治療になっていくと考えられています。

術後補助化学療法では、術後に半年間、S-1を4コース実施した場合の治療成績がよいというデータが報告されていて、標準治療になりつつあります。胆道がんの予後は、まだ十分とは言えない状況です。

しかし、術前術後の補助化学療法を合わせた集学的治療で、転移・再発をおさえて予後の改善を目指していくとされています。

肝内胆管がんの転移再発部位については、報告によっても若干異なりますが、一番多いのは肝臓内に転移する肝内転移が50〜60%、腹膜播種・肺・遠隔リンパ節など肝外転移が10〜25%ほど、肝内+肝外転移が20〜35%ほどと報告されています。

切除不能・再発胆道がんに対する標準治療は、化学療法ですが、切除不能と診断された場合でも手術の可能性がゼロというわけではありません。 最近では、胆道がん・膵がんでも、切除不能なケースにおいて化学療法が奏功し、根治切除が可能になるconversion surgeryが30%ほど行われるようになったこともあり、注目を集めています。

※参照元:がんナビ|胆道がん市民ウィンターセミナーより(2)難治性の肝内胆管がんに希望の光切除不能とされたケースでも30%程度がconversion surgeryに

胆道癌に対する抗がん剤治療

胆道は、肝臓で生成された胆汁が流れる通り道のことで、その部位に生じた癌を胆道癌と呼びます。胆道癌には、胆管癌・胆のう癌・十二指腸乳頭部癌が含まれているのが特徴です。

胆管癌は、その部位によって、肝内胆管癌・肝門部領域胆管癌・遠位胆管癌とわけて呼ぶケースもあります。これらは、似たような性質を備えているため、抗癌剤の治療効果をまとめて検証してきたと言われています。

手術不能もしくは術後に再発した胆道癌における標準的な治療は、ゲムシタビン+シスプラチン併用療法です。日本ではS-1と呼ばれる薬も広く用いられており、ゲムシタビン+シスプラチン+S-1併用療法やゲムシタビン+S-1併用療法についても、有効性が示されています。

これらの治療法は、病状・体調によって使い分けられているのが特徴です。また高齢者の場合、ゲムシタビン単剤療法・S-1単剤療法が選択されるケースもあります。

※参照元:日本胆道学会|胆道癌に対する抗癌剤治療

S-1補助療法が胆道がん根治手術後の標準治療となることを証明

日本臨床腫瘍研究グループの肝胆膵グループにおいて、大規模な臨床試験が行われたところ、胆道がん根治手術後の患者に対して、S-1補助療法によって生存期間が有意に延長すると示唆されました。

本試験の結果、エビデンスに沿った治療の提供が可能になり、胆道がんの根治手術後は、S-1補助療法の実施が第一選択として推奨されている状況です。同様の臨床試験は、海外においても実施されていて、本試験の結果によって、日本はもちろん海外のガイドラインでも標準治療にされ、胆道がん患者へさらに有効な治療が提供されることが期待されています。

※参照元:国立がん研究センター|S-1補助療法が胆道がん根治手術後の標準治療となることを証明―The Lancetに論文発表-

治癒切除不能な胆道癌に対する適応拡大について

胆道がんは、日本では珍しいがんではなく、2020年におよそ2.1万人が新たに胆道がんと診断されている状況です。

胆道がんは、50〜70歳で診断されるケースが多く、初期には自覚症状は少なく、進行してきた段階で、皮膚・白目が黄色くなる閉塞性黄疸や、腹痛・皮膚のかゆみといった症状が見られます。

予後は、極めて不良でとされ、IV期と診断された患者の5年生存率は、肝内胆管がんで6.0%、 胆のうがんで2.1%と報告されている状況です。

今回行われた承認は、化学療法を受けたことのない治癒切除不能な胆道がんの方069例(日本人102例を含)を対象にした、国際共同第3相試験のKEYNOTE-966試験等の結果に基づいているとされています。

同試験では、キイトルーダ®と化学療法(ゲムシタビン・シスプラチン)の併用療法は、プラセボと化学療法の併用療法と比べ、主要評価項目である全生存期間の有意で臨床的に意味のある延長が示されたといわれています。

