地域がん診療連携拠点病院に指定されている埼玉県済生会川口総合病院
埼玉県済生会川口総合病院では川口市や戸田、蕨などのエリアの医療を担っている急性期を診療する中核病院です。放射線科にはPETやCT、MRI、RI、DSAなどの医療機器を完備し、さらに手術室7室、ICU14床、NICU6床、GCU6床など医療設備を充実させています(2023年5月18日調査時点)。
地域がん診療連携拠点病院の認定だけでなく、臨床研修病院、救急指定医療機関、災害拠点病院、地域周産期母子医療センター、地域医療支援病院などの認定も受けており、様々な状況に合わせた専門医療を提供できる病院です。「患者中心の質の高い医療の提供」を理念としており、患者中心の医療を心掛け心の通った接遇に努めています。
1983年に順天堂大学の医学部を卒業し、順天堂大学外科で研修医を経て第一外科に入局。埼玉県済生会川口総合病院や関連の病院で多くの経験を積んだのちに、1996年に埼玉県済生会川口総合病院の外科医長・外科部長・副院長を務め、2017年に病院長に就任し現在に至ります。
日本消化器外科学会の消化器外科専門医・消化器外科指導医や日本消化器病学会の消化器病専門医などの資格を取得。消化器の疾患を中心に診療しています。
埼玉県済生会川口総合病院の大きな特徴は、2009年2月に「地域がん診療連携拠点病院」として指定されている点です。埼玉県南エリアのがん診療の中心として、患者が質の高い診療が受けられるような環境や診療の実施を医師・看護師・薬剤師・放射線技師・ソーシャルワーカー・診療情報管理士などがワンチームで取り組んでいます。
外科的治療や内視鏡切除術、抗がん剤による化学療法、放射線療法を入院・外来にて対応。そのほか、がん相談支援センターを開設し、がん患者や家族の様々な相談に対応できる環境を整えています。セカンドオピニオン外来も設置しており、他院で診断を受けた方の依頼にも柔軟に対応するなど、幅広くがん診療を支援している病院です。
埼玉県済生会川口総合病院では放射線治療にも対応しており、Elekta社が開発した「Synergy(シナジー)with Agility」を完備しています。標的となるがん細胞の位置をX線撮影できるシステムを搭載しており、照射位置をシナジーで撮影・確認することが可能です。その撮影画像と治療計画のときの画像を組み合わせることで、正確な照射につなげることができます。このシステムのことをIGRT(画像誘導放射線治療)と呼び、他にもIMRT(強度変調放射線治療)やSBRT(体幹部定位放射線治療)などの高精度な放射線治療にも対応できます。
また治療計画用のCTとしてCANON社製の「Aquilion LB」を導入。700mmと大口径であるため、固定具が大きくても対応できる仕様となっています。さらに人体模擬ファントムも完備しており、実際の患者に見立て、治療で照射する放射線が適切かどうかの検証も行われています。放射線治療品質を管理するための専門のスタッフとして医学物理士・放射線治療品質管理士・放射線治療専門技士が在籍。治療計画に従って放射線治療が行えるよう一つ一つ確認しながら治療を行ってくれるでしょう。
「画像誘導放射線治療」とも呼ばれており、放射線治療機器自体にX線撮影の機器を搭載することで、レントゲン・CT撮影した画像情報に基づいて位置照合を的確に行うシステムのことです。治療前にIGRTを実施することで、身体の状態を把握しやすくなるだけでなく、照射位置のズレなども修正しやすくなるため高い精度の放射線治療が期待できます。
強度変調放射線治療とも呼ばれており、コンピューターによる制御で通常の放射線照射よりも腫瘍に限定した照射が可能となる治療法のことです。マルチリーフコリメータを動作させることで、放射線の強度を変化させながら照射できるため、正常な組織に及ぶダメージを軽減させられます。
体幹部定位放射線治療とも呼ばれ、3次元で集中して放射線を照射する技術のことです。通常の放射線治療よりも正常な細胞へのダメージを抑え、大線量をダイレクトに短期間で照射できるなどのメリットがあります。
放射線治療は、外科療法や化学療法と共にがん治療を支える3本柱の1つです。その目的は、がんの根治を目指す治療や、症状緩和を目指す治療などで、目的により治療の方法を選択します。比較的病巣が小さい場合など病状によっては、放射線治療単独でもがんを治癒させることが可能です。放射線治療の最大の特徴は、他の治療方法より低侵襲で、体への負担が少なくて済む事が挙げられます。また、切除することなく治療が可能であり、機能及び形態の温存にも優れています。そのため、生活の質(QOL)を保ち、治療を行うことができ、働きながら治療を受けられる方もいます。さらに、他の治療法より社会復帰も早いとされています。高齢者の方、過去の治療歴から手術や薬物療法が難しい方にも放射線治療が選択可能な治療法になることもあります。しかし、身体に放射線を照射する場合、その範囲(放射線が体内を通る経路)において正常な臓器にも影響を与えます。この影響をより小さくするために、線量、照射方法を工夫することにより、正常組織には大きな影響を与えず、がん病巣に対してダメージを集中させ、治療を実施します。
引用元: 国立国際医療研究センター病院
https://www.hosp.ncgm.go.jp/s036/011/index.html
