癌治療の拠点として患者を支える東京慈恵会医科大学附属 柏病院
東京慈恵会医科大学附属柏病院は千葉県柏市において664病床を有する総合病院であり、地域がん診療連携拠点病院として柏エリアの地域医療や癌治療、癌患者に対するサポートなどを総合的に下支えしている医療機関です。また、インフォームドコンセントやセカンドオピニオン、癌相談といった情報発信・情報共有にも力を入れており、癌患者だけでなくその家族などに対しても寄り添って医療サービスの提供を行っていることは見逃せません。
小林医師は東京慈恵会医科大学付属柏病院の放射線部において、診療部長の1人として特に放射線治療を担当しています。また、東京慈恵会医科大学では准教授として後進の育成にも尽力しながら、幅広い癌患者に対して適正な放射線治療環境の拡充を目指していることがポイントです。
小林医師は日本医学放射線学会放射線治療専門医や日本放射線腫瘍学会認定医といった、癌に対する放射線治療の専門資格を取得しており、小児癌から成人の癌まで様々な人に対して高精度放射線治療を活用した医療サービスを実践しています。
東京慈恵会医科大学附属柏病院は柏エリアの癌治療を支える拠点病院であり、癌治療について研究し、医師を育成するための研究機関・教育機関でもあります。そのため対応している治療法の内容も幅広くなっており、低侵襲の外科治療や高精度放射線治療装置を使った放射線治療、また通院外来による抗がん剤治療(化学療法)など様々な治療プランを検討できる点が特徴です。
加えて、それぞれの領域を専門とする医師が連携して癌患者の治療に携わる集学的治療がチーム医療として実践されています。
東京慈恵会医科大学附属柏病院の放射線部では、高精度放射線治療装置としてリニアック装置「TrueBeam」を導入しており、強度変調放射線治療や定位放射線治療といった高精度放射線治療を実施しています。
高精度放射線治療は従来型の放射線照射と比較して放射線による患者へのダメージを軽減しつつ、癌細胞への治療効果を高められるとして保険適用の標準治療に取り入れられている点が重要です。
強度変調放射線治療は、事前の画像診断とリアルタイム画像誘導装置によって、癌のサイズや形状などに合わせて放射線の照射強度を調整し、患者への被曝量をコントロールする治療法です。一方、定位放射線治療は癌組織に対して複数の方向から低レベルの放射線を照射し、ターゲットである癌病巣でエネルギーを収束させることで、患者の健康な臓器を守りつつ癌への攻撃力を強化します。
放射線治療機器は1台、TrueBeamというリニアック装置で通常の3次元放射線治療、強度変調放射線治療(IMRT)、から定位照射や移植前処置に伴う全身照射まで幅広く行っています。治療は常勤医2名に、看護師2名、日々の照射は放射線治療専属の診療放射線技師2~3名が担当しています。
引用元:東京慈恵会医科大学附属 柏病院公式サイト
http://www.jikei.ac.jp/hospital/kashiwa/center/33.html
放射線治療は癌患者に対して治癒を目的として実施されるだけでなく、すでに放射線治療を受けたものの治癒が困難と思われる癌患者などに対して、緩和ケアを目的としたプランで実施されることも重要です。
緩和的放射線治療では、癌患者のQOLを向上させるため、癌の進行を抑制し疼痛コントロールなど緩和治療を前提とした治療プランを作成します。また、化学療法などと併用して、それぞれの治療のメリットを追求しながら患者にとってより良い医療環境や生活環境を得られるよう、チーム体制で取り組むことが肝要です。
東京慈恵会医科大学柏病院では癌治療の外科的アプローチとして、開腹手術だけでなく内視鏡を活用した低侵襲治療にも積極的に取り組んでいます。
内視鏡手術は執刀時に患者の体を切り開く範囲が開腹手術に比べて小規模であり、術後の回復を迅速化して合併症リスクを軽減しつつ、患者の復帰も速やかにするといったメリットがあります。
なお、東京慈恵会医科大学柏病院では2023年度に手術支援ロボットの導入も予定されており、将来的にはロボット支援下手術によって内視鏡手術の低侵襲性と、開腹手術の治療効果を同時に追求できると期待されている点は見逃せません。
さらに今年度中には、ハイブリット手術室、ロボット支援手術室を含めた手術室の造設を予定しており、施設面でもさらなる充実を進めています。
引用元:東京慈恵会医科大学 柏病院公式サイト
http://www.jikei.ac.jp/hospital/kashiwa/sinryo/40.html
