他院と連携して地域の癌治療を支える東京高輪病院
東京高輪病院は地域住民の健康と安全を支える総合病院として運営されており、癌治療については手術による外科治療と抗がん剤を用いた化学療法、そして80列マルチスライスCTや3.0テスラMRIなどを活用した放射線診断が実施されています。
放射線診断については日本医学放射線学会の放射線診断専門医が担当しており、東京高輪病院の患者に対する画像診断や核医学検査などだけでなく、地域の他の医療機関から依頼された患者に対しても適切な診断を行っていることが特徴です。
天羽健医師は1989年に北海道大学を卒業し、東京高輪病院に所属する前は東京大学放射線科に所属していました。また、放射線診断のプロフェッショナルとして日本医学放射線学会から放射線診断専門医の認定を受けているドクターです。癌を含めて様々な症状や疾患に関する画像診断・検査を担当しており、CTやMRI、各種シンチグラムなど幅広い検査を行った上で読影報告書を作成し、各診療科や他院のドクターの病理診断や癌治療のベースを固めています。
なお、天羽医師の他にも東京高輪病院の放射線科には専門的な経験を積んだ放射線技師らも所属しており、放射線科の医療スタッフによるチーム体制をリードしていることも重要です。
東京高輪病院では、早期癌の発見とスムーズな治療による患者のケアを重視しており、診療科間の情報共有を迅速に行うことで、院内全体で癌患者に対するチーム医療体制を構築しています。内科や外科の間にある壁を取り払い、風通しの良い環境を作ることで専門医同士の意見交換と患者の情報共有をスピーディに行い、さらに日本医学放射線学会放射線診断専門医が適切な医療機器や検査装置を活用した総合検査を実施して、癌患者に対する治療計画の下地を作っていることが強みです。
癌の他にも心疾患や消化器疾患など幅広い病気に対応しており、場合によっては午前中に内科を受診して午後には外科で手術が実施されるといったこともあるようです。
東京高輪病院では食道癌や胃癌、大腸癌といった消化管領域の癌に対して、2021年から内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が実施されています。
従来の開腹手術に対して、内視鏡手術では手術時に患者の体を切り開く範囲が小さく済むため、肉体的負担を軽減して術後の復帰や合併症リスクについても好意的な効果を追求することが可能です。
その他にも、内視鏡を使った低侵襲治療を積極的に実施しており、現時点で内視鏡手術が行えない肝臓癌などの癌についても、対応できる病院を紹介した上で状態が改善した後に改めて治療の適応性が検討されます。
消化管領域は、食道・胃・大腸の早期癌の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が2021年4月から山田医師により再開されております(2021年度はESD33件)。緊急で止血が必要な消化管出血も積極的に受け入れています。胃瘻造設や炎症性腸疾患、胃癌、大腸癌など消化管領域の幅広いニーズに対応しています。
引用元:東京高輪病院公式サイト
https://takanawa.jcho.go.jp/消化器内科(当科の特色)/
一般的に子宮の全摘出を必要とする子宮頸癌患者に対して、妊孕性を温存したいというニーズに応えられるよう摘出手術を行います。具体的には円錐切除を採用しており、事前に放射線診断を厳格化した上で、あらかじめ得られているデータにもとづいた治療計画に則り病変部位のみを切除して癌の再発リスクを軽減しながら妊孕性温存を目指すことが特徴です。
子宮の摘出が必要となった良性疾患の患者に対しては、原則として腹腔鏡による子宮摘出術でなく膣式子宮全摘術が採用されています。なお、従来の腹腔鏡手術を進化させて、一層に低侵襲性を地球した治療として「経膣的腹腔鏡手術(vNOTES)」も実践されており、尿管や膀胱といった排尿に関与する臓器へのダメージを抑えて術後のリスクを軽減し、患者のQOL向上を目指してくれることも見逃せません。
良性疾患で子宮摘出が必要な場合は、可能な限り膣式子宮全摘術を選択します。臨床試験をくまなく収集し、評価し、分析したコクランレビューからの情報によると、腹腔鏡での子宮摘出術では膀胱や尿管の損傷のリスクが膣式子宮全摘術に比べ高いことから、良性疾患では、膣式子宮摘出(腹腔鏡補助下も含めてですが)を推奨しています。また当院では腹壁に傷が残らず従来の腹腔鏡手術よりさらに低侵襲で、早期社会復帰が可能な経膣的腹腔鏡手術(vNOTES)に取り組んでおります。
引用元:東京高輪病院公式サイト
https://takanawa.jcho.go.jp/婦人科/
子宮筋層にまで癌の浸潤が達していないと判断された「高分化型子宮内膜癌」の患者に対して、ホルモン剤(MPA)を投与して癌細胞の退縮・消失を目指す治療法です。
MPA療法によって子宮内膜癌の改善が認められた場合、子宮を摘出する必要がないため妊孕性を温存したまま癌治療を行うことができます。
また、治療期間は半年となっており、治療後に癌が消失していない場合であっても、病理診断によって癌治療の有効性があると認められれば継続治療を希望できる点も重要です。
子宮筋層に浸潤がないと判断した高分化型子宮内膜がんの方にMPAというホルモン剤を使用することは実地医療として行われております。通常6か月使用しがん細胞が完全に消失したかどうか判定し、残存があればtreatment failure(治療失敗)として子宮摘出が勧められます。しかし、我々はがんが6か月間のMPA治療後に消えていなくても、病理プレパラートを自分の眼で確認しMPAの効果が出ている所見があると判断した際にはMPAを継続します。実際、MPAを2年間服用後にがんが消失し、その後妊娠された方もおられます。
引用元:東京高輪病院公式サイト
https://takanawa.jcho.go.jp/婦人科/
東京高輪病院の放射線科は、各診療科や地域の医師や近隣病院からの依頼に応じて適切な放射線診断及び画像検査などを実施しています。そのため、放射線診断専門医による診断や検査を受けるためには、まず東京高輪病院の診療科を受診するか、地域のかかりつけ医を受診して紹介状を書いてもらうことが必要です。
なお、対象疾患は「画像検査を必要とする疾患」とされており、癌を含めて様々な病気の診断を受けることができます。
CT(80列マルチスライス)やMRI(3.0テスラ)による画像診断やマンモグラフィ検査などを行った上で、それぞれの結果が報告書として専門医により作成されます。その後、診療科の主治医やかかりつけ医がその結果にもとづいて治療計画を作成するという流れです。
具体的な治療計画については患者の術後の生活やライフステージなども考慮して検討されます。
東京高輪病院では手術や化学療法が実施されており、さらに高度な治療環境が必要となるプランに関しては信頼できる医療機関へ紹介してくれます。また、他院での治療を終えた後で、改めて東京高輪病院で治療を継続したり術後の予防治療などに取り組んだりすることもあるでしょう。
東京高輪病院では予約時と予約の変更時で問い合わせ先の電話番号が異なっている点に注意してください。予約時の問い合わせ先は「03-3443-9576(担当:医療連携患者支援センター)」となっており、外来予約の変更については「03-3443-9195」となっています。
標準治療をベースとした治療が実施されており、状況によって他院連携となるため、実際の費用については主治医へご確認ください。
東京高輪病院 | |
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診療科目 | 総合内科、外科、放射線科、婦人科など |
診療時間 | 初診8:30~11:30 再診7:45~11:30 |
休診日 | 診療科により異なる |
所在地 | 東京都港区高輪3-10-11 |
電話番号 | 03-3443-9191(代表) |
ベッド数 | 記載なし(参考:5階病棟49床) |
年間治療患者数 | 内科治療実績:458件(平成28年度)、MRI件数:4,103件(脳ドック1,025件含、平成28年度) |
対応可能な治療方法 | 手術治療、化学療法 |
設備 | 80列MDCT、MRI3テスラ装置、MRシアターなど |
URL | https://takanawa.jcho.go.jp/ |