安全性の面では、安全性解析対象例529例中493例(日本人58例中55例を含)に副作用が認められたとされています。

※参照元:MSD製薬|抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ®」新たな二つの適応を取得-治癒切除不能な進行・再発の胃癌に対する化学療法との併用療法--治癒切除不能な胆道癌に対する化学療法との併用療法-

高リスク肝癌の予後改善に術前免疫療法薬が寄与する可能性

従来の基準では手術対象にならなかった高リスク肝癌の患者に対して、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を術前に投与することで、手術か可能になったという後ろ向き研究の結果が、2024年8月に米国癌学会(AACR)の機関誌である「Cancer Research Communications誌」へ掲載されました。

ジョンズホプキンス大学キンメルがんセンター腫瘍学准教授のMark Yarchoan医師によれば、免疫チェックポイント阻害薬を使用した全身療法に続けて手術を実施することで、高リスク肝臓癌の患者であっても長期生存を期待できる可能性があるとされています。

研究チームは、ジョンズホプキンスにおいて2017年から2023年までの期間に肝細胞癌切除術を受けた、術前免疫療法を受けた36人を含む患者92人を対象として検討した結果として、免疫療法を受けていなければ根治目的の手術を受けられる状態になかった患者が61.1%であったことをまとめました。

参照元:海外がん医療情報リファレンス|術前免疫療法薬により高リスク肝がんの手術適応が増え、予後改善の可能性

免疫細胞療法が肝臓へ転移した腫瘍の縮小に有効な可能性

2024年7月11日に医学誌「Nature Medicine誌」へ掲載された論文において、細胞免疫療法が転移性固形腫瘍に対する治療法として有効であるという可能性が示唆されました。

同研究はアメリカ国立衛生研究所の研究者によるチームが、患者由来の正常な白血球(リンパ球)の遺伝子改変によって、特定の癌細胞を任意に攻撃可能なレセプターを産生し、その初期所見を得ています。この個別化免疫療法において、一部の癌患者の腫瘍が縮小し、最長では7ヶ月間の腫瘍再増殖抑制効果を継続したことをが認められました。

また、第2相試験の一環として大腸癌患者7人(遠隔転移あり)に対する実験的個別化細胞免疫療法が実施され、全ての患者が細胞療法を受ける前に免疫療法薬ペムブロリズマブ(キイトルーダ)の数回投与と、さらに別の免疫療法薬が使用された結果、肝臓や肺、リンパ節へ転移した腫瘍が縮小し、そのまま4~7ヶ月の持続を叶えています。

参照元:海外がん医療情報リファレンス|一部の転移固形腫瘍に免疫細胞療法が有効な可能性

肝指向性切除放射線療法の対象拡大を期待する新たなアプローチ

米国放射線腫瘍学会(ASTRO)2023年次総会において発表されたテキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究として、肝指向性切除放射線療法の対象患者を拡大できる可能性が、新たなアプローチと共に示唆されました。

そもそも切除放射線療法は、癌細胞に対して高線量の放射線を照射する治療法であり、放射線被曝により健康な周辺組織や細胞へのダメージを抑制できるようにプランニングされます。そのため従来のガイドラインでは、少なくとも700ccの健康な肝臓組織に対して、損傷リスクのあるレベルの放射線を照射してはならないという規定が示されています。

一方、肝臓癌の患者の全てが上記の要件を満たせるわけでなく、そのような場合に単一光子放射断層撮影(SPECT)の画像情報を活用して安全性を高めた切除放射線治療を実施することで、条件的にハイリスクの肝癌患者に対しても治療が有効である可能性が報告されました。

参照元:海外がん医療情報リファレンス|MDアンダーソン研究ハイライト:ASTRO2023特集

脂肪肝によって肝臓への癌転移が促進される仕組みを研究

大腸癌の患者にとって肝臓への癌転移はハイリスクなものであり、また肝転移が発生した患者に関しては治療が極めて難しくなることも無視できません。加えて、脂肪性肝疾患は肝臓への癌転移リスクを高めるとされていますが、その医学的理由について確実な機序は解明されていません。そのような中、2023年5月9日付けの医学誌「Cell Metabolism誌」において、脂肪性肝疾患(脂肪肝)が転移性大腸癌にとって肝臓における最適な環境を構築している可能性が報告されました。

そもそも脂肪性肝疾患は肝臓への過剰な脂肪蓄積が原因とされていますが、アメリカ人の成人のうち約25%が非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)という脂肪性肝疾患に罹患しており、その人数が増加傾向にあるとされています。

研究チームが脂肪肝マウスへ大腸癌細胞を注入したところ、脂肪肝マウスは通常のマウスと比較して転移性腫瘍が肝臓に形成されやすいことを発見し、NAFLDによって肝転移リスクが高められる可能性を指摘しました。

参照元:海外がん医療情報リファレンス|脂肪肝が肝臓がん転移を促す仕組み

肝臓癌の発症リスク低減にコーヒーが役立つ可能性

2013年11月8日に「Clinical Gastroenterology and Hepatology誌」で発表された研究報告では、肝臓癌の発症リスクの低減にコーヒーの摂取が関与している可能性を示唆しています。

報告では、コーヒー豆から抽出して作るレギュラーコーヒーを摂取することで、肝臓癌の発症リスクがおよそ40%低下するという研究結果がまとめられています。加えて、1日に3杯以上のコーヒーを日常的に節酒する人の場合、コーヒーを飲まない人に比べて肝癌リスクが50%以上も低下したという報告もされました。

研究チームは、まず1996年~2012年の期間を対象として集計したデータのメタ解析を行い、16の研究を選別しました。また、その研究には合計3153の肝癌症例が含まれており、さらに肝細胞癌(HCC)症例のデータ900件も含められています。

そしてそれぞれのデータを比較検証したところ、コーヒーを摂取する人はHCC発症リスクがコーヒーを飲まない人よりも少ないという点が発見され、またコーヒーを多量に飲む人ほどリスク低下が顕著であることも発見されました。

参照元:海外がん医療情報リファレンス|コーヒーの摂取で肝臓癌の発症リスクが低下

C型慢性肝炎の治療薬としてレディパスビル・ソホスブビル配合剤が承認

2014年10月10日、アメリカの米国食品医薬品局(FDA)が、C型慢性肝炎(HCV)遺伝子型1型感染症の治療薬として「レディパスビル・ソホスブビル配合剤(ledipasvir and sofosbuvir)」を承認したことを発表しました。

レディパスビル・ソホスブビル配合剤は、慢性HCV遺伝子型1型感染治療を目的とする配合剤として初めて承認された医薬品であり、さらにFDAがすでに承認していた薬剤であるインターフェロンやリバビリンの投与を必要としない、新たな治療法として承認されたこともポイントです。

レディパスビル・ソホスブビル配合剤では、レディパスビルとソホスブビルがそれぞれHCV複製に関与する酵素の生産を阻害することが知られており、例えばソホスブビルはHCV治療薬としてすでに承認されていました。

今回の承認で、従来はインターフェロンとリバビリンの投与しか選択肢のなかった慢性HCV感染治療において、新たな選択肢を示せるようになったと注目されています。

参照元:海外がん医療情報リファレンス|FDAがC型慢性肝炎に初の治療薬レディパスビル・ソホスブビル配合剤を承認

アルコールと癌発生の関連性を米国公衆衛生局長官が勧告

2025年1月3日、アメリカの公衆衛生局長官であるVivek Murthy氏が、アルコールの摂取と癌発生リスクとの相関性について新たに「アルコールとがんリスクに関する米国公衆衛生局長官勧告」を発表しました。

そもそも飲酒はアメリカにおいてタバコや肥満に次ぐ3番目の癌リスク因子とされており、少なくとも7つの癌の発生リスクを増加させると知られています。また、この相関性についてエビデンスは様々に研究されていますが、一般的な認知度として癌と飲酒の関係性を正しく理解していないアメリカ国民が大半であることも重要です。

「アルコールとがんリスクに関する米国公衆衛生局長官勧告」において、飲酒が発生リスクを高めるとされる7種類の癌には肝臓癌の他にも大腸癌、食道癌、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、乳癌といったものが示されており、これらのリスクはアルコールの種類に関係なく高められるということも認められています。

