高精密度放射線治療センターを備える湘南藤沢徳洲会病院
神奈川県藤沢市にある湘南藤沢徳洲会病院は、1980年に設立された総合病院であり、高精密路放射線治療や手術支援ロボット「ダヴィンチ」を利用した低侵襲手術など、転移癌の患者にとってもメリットのある治療を様々に提供している医療機関です。
永野尚登医師は湘南藤沢徳洲会病院の高精密度放射線治療センターにおいて主任部長を務めるチームのリーディングドクターであり、日本医学放射線学会から放射線治療専門医や研修指導者といった認定資格を与えられている放射線治療の専門家です。
脳や体幹部への定位照射を中心とした高精度放射線治療を専門分野としており、転移癌や再発癌といった癌の治療についても、専門的な知見を活かして患者に寄り添ってくれることが魅力です。
湘南藤沢徳洲会病院では高精度放射線治療装置や手術支援ロボット「ダヴィンチ」、高性能マルチスライスCTなど、様々な医療機器や医療技術を積極的に導入・活用しており、常に患者にとってその時代における適切な医療を提供できるようにと、信念を持って運営されていることが重要です。
また、従来の治療法だけでなく新しい術式や治療、多角的なアプローチの検証など、将来的に価値が得られそうな取り組みについても意欲的に研究されていることも特徴として挙げられます。
湘南藤沢徳洲会病院では従来の放射線治療だけでは十分な効果を得られない癌患者や転移癌患者に対して、集中的に高品質な放射線治療を提供できるよう高精密度放射線治療センターを開設しています。
同センターでは2012年から高精度放射線治療装置「Novalis Tx」を運用してきたことに加えて、2019年7月には安全性と機能性の両面でメリットを期待できる高精度放射線治療装置「Versa(バーサ)HD」を導入しており、両機材を二本柱として高精度放射線治療を実施していることが特徴です。
また、「Novalis Tx」では脳定位照射に対する有用性が認められており、一方の「Versa HD」は体幹部定位照射に対して利用されるといったように、それぞれの機材の特性や機能を十分に考慮して適正な治療プランの考案が行われていることも特筆すべき点でしょう。
その他、放射線を照射しながら3D線量分布CTの撮影を可能とする「エピグレイシステム(EPI Gray)」を利用して、Versa HDによる放射線照射があらかじめ策定されている治療計画にきちんと則っているか、リアルタイムで確認していることもポイントです。
「IMRT(Intensity Modulated Radiation Therapy:強度変調放射線治療)」とは、事前に癌のサイズや形状を検査用CTで分析しておき、その形に合わせて多方向からの放射線照射を行える治療です。また、従来の放射線照射と比較して優れている点は、それぞれの放射線の照射強度を癌の形状に合わせて変化させることで、より一層に患者の健常細胞や組織へ与える被曝量を低減し、治療効果を追求しつつ安全性も高められていることとなります。
湘南藤沢徳洲会病院では「Novalis Tx」と「Versa HD」の2大体制でIMRTを実践しています。
当院では2012年10月、高性能の放射線治療装置「Novalis-Tx(ノバリス-Tx)」、そして2019年8月に「Versa HD(バーサ HD)」を導入し高精度放射線治療装置2台体制となりました。がんの形状に合わせた放射線照射で正常組織への影響を減らし、副作用の発生を抑えることができるIMRT(Intensity Modulated Radiation Therapy=強度変調放射線治療)という技術を活用した放射線治療に積極的に取り組んでおります。
引用元:湘南藤沢徳洲会病院|ピンポイント放射線治療
https://fujisawatokushukai.jp/department/radiation/novalis/
「定位放射線治療(SRT)」は通称「ピンポイント照射」とも呼ばれる高精度放射線治療の1つです。脳や肺、肝臓といった臓器に生じている腫瘍を立体的に特定し、多方向からターゲットへピンポイントで放射線を集中照射します。
従来の放射線照射と比較して大規模な放射線を、安全性に配慮しつつ照射することが可能となっており、トータルの放射線照射回数を抑えられるため副作用や合併症のリスクが少ないこともメリットです。
定位放射線治療(SRT)は、定位照射、ピンポイント照射とも称される治療法です。脳脊髄や肺や肝臓の腫瘍を立体的にとらえ、多方向から集中的に高線量を照射させる方法です。従来の外部照射よりも大線量を、がん腫瘍に精密に限局して少ない回数で照射するため、治療効果が高く副作用が少ないことが特徴です。(1回6グレイ以上で1~5回)
引用元:湘南藤沢徳洲会病院|ピンポイント放射線治療
https://fujisawatokushukai.jp/department/radiation/novalis/
IMRTをさらに発展させた放射線治療として、湘南藤沢徳洲会病院では「強度変調放射線治療(VMAT)」にも意欲的に取り組んでいることがポイントです。
