様々な専門医療にも対応している公立阿伎留医療センター
大正14年に開設された歴史ある病院で、地域医療の中核的存在として、あきる野市周辺エリアに方々から親しまれ続けています。「患者中心の医療」「地域医療の連携と機能分担の推進」などを基本方針に掲げており、患者自身の尊厳を重視した医療を目指しています。財団法人日本医療機能評価機構の認定病院でもあり、様々な教育を提供する場として機能しているのも特徴的です。人間ドッグや緩和ケア相談、腫瘍外来、ペインクリニックなど幅広い領域の専門的な医療にも対応しています。
矢嶋医師は、公立阿伎留医療センターの副院長として病院運営に携わる傍ら、消化器全般を中心とした外科手術も行っている医師です。日本外科学会専門医や日本消化器病学会専門医、日本乳癌学会認定医といった複数の資格を有しており、幅広い専門知識を活かしてがん手術の執刀にあたっています。
矢島医師のほかにも、日本外科学会専門医資格をもつ医師が複数在籍しており、外科内部の連携はもとより他科とも協同しながら、インフォームド・コンセントを重視した治療を心がけています。
公立阿伎留医療センターでは、「緩和ケア診療科」「腫瘍外来(外科)」「ペインクリニック(麻酔科)」など専門的な医療を行う診療を設けています。また放射線科や呼吸器内科、外科、乳腺外来などの診療科とタッグを組み、それぞれの病状に応じて放射線治療・化学療法・手術治療などを選択。ひとつの治療だけでなく複数の治療を組み合わせるケースや、手術治療前後に別の治療を行うケースなど、状況に応じて治療プランを提案してくれます。
放射線治療を専門としている医師だけでなく、放射線治療を専門としている診療放射線技師や看護師もサポートしています。さらに医学物理士の資格を有したスタッフもいるため、スムーズに放射線治療が受けられるでしょう。公立阿伎留医療センターでは体幹部定位放射線治療・画像誘導放射線治療を行っており、ひとりひとりの状態をしっかりと検査し判断したうえで照射方法を決定します。
SBRTとも呼ばれ、ターゲットに対して多方向で3次元にピンポイントで放射線を照射する方法です。正確に位置を調整したうえで照射することによって、1回の照射で高線量を当てることができます。
ピンポイントで照射するため、通常の放射線治療よりも周囲への臓器への照射を抑えることが可能です。また短期間に照射できるため、身体への負担も軽減できるなどの特徴があります。さらに治療効果の高さも魅力で、1期の限局した肺がんであれば、4~8回程度の治療で80~90%の局所制御率が得られるといった報告もある治療法です。日常生活への負担もほとんどないため、幅広いがんに対して選択肢となり得る治療法と言えます。
体幹部定位放射線治療の主な適応となる疾患は、肺がん・肝がん・脊椎及び傍脊椎領域となっています。とくに早期の肺がんに対しては、良好な治療効果が期待できるでしょう。
大きな副作用はほとんどありません。ただ数か月後に放射線治療を行ったがん周囲に肺炎が出現することがあります。ただ周囲に限局しているため、咳・呼吸苦などの症状が出ることは稀でしょう。また胸壁付近のがんのケースだと、皮膚炎・肋骨骨折などが起こることがあります。
SBRTは早期の非小細胞肺がん、具体的には進行度を表す病期(ステージ)のⅠ期(I A1~A3とIBの4段階)という、がんが肺の中にとどまり、周辺にある縦隔リンパ節や他臓器への遠隔転移がない状態で、がんの大きさ(充実成分径)が4cm以内の場合が対象になります。さらに、肺近くのリンパ節や他の臓器への転移がない、がんの大きさが4~5cmのⅡA期や7cm以上もしくは重要臓器に浸潤するIIIA期も対象になることがあります。
引用元:がんプラス
https://cancer.qlife.jp/lung/lung_feature/article8688.html
IGRTとも呼ばれており、患者のCTなどの画像情報を活用して、がん細胞の位置をリアルタイムに確認しながら照射する位置を調整し、がん細胞に放射線を照射する方法です。放射線照射の正確性が向上するため、がん腫瘍以外の正常な細胞への放射線照射を抑えることが期待できます。
公立阿伎留医療センターでは前立腺がんの根治治療を行う場合、前立腺への影響を少なくするため、治療を行う前に専用のCTを活用し、前立腺の位置確認を行います。もし、ズレがあった場合は再度調整して治療を実施するという流れです。
IGRTを用いた治療では、放射線治療室で患者さんに治療を行う直前に、CT検査や超音波検査、X線撮影を行い、事前に撮影した画像情報と比較して、照射位置の調整を行います。画像を用いて確認しながら、がんの形状に合わせて、多方向から正確に放射線をあてます。このようにすることで、正常組織への照射を避けながらがん病巣への放射線集中性を高めることができます。なお、IGRTで正確な位置合わせを行うために、がん病巣の内部あるいは近くに小さな金のマーカーを埋め込む場合もあります。
引用元:がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/radiotherapy/rt_03.html
公立阿伎留医療センターでは化学療法による治療にも対応しています。
乳がんでの事例
公立阿伎留医療センターは乳がん学会の認定施設であり、日本乳癌学会・乳腺専門医による診断・治療を提供しています。患者ごとに適した診療を心掛け、医師・看護師・薬剤師・放射線技師・臨床検査技師がワンチームとなり最善の治療が提供できるように尽力しています。
乳がんは長期間経過観察が必要な疾患だからこそ、検査や手術、放射線治療、抗がん剤治療、ホルモン療法などを包括的に対応可能です。
2014年の乳がんの手術件数は33件(※)で、そのうち良性腫瘍が2件となっています。乳房全摘だけでなく、部分切除にも対応しており放射線による治療も可能です。また形成外科とチームとなり、自家組織による同時乳房再建も実施しています。
また2014年度の乳がんの抗がん剤治療の件数は414件(※)もあり、豊富な実績が特徴のひとつです。基本的には抗がん剤治療は通院で実施しているため、普段の生活への影響を抑えることができるでしょう。抗がん剤治療を行う際は専用の治療室で実施しており、吐き気などの副作用にも十分注視しながら治療を実施していきます。化学療法を行う医師の他に、日本看護協会のがん化学療法看護認定看護師も在籍しているため、専門的な知識を踏まえて治療をサポートしてくれるでしょう。
参照元:公立阿伎留医療センター公式HP(https://www.akiru-med.jp/clinic/nyusen_geka)
公立阿伎留医療センターでは放射線治療だけでなく、外科的手術も選択肢の一つとして行われています。状況などを踏まえて、がんの病巣を切除するなどの治療を実施。
たとえば婦人科腫瘍の手術の場合、レーザー円錐切除であれば2泊3日、開腹手術であれば4~5日間の入院で手術を行えるため、仕事への支障を少なくすることが可能です。切開の傷は横切開を原則としており、抜糸もありません。腹腔鏡下手術にも対応し、腹腔鏡下手術であれば開腹手術よりも入院期間が短縮できるケースがほとんどです。
手術法は状況によって選択されるため、必ずしも希望に合った手術法で行われるわけではありません。手術前に手術法や注意点などの説明があり、納得したうえで手術が行われるので、もし手術への不安があれば相談してください。
公立阿伎留医療センターでは2015年4月より、がん患者や家族のための相談会である「結の会」を開設しています。結の会では、日常生活の不安や気がかり、治療に関する悩みなどを気軽に相談できる場です。一人で悩みを抱えるのではなく、専門的な知識を持ったスタッフに相談できることで、よりよい解決法を探れるでしょう。
公立阿伎留医療センターで治療を受ける流れについてまとめました。
初めて診察を受ける場合は、受付前にある記載台で診察申込書を記入し、健康保険証と紹介状(お持ちの方)と一緒に新患受付へ提出。受付を済ませてから診察券を受け取ります。
再来受付機まで進み、先ほど受け取った診察券で受診手続きを行います。係員が配置されていますので、機器操作で不明な点があればサポートしてもらうことが可能です。
希望する診療科にて診察を行います。症状によっては、検査や処置などが必要な場合もあります。医師や看護師の指示に従って、検査や処置を受けるようにしましょう。
担当医に相談したうえで放射線治療が必要となった場合に、放射線治療の予約を取得します。予約変更は2日前までに行わなければならないので注意してください。
《予約方法》
電話:042-558-0321
治療費に関しては、直接病院へお問い合わせください。
公立阿伎留医療センター | |
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診療科目 | 内科、神経内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、腎臓内科、リウマチ科、小児科、外科、乳腺外科、呼吸器外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、歯科口腔外科(この他、院内標榜科目として、総合内科、生活習慣病内科、救急科、緩和治療科があり) |
診療時間 | (外来受付)8:00~11:30 |
休診日 | 土曜・日曜・祝日・年末年始 |
所在地 | 東京都あきる野市引田78-1 |
電話番号 | 042-558-0321 |
ベッド数 | 305床(2023年5月18日調査時点) |
年間治療患者数 | 要問合せ |
対応可能な治療方法 | 放射線治療、化学療法、外科的手術など |
設備 | X線撮影、歯科撮影、骨密度測定、マンモグラフィ撮影、X線CT、MRI、X線透視、血管撮影装置、ラジオアイソトープ、結石破砕装置など(2023年5月18日調査時点) |
URL | https://www.akiru-med.jp/ |