相模原エリアのがん診療連携指定病院、相模原病院
相模原病院は戦前に設立された国立病院をルーツに持っている医療機関であり、急性期患者に対応する総合病院として地域住民の健康を守り続けています。現在は公的病院として29科の診療科を標榜しながら、2016年には神奈川県がん診療連携指定病院にも指定。専門性を活かして高度な医療サービスを提供できるよう病院全体で尽力しています。周辺の病院やクリニックとも連携しながら医療ネットワークを構築しており、地域医療の下支えとして患者や家族の支援も行っています。
相模原病院の放射線科は、大きく診断部門と治療部門に分けられており、北野雅史医師は放射線科医長として主に放射線治療を担当している専門医です。日本医学放射線学会の放射線治療専門医の資格を取得しているプロフェッショナルであり、前立腺癌や肺癌、乳癌、食道癌など全身の様々な癌や悪性腫瘍に対して放射線治療専門医の立場から、治療プランの作成や患者のケアを行っています。
また放射線科には統括診療部放射線科部長である瀧川医師を筆頭に、診断部門の専門医や核医学専門医も複数所属。画像診断から治療まで専門性を追求しながら医療品質の向上を目指している点が特徴です。
神奈川県がん診療連携指定病院である相模原病院では全身のあらゆる癌について癌患者からの相談や標準治療にもとづいた癌治療を提供。相模原病院だけで対応が困難な症例についてはより高度な治療を行える医療機関として、提携先の病院や専門医などを紹介しています。
癌治療の診療ガイダンスとエビデンスを前提として、患者のために信頼できる治療の提供と、適切な医療環境の整備についても取り組んでおり、個々の患者の体質や既往歴、現在の癌の状態などを総合的に診察した上で複数の診療科が連携しながら治療プランを構築する集学的治療を実践しています。
相模原病院では放射線治療装置としてリニアック(直線加速器)を導入しており、エネルギー強度の高いX線や電子線を使い分けながら、患者の体外から癌へ放射線を照射する外照射治療を行っています。原発性の癌だけでなく、転移癌や再発癌についても放射線治療計画を作成することが可能となっており、放射線治療を単独で行う局所治療だけでなく、手術や化学療法と組み合わせながら治療効果の増強を目指す複合治療をプランニングできる点も特徴です。
なお、相模原病院の放射線治療ではリニアックと画像誘導システムを活用した画像誘導放射線治療(IGRT)を行っており、照射に先んじて治療装置上で患者の体を撮影。得られた画像データにもとづいて照射ターゲットのポイント修正を行います。結果として望ましくない範囲への放射線被曝ダメージを軽減し、副作用リスクを抑えることで体力的に衰えている患者や高齢者にも治療の可能性を開きます。
当院では画像誘導放射線治療(IGRT : image-guided radiotherapy)が可能です。 照射を行う直前に、治療装置上で撮影した画像を利用して照射部位の微調整を行います。 この技術により高精度の位置合わせが可能になり、治療効果の向上や副作用の軽減が期待できます。
引用元:相模原病院 放射線科
https://sagamihara.hosp.go.jp/sinryouka/housyasenka.html#RADIOLOGY_T
骨転移を有する癌について、塩化ラジウムやストロンチウムなどを使った核医学治療を実施しています。
塩化ラジウムやストロンチウムといった物質は、骨を形成する成分のカルシウムと同様に人の骨へ集まりやすい性質を有しており、医療用に放射線を発するラジウム-223のような医薬品を使用することで、当該物質を骨に集合させて、骨に転移した癌細胞を攻撃します。
また、使用される医薬品から主として発せられるα線は、高エネルギーでありながら照射可能範囲が0.1ミリ未満という性質を持っており、周辺の健康な臓器や細胞に対してはダメージを与えにくいこともポイントです。
相模原病院では外科的アプローチとして内視鏡や腹腔鏡などを使った低侵襲手術に取り組んでおり、例えば大腸癌の外科治療の約9割において腹腔鏡下手術を採用。また、内視鏡手術や腹腔鏡手術は単独で実施されるだけではありません。術後に抗がん剤治療を使って癌細胞の根絶を目指す術後化学療法や、放射線治療によって癌の状態を改善させた上で手術へのぞむ複合治療など、様々な患者に合わせて集学的治療のオーダーメイドを行っていることも重要です。
手術を中心に、化学療法、放射線治療、緩和医療など、患者さまの病期や体調に合った治療選択し、大腸がん治療ガイドラインに沿った集学的治療を行っています。
