がん診療連携拠点病院として地域のがん診療における拠点病院
がん診療連携拠点病院に認定されている東海大学医学部付属病院。チーム医療でがん治療を行える体制を整えています。呼吸器内科では肺がん治療、消化器内科では大腸がんや胃がん、肺がんや食道がん、胆膵がんや小腸がんなど、腫瘍がある部位に特化した診療科でがん治療を受けられます。放射線治療は放射線治療科にて受け入れているとのことでした。
そのほか、緩和ケア科や外来化学療法室、頭頸部腫瘍センター、がん相談腫瘍センターなどを設けているのも特徴です。
緩和ケア科では、がