化学療法やがんゲノム医療などを行う関西医科大学付属病院
大阪府枚方市で診療を行っている関西医科大学附属病院は、2006年1月に開院した医療機関です。開院時から特定機能病院とし、同年10月には災害拠点病院、2008年には第三次救命救急センター、2010年4月にはがん診療連携拠点病院として認可されました。がん治療に関しては、化学療法やがんゲノム医療を行っているほか、治験や臨床試験も積極的に取り入れています。
放射線治療科では、高精度放射線治療と呼ばれる強度変調放射線治療(IMRT)や定位放射線治療(SRS/SRT)にも対応しているのが特徴です。
倉田 宝保医師は、関西医科大学付属病院のがんセンターでセンター長を務めています。
日本内科学会総合内科専門医・日本呼吸器学会専門医・指導医・日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医などの資格を所有しています。
関西医科大学付属病院のがんセンターは、化学療法部門とがんゲノム医療部門を担当しています。外来化学療法ベッド数は37床となっており、2022年外来化学療法の実施件数が20,426件でした。
新規薬剤・治療法に関する治験や臨床試験も導入しており、2018年4月よりがんゲノム医療連携病院の指定を受け、先進的ながんゲノム医療にも対応しているのが特徴です。
化学療法にプラスして、早期からの外来緩和ケアを提供できることが同センターの大きな特徴の1つです。化学療法を受けつつ、必要な際には速やかに緩和ケア外来を受診できるため、副作用にも対策してもらえるのが魅力です。大学病院の特性を生かし、すべての診療科がそろっているので、緊密な連携を図ってもらえます。
ゲノム医療は、がんセンターゲノム医療部門をメインに、臨床検査医学センターや臨床遺伝センターと連携を図りながら、がん遺伝子パネル検査を実施しています。がんゲノム医療とは、がんの遺伝子を詳しく調べ、患者さんの遺伝子の変化に合わせた治を行う医療です。
具体的には、患者さんのがん組織に見られる遺伝子の変化を多角的にチェックし、その結果を用いて適切な治療法を提案します。これまで行われていたがん種ごとの治療法の選択にプラスし、遺伝子の変化に沿った臓器横断的な治療法を検討できるのだと言われています。
また、生まれつきの体質に関連る遺伝子の情報も調べており、本人とその家族の健康管理について検討してもらえるケースもあります。
IMRTは専門のコンピュータを使用することによって、強度変調という名の通り、放射線を当てる空間的な強さを変えて、がんの形状に合わせる照射方法です。
立体的にさまざまな方向から照射が可能なため、線量に強弱ができ、正常な組織にはなるべく照射せずにがん細胞を集中的に治療を行えたり、手術では治療が困難な部分への照射が可能だったりする点がメリットです。
組織内照射は、IMRTなど体外から放射線を照射する治療法ではなく、密封された放射性物質を病巣付近に入れて、体内から直接放射線を照射する治療法のことです。外部照射と比べると、高い線量での照射が可能とされています。
関西医科大学附属病院で放射線治療を受ける流れについてまとめました。
基本的に、同センターは、単体で新規外来患者さんの受付は行っていないため、まずは担当診療科の受診が必要です。担当診療科で、薬物治療の必要性について判断します。
予約時間を確認の上、再来受付機で受付を行ってください。薬物治療の際の予約は、がんセンターの診察予約だけではなくベッド予約も必要です。
薬物治療前の採血検査などは、予約時間の1時間前を目安に来院して検査を受けます。その後、がんセンター受付に行き、血圧・脈拍・体重と身体症状について記入した問診票を提出してください。
医師が問診票を確認したうえで診察を行い、当日の薬物治療の実施が可能かどうか判断します。実施可能な場合、点滴作成と監査に入ります。薬物治療時の点滴作成と監査については、薬剤師が実施しているのが特徴です。点滴の作成・監査・調整から提供まで、通常1時間以上かかると言われています。
点滴が完成後、ベッドの準備が整い次第、点滴治療が始まります。体調や希望に合わせて、リクライニングチェアもしくはベッドで行います。
薬物治療後、自宅での留意点については、治療中に説明があります。
前述の通り、がんセンターは新規外来患者さんの受付は行っていないため、まずは担当診療科の受診が必要です。
紹介状がなくても受診は可能ですが、診療費とは別に選定療養費の支払いが必要な場合があります。初診は7,700円、再診3,300円となっています。
関西医科大学附属病院 | |
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診療科目 | 血液腫瘍内科、呼吸器・感染症内科、リウマチ・膠原病科、呼吸器腫瘍内科、循環器内科、腎臓内科、内分泌内科、糖尿病科、消化器肝臓内科、心療内科、総合診療科、脳神経内科、精神神経科、小児科、肝臓外科、胆膵外科、消化管外科、小児外科、乳腺外科、心臓血管外科、血管外科、呼吸器外科、脳神経外科、脳血管外科、脳血管内治療科、小児脳神経外科、整形外科、形成外科、皮膚科、腎泌尿器外科、眼科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科、放射線科、産婦人科、麻酔科、病理診断科、救急医学科、リハビリテーション科、健康科学科、歯科・口腔外科、臨床検査医学科 |
診療時間 | 初診・再診受付:8:30〜11:30、再診:8:00〜17:00 |
休診日 | 第2、第4土曜日・日曜日・祝日・年末年始(12月29日〜1月3日) |
所在地 | 大阪府枚方市新町2丁目3−1 |
電話番号 | 072-804-0101 |
ベッド数 | 751床 |
年間治療患者数 | 外来化学療法の実施件数20,426件(2022年度実績) |
対応可能な治療方法 | 化学療法・がんゲノム医療・放射線治療 |
設備 | 不明 |
URL | https://hp.kmu.ac.jp/ |