参照元:海外がん医療情報リファレンス|米国公衆衛生局長官がアルコールとがんリスクの関連について勧告

意図しない体重減少が肝臓癌を含む癌のリスクを示唆

ダナファーバーがん研究所消化器がんセンター長のBrian Wolpin氏が責任者を務める研究チームが、2024年1月23日付けの「Journal of the American Medical Association誌」において、本人の意図しない体重減少が肝臓癌や食道癌、血液癌といったいくつかの癌の発生リスクに関連しているという報告を発表しました。

Brian Wolpin氏によれば、ダイエットや健康管理・生活習慣の改善といった目的で行動しているわけでもないのに、どういうわけか体重が減少していくような場合、医師の診察を受けて病気の有無などをチェックすることが重要とされています。

また、体重減少と癌の関係については、体重減少が癌の発生に関連していると考えられるケースとして肝臓癌や胆道癌、食道癌などを含む上部消化癌や、多発性骨髄腫や白血病を含む血液の癌、また大腸癌や肺癌といった癌が挙げられています。一方、乳癌や被脳生殖器癌、脳腫瘍といった癌は体重減少とリスク相関がなかったという報告もポイントです。

参照元:海外がん医療情報リファレンス|意図せぬ体重減少はがんの兆候か、受診すべきとの研究結果

肝実質温存切除(PSH)の大腸癌肝転移に対する有用性

杏林大学医学部外科学(消化器・一般外科)の松本亮太氏の研究報告において、がん研有明病院で2005年から2013年の期間に施行された、大腸癌肝転移患者に対する肝切除症例510例を対象として、解剖学的に大きな肝切除(MH)と肝実質温存切除(PSH)の効果差に関する言及がされています。

そもそも大腸癌肝転移は肝切除によって予後の改善が期待され、5年生存率もおよそ4割という治療効果を誇っていることがポイントです。しかし、肝臓の深部に転移している腫瘍については、解剖学的に広範囲の肝切除を選択されることもあり、特に海外ではMHが選択されやすいことは無視できません。

そのような背景の中、松本氏がMHとPSHの治療効果や影響、あるいは手術難易度を比較したところ、PSHの方が長い手術時間となり手術難易度も高くなる反面、PSHでもMHと同等の治療効果や予後を発揮できることが発見され、術後の患者の暮らしも踏まえて改めてPSHの意義が示されたとまとめられています。

参照元:【PDF】松本亮太(杏林大学医学部外科学 消化器・一般外科)「肝深部に存在する大腸癌肝転移に対する肝実質温存切除について」

IDH1遺伝子変異陽性胆管癌に対するIDH1阻害薬イボシデニブの有効性確認

2025年7月2日から7月5日の期間にスペインのバルセロナで開催された「ESMO Gastrointestinal Cancers Congress 2025(ESMO GI 2025)」において、イギリスのJohn A. Bridgewater氏による研究グループが、既治療のIDH1遺伝子変異陽性胆管癌に対する治療法として、IDH1阻害薬イボシデニブは有効であると示す実臨床の結果を発表しました。

同治療についてはフェーズ3試験のClarIDHy試験においても有効性が明らかとなっていましたが、オープンラベルフェーズ3b試験であるProvIDHe試験は実臨床における安全性や有効性のデータ取得を目的として実施され、改めて既知の有効性に関する報告について裏付けが行われたという形です。

なお対象患者は15カ国80施設の285人となっており、年齢中央値は62.0歳となっていました。

※参照元:がんナビ|IDH1遺伝子変異陽性の既治療の胆管癌に対するIDH1阻害薬イボシデニブの有効性が実臨床でも確認【ESMO GI 2025】

日本人の切除不能/転移性胆管癌へIDH1阻害薬イボシデニブが有効な可能性

切除不能/転移性胆管癌に対するIDH1阻害薬イボシデニブの使用について、日本人の患者を対象とした研究報告として、日本国内で実施されたオープンラベル多施設フェーズ2試験の主解析にもとづく結果が報告されました。また、その結果から日本人の切除不能/転移性胆管癌患者へのイボシデニブの使用が有効であるという考察が示されています。

研究報告はスペインのバルセロナで開催された「ESMO GI 2025(2025年7月2日~7月5日)」において行われ、発表者は国立がん研究センター東病院の佐竹智行氏が担当しました。