大腸癌手術の9割が腹腔鏡下手術を施行しており、日本内視鏡外科学会の技術認定医が必ず手術を担当し、高いレベルの手術を維持するように心がけています。引用元:相模原病院 外科・消化器外科・乳腺外科
https://sagamihara.hosp.go.jp/sinryouka/geka.html
乳腺外科では乳癌の患者に対して、早期発見を前提としつつ患者のQOLに寄り添った診療体制を整備していることがポイントです。
癌の1次検診や2次検診といった検査はもちろん、様々な画像診断装置を併用した診断や治療計画の作成、さらに外科治療や手術後の乳房再建まで全ての工程を相模原病院の一貫体制で実施することができます。
患者に安心してもらえるようチームを構成するメンバーも厳選されており、がん化学療法認定看護師や抗癌剤専任薬剤師、緩和ケア認定看護師といった癌治療に関するプロが常勤スタッフとして患者のために寄り添います。
当院では、1次検診、2次検診をはじめ、診断(マンモグラフィー、超音波、CT、MRI、針生検)、治療(手術、化学療法、ホルモン療法、放射線治療)まで一貫して行える施設となっております。また、形成外科と連携し、乳房再建も行っております。
引用元:相模原病院 外科・消化器外科・乳腺外科
https://sagamihara.hosp.go.jp/sinryouka/geka.html
相模原病院で放射線治療を受ける流れについてまとめました。
放射線科の受診には、まず担当医の診察を受けた上で紹介状を書いてもらう必要があります。また放射線科では初診で放射線治療の適応性を検討し、放射線治療が有効だと認められた場合において照射方法や副作用リスクへのマネジメントプランなどが説明されます。
インフォームドコンセントの内容に対して患者が納得すれば、改めて治療計画CTによる画像診断という流れです。
治療計画CTで撮影された癌の画像にもとづいて放射線治療計画を作成します。また、治療期間中は放射線治療科で定期的に診察が行われ、副作用の程度や治療効果について医師が判断しながら、治療計画の有効性や見直しの必要性を考えます。
1回当たりの放射線照射時間は10~15分程度となっており、平日に毎日行われます。照射回数は患者の体質や癌の症状によっても異なっており、多くの人が通院による放射線治療を選択可能です。
一回の治療時間は10分から15分程度で痛みや熱さは感じません。これを平日のみ毎日行います。照射回数はがんの種類や治療する場所によって異なります。前立腺であれば35回、乳房であれば25~30回、骨に対しては10回が一般的です。副作用は照射する部位によって異なりますが、多くの患者さんは通院での治療が可能であり、ご高齢の方にも治療できます
引用元:相模原病院 放射線科
https://sagamihara.hosp.go.jp/sinryouka/housyasenka.html#RADIOLOGY_T
放射線科の予約については、まず担当医からの紹介状を用意した上で、外来予約センターを通じて予約を行わなければなりません。なお予約は電話で受け付けられていますが、予約に際しては紹介元である病院の医師へ相談してください。
保険適用の標準治療が原則的に行われています。治療費については治療回数や治療期間、治療方法などによって様々なため、主治医や担当スタッフへ確認するようにしましょう。
独立行政法人国立病院機構相模原病院 | |
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診療科目 | 内科、精神科、脳神経内科、呼吸器内科、消化器内科、消化器外科、循環器内科、アレルギー科、リウマチ科、小児科、外科、乳腺外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、皮膚科、泌尿器科、産科、婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科、放射線科、腎臓内科、血液内科、麻酔科、病理診断科、救急科 |
診療時間 | 平日8:30~17:15 |
休診日 | 土曜日・日曜日・祝日・年末年始 |
所在地 | 神奈川県相模原市南区桜台18-1 |
電話番号 | 042-742-8311 |
ベッド数 | 一般病床458床(うち、HCU4床) |
年間治療患者数 | 手術実績(2021年):食道癌7件、胃癌46件、結腸癌86件、直腸癌30件、肝臓癌(開腹)3件、肝臓癌(腹腔鏡)18件など |
対応可能な治療方法 | 手術治療、放射線治療、化学療法 |
設備 | リニアック、CT、MRI、マンモグラフィなど |
URL | https://sagamihara.hosp.go.jp/index.html |