東京慈恵会医科大学柏病院では癌患者に提供する化学療法について、専門性と安全性、有効性のそれぞれに関して医療機関としての責任を果たせるように、専門の委員会を設置して化学療法レジメン(治療内容)に関する審査や評価を行っています。また、外来化学療法室ではベッドやリクライニングシートを設置し、抗がん剤治療の専門知識を学んだ看護師や薬剤師によって分子標的治療や支持療法を含めた化学療法を受けられる体制が整えられています。
外来化学療法室(ベッド15床、リクライニングシート9脚)があります。分子標的治療薬や支持療法の開発に伴い、多くの患者さんが日常の生活を続けながら、外来通院で抗がん治療を行っています。
引用元:東京慈恵会医科大学 柏病院公式サイト
http://www.jikei.ac.jp/hospital/kashiwa/average02.html#sinryo02
東京慈恵会医科大学柏病院で放射線治療を受ける場合、全ての患者において事前に日本医学放射線学会放射線治療専門医による診察や画像診断などが実施されている点は見逃せないポイントです。
また、地域がん診療連携拠点病院として周辺の医療機関や病院、クリニックなどと連携しながら、癌患者のかかりつけ医からの情報提供も受けることで診察・診断の正確性を追求しています。
日本医学放射線学会放射線治療専門医による診察によって放射線治療が適応と認められた場合、癌患者の治療歴や癌の状態などに合わせて放射線照射の治療計画が作成されます。
治療計画の作成には、治療計画用CTによる詳細な画像診断と3次元的シミュレーションが必要となっており、具体的にどのような照射方法を選択するかや、照射回数、照射期間などが検討されるという流れです。
放射線照射は放射線治療プランに則って実施され、治療効果の検証とプランへのフィードバックも適宜実施されます。また、放射線化学療法のように抗がん剤治療などを組み合わせて行う場合、それらの外来診療と組み合わせて治療を受けることもあるでしょう。
東京慈恵会医科大学柏病院では、地域の医療機関や癌患者のかかりつけ医からの紹介状や予約によって診察が行われており、診察については院内の他科の主治医か、かかりつけ医からの予約が必要となります。
なお、診療科が決まっていない場合などは患者本人が予約を行える他、予約のない人でも診療を受けることは可能です。ただし予約者が優先になるため注意してください。
保険適用の治療が提供されており、治療費については保険を利用することができます。なお、保険適用外の先進医療などを含めた場合に関しては、改めて主治医へ確認してください。
その他、紹介状がない場合は選定療養費として初診時7,700円(税込)が必要です。
東京慈恵会医科大学附属柏病院 | |
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診療科目 | 救急部、総合診療部、消化器・肝臓内科、脳神経内科、腎臓・高血圧内科、リウマチ・膠原病内科、循環器内科、糖尿病・代謝・内分泌内科、・血液内科、呼吸器内科、精神神経科、小児科、皮膚科、外科(上部消化管外科、下部消化管外科、肝胆膵外科、呼吸器外科、乳腺・内分泌外科、血管外科、小児外科)、整形外科、脳神経外科、形成外科、心臓外科、産婦人科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉・頭頸部外科、リハビリテーション科 |
診療時間 | 平日9:00~(診療科によって異なる) |
休診日 | 日曜、祝日、本学記念日(5月1日、10月第2土曜日)、年末年始(12月29日~1月3日) |
所在地 | 千葉県柏市柏下163番地1 |
電話番号 | 04-7164-1111 |
ベッド数 | 一般床:664床 |
年間治療患者数 | 外来患者数 2022年度延数:394,429人(1日平均1,351人) 入院患者数 2022年度延数:165,764人(1日平均454人) 救急患者数 2022年度:6,736人 |
対応可能な治療方法 | 手術治療、放射線治療、化学療法 |
設備 | TrueBeam(リニアック装置・バリアン社製)、Aquilion PRIME (80列) キヤノン社製、SOMATOM Drive シーメンス社製、SOMATOM Perspective(64列) シーメンス社製mAquilion Lightning Helios Edition(80列) キヤノン 社製など |
URL | http://www.jikei.ac.jp/hospital/kashiwa/ |