埼玉県済生会川口総合病院では手術支援ロボット「ダビンチ」を導入しています。ダビンチの大きな特徴は切開範囲が小さいため、出血量を抑えられ手術後の早期回復が期待できるという点でしょう。さらに鮮明な3次元画像で手術の手元が映し出され、人間の手よりも大きな可動範囲で手振れ補正機能も備わっているため、医師のメンタル的ストレスも抑えられるという効果が期待できます。
埼玉県済生会川口総合病院における対象疾患は、泌尿器科なら腎がん・腎盂尿管がん・前立腺がん・膀胱がん・腎盂尿管移行部狭窄症、外科なら直腸がん・胃がんとなっています。対象となっている疾患であれば保険診療となり、高額療養費も適用することが可能です。費用に関する詳細は、必ず事前に確認しておきましょう。
埼玉県済生会川口総合病院では患者のQOLを重視しており、入院だけでなく外来による治療にも対応できるよう「外来化学療法室」を完備しています。外来化学療法室にはリクライニングシートやベッドが設けており、テレビやアメニティにも配慮した空間です。
化学療法専任の看護師が在籍しており、医師・薬剤師・がん相談支援センターのスタッフなどと連携を密に図りながら、患者や家族が抱えている不安や悩みに迅速に対応できる体制が整っています。がん化学療法レジメンが公式サイトにも掲載されており、疾患後ごとに投与量や投与スケジュールが設定されています。ただし患者の状態によっては変更されるケースもあります。
患者や家族にとって、がんを患ったことで様々な悩みや不安を抱きやすいでしょう。そのため埼玉県済生会川口総合病院では「がん相談支援センター」を設置しており、がんに関する様々な相談を受け付けています。ソーシャルワーカーなどの専門スタッフが病気のことだけでなく、生活・金銭・治療・薬剤・介護・栄養など幅広い悩みに対するアドバイスを実施。また病気・治療・副作用などの不安に関しては専任の看護師が相談対応しています。がん相談支援センターを利用する場合は電話にて相談日時の予約を行ってください。電話での相談だけでなく、病室への訪問にも対応しています。
ほかにも「Canサロン」を開催し、がんを患っている方同士で交流を深める機会を提供。毎月第3火曜に開催しています。また川口ハローワークの就職支援ナビゲーターによる「就職相談」も実施しているため、就職への悩みも専門のスタッフに相談できるでしょう。
埼玉県済生会川口総合病院で放射線治療を受ける流れについてまとめました。
初診時に放射線治療医から治療内容や副作用についての説明を実施。その後、具体的な治療日程や治療を行うために必要な検査の日時を決めます。またこの際、看護師から治療中の注意事項についての説明も行われます。
CTで照射部位を撮影し、実際に放射線が照射された場合の線量分布をシミュレーションしながら、治療に必要な線量を満たしているか、周辺の正常組織への照射が規定値を超えていないかなどを検証。照射方向や照射範囲、放射線量など、患者ごとに照射方法を決定します。
照射当日に事前に立案された照射計画が患者の体に合うかどうかを照射台上で確認。その後、照射したい部位に印をつけます。照射にかかる時間は数分程度ですが、照射位置を合わせるのに毎回5~10分程時間を要します。副作用については個人差があり必ず出るものではありませんが、医師が定期的に診察を行って必要であれば薬の処方を行っています。
照射の効果は1~2か月ほど持続するため、経過観察を行って病変の状態をチェックしていきます。副作用については治療終了後2週間~1か月ほどで症状が治まることがほとんどですが、その間投薬を行って同様に経過を観察していきます。
完全予約制になっているので、必ず地域医療連携室・紹介予約専用フリーダイヤルに連絡し予約を取るようにしてください。
《予約方法》
電話:0120-474-641
予約受付:平日(月~金)9:00~17:00
治療費に関しては、病院へお問い合わせください。
社会福祉法人恩賜財団済生会支部埼玉県済生会川口総合病院 | |
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診療科目 | 標榜科目:内科、循環器内科、消化器内科、呼吸器内科、腎臓内科、糖尿病・内分泌内科、神経内科、腫瘍内科、放射線科、外科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、産婦人科、血管外科、呼吸器外科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、麻酔科、小児科、精神科、リハビリテーション科、病理診断科、臨床検査科、心臓外科 |
診療時間 | 9:00~17:00 |
休診日 | 土曜・日曜・祝日、年末年始(12/29~1/3)、開設記念日(4/15) |
所在地 | 埼玉県川口市西川口5-11-5 |
電話番号 | 0570-081551 |
ベッド数 | 424床(2023年5月18日調査時点) |
年間治療患者数 | 院内がん登録症例 2021年1443件(2023年5月18日調査時点) |
対応可能な治療方法 | 化学療法、手術療法、放射線治療 |
設備 | Synergy(シナジー)with Agilityなど(2023年5月18日調査時点) |
URL | https://www.saiseikai.gr.jp/ |