IDH1変異陽性胆管癌は日本国内における肝内胆管癌の3~19%に存在するとされており、予後が悪いことも問題になっているポイントです。

なお、すでに実施されていた切除不能/転移性胆管癌に対するIDH1阻害薬イボシデニブのClarIDHy試験については日本人が参加していなかったことから、本研究は改めて日本人患者に対しての治療有効性を考えるデータとして重要なものになっています。

※参照元:がんナビ|既治療でIDH1遺伝子変異陽性の日本人の切除不能/転移性胆管癌にIDH1阻害薬イボシデニブが良好な効果【ESMO GI 2025】

IDH1遺伝子変異陽性の進行胆道癌へのイボシデニブ適応拡大申請

変異型イソクエン酸脱水素酵素1(IDH1)の選択的阻害薬として知られている分子標的薬「イボシデニブ」に関して、製薬会社の日本セルヴィエは2025年6月30日に、癌化学療法後に憎悪したIDH1遺伝子変異陽性の治癒切除不能な胆道癌に対しても適応拡大されるようにと、厚生労働省へ申請を行ったことを発表しました。

今回の適応拡大申請は、海外で実施されたIDH1遺伝子変異陽性の既治療切除不能胆道癌や転移性胆管癌を対象とするフェーズ3試験「ClarIDHy試験(AG120-C-005試験)」と、日本人の患者を対象として実施された国内フェーズ2試験(CL2-95031-008 試験)の結果をそれぞれ根拠として行われています。

なお、ClarIDHy試験の結果として、イボシデニブを使用した患者群は、使用していない群(プラセボ群)と比較して無増悪生存期間(PFS)や全生存期間(OS)について良好な結果を示しています。

※参照元:がんナビ|既治療のIDH1遺伝子変異陽性の進行胆道癌へのIDH1阻害薬イボシデニブの適応拡大が申請

HCC1次治療における「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法の有用性を示唆

バルセロナ(スペイン)で2025年7月に開催された「ESMO GI 2025」の中で、近畿大学に所属する工藤正俊氏らの研究成果として、切除不能肝細胞癌(HCC)の患者に対する1次治療としてニボルマブとイピリムマブの併用療法が従来の併用療法よりも優れた治療効果を有する可能性が報告されました。

工藤氏らは「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法と、既知の併用療法である「デュルバルマブ+トレメリムマブ」および「アテゾリズマブ+ベバシズマブ」をそれぞれ比較し、総合的な比較検証や対照分析を行っています。

結果的に、「ニボルマブ+イピリムマブ」群は「デュルバルマブ+トレメリムマブ」群よりも奏効割合や無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)などにおいて優れており、また「アテゾリズマブ+ベバシズマブ」群と比較してもPFSに関して良好な数値が得られたそうです。

以上の結果から、将来的な日本人のHCC患者の治療選択の精度や適正性が高められると期待されています。

※参照元:がんナビ|切除不能肝細胞癌の1次治療でニボルマブとイピリムマブの併用はデュルバルマブとトレメリムマブ、アテゾリズマブとベバシズマブの併用よりも有効な可能性【ESMO GI 2025】

「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法がHCCに適応拡大

厚生労働省が2025年6月6日に開催した「薬事審議会医薬品第二部会」において、切除不能肝細胞癌(HCC)に対する「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法の適応拡大を含めた、複数の癌関連申請が承認されました。

「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法の切除不能HCCに対する適応拡大の承認根拠としては、CheckMate 9DW試験の結果が提示されており、未治療の切除不能HCCの患者へ「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法を用いた場合、レンバチニブやソラフェニブなどの単剤投与を行った場合よりも全生存期間(OS)が有意に延長するというデータにもとづいています。

今回の適応拡大承認によって、切除不能HCCの1次治療の選択肢が拡大され、「アテゾリズマブ+ベバシズマブ」併用療法と「デュルバルマブ+トレメリムマブ(STRIDEレジメン)」併用療法の他に、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法が加わることとなりました。

※参照元:がんナビ|切除不能肝細胞癌に対するニボルマブとイピリムマブの併用療法も適応拡大 既治療の進行腎細胞癌に対するベルズチファン、再発・難治性の多発性骨髄腫に対する二重特異性抗体トアルクエタマブが医薬品第二部会を通過