VMATでは放射線を照射させながら、より患者の体へ有効に放射線を照射できるよう照射範囲や強度を連続的に変える回転照射を行うことが可能となっており、さらに治療時間を短縮することに成功しました。
VMAT(強度変調回転放射線治療)は固定ビームを複数照射するIMRT(強度変調放射線治療)の進化版である、VMAT(Volumetric Modulated Arc Therapy=強度変調回転照射)にも積極的に取り組んでおります。保険適応はIMRTと同様となります。
通常のIMRTでは照射の瞬間にガントリは静止しますが、VMATはガントリを動かしながら照射する範囲や強さをめまぐるしく変化させ回転照射を行います。これまでのIMRTよりも非常に精密な治療が可能でありながら、短時間で治療が行えます。引用元:湘南藤沢徳洲会病院|ピンポイント放射線治療
https://fujisawatokushukai.jp/department/radiation/novalis/
湘南藤沢徳洲会病院では2018年4月から直腸癌に対してロボット支援下手術が保険適応となったことに合わせて、癌患者の外科治療に手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入しています。
ダヴィンチを活用した手術では、執刀医が直接に患者の体へ触れるのでなく、ロボットアームに取り付けられた高性能カメラの映像を、外科医が高精細3Dモニターを通して確認しながら、リモート環境でロボットアームの鉗子やメスを操作して手術を行うことが特徴です。
人間の肉眼では視認することが難しい細部まで拡大して見られるだけでなく、人間の手では再現困難な精密手技による手術を行えるため、内視鏡的治療と同様の低侵襲性を保ちながら、開腹手術や開胸手術と同様の治療効果を発揮できる点は見逃せません。
また、カメラを利用することで前立腺の裏側といった、本来であれば見ることが難しい部分も視認できるようになりました。
湘南藤沢徳洲会病院で放射線治療を受ける流れについてまとめました。
湘南藤沢徳洲会病院の高精密度放射線治療センターでは完全予約制が採用されており、診断や治療を受けるためにはまず予約を取らなければなりません。なお、予約に関する問合せは湘南藤沢徳洲会病院の地域医療連携室(0466-35-1315)へ電話するなどしてご確認ください。
高精度放射線治療を受けるに当たって、事前に癌の正確な形状や位置といった情報を取得しておくことが欠かせません。そのため、予約を取った後は医師の診察を受けて、さらに必要な検査や画像診断を行って情報を取得します。
必要な情報が集まれば、改めて治療プランの考案と検証に入ります。治療プランを計画するに当たっては、単に治療効果や医学的メリットだけでなく、患者自身の要望や家族の考えなども反映してくれることが重要です。
治療プランに従って放射線治療を実施します。なお、治療完了後も定期的な検診によって再発や転移のリスクへ向き合うことが大切です。どの程度の頻度で定期検診や通院診察を受けるかは、担当医や放射線科の医師らとしっかり相談して決めましょう。
すでにかかりつけ医がいる患者の場合、その医療機関から湘南藤沢徳洲会病院へ治療の予約を行ってもらうことが可能です。また、かかりつけ医から紹介状を受け取った上で、改めて自分で初診予約を行うこともできます。
なお、紹介状がなくても受付を訪れて初診を申し込むことは可能ですが、原則としてすでに予約のある患者が優先されてしまうため注意してください。
初診患者で他の医療機関からの紹介状を持っていない場合、保険外併用療養費制度に則って、選定療養費2,200円(税込)が必要です。
医療法人徳洲会 湘南藤沢徳洲会病院 | |
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診療科目 | 救急センター(ER)/総合内科/呼吸器内科/循環器内科/脳神経内科(神経内科)/肝胆膵・消化器病センター/内視鏡内科/腎臓内科/人工透析内科/内分泌・糖尿病内科/リウマチ科/外科/肛門外科/乳腺外科/消化器外科/呼吸器外科/脳神経外科/脳血管外科/脳卒中センター/心臓血管外科/整形外科/脊椎センター・脊柱側彎症センター/形成外科/美容外科/小児外科/小児科/産科/婦人科/眼科/泌尿器科/放射線科/耳鼻咽喉科/皮膚科/麻酔科/病理診断科/リハビリテーション科/人間ドック・健診センター |
診療時間 | 診療科によって異なる(受付時間は原則8時から) |
休診日 | 日曜日・祝日 |
所在地 | 神奈川県藤沢市辻堂神台 1-5-1 |
電話番号 | 0466-35-1177 |
ベッド数 | 一般419床(ICU12床)(2023年5月18日調査時点) |
年間治療患者数 | がん治療外科実績(2021年度):268件 |
対応可能な治療方法 | 手術治療、放射線治療、化学療法など |
設備 | 高精度放射線治療装置Versa(バーサ)HD、マルチスライスCT(GEヘルスケアジャパン社製16列、東芝社製320列)、3テスラMRI、エコー下マンモトーム生検、手術支援ロボットda Vinci(ダ・ヴィンチ)など(2023年5月18日調査時点) |
URL | https://fujisawatokushukai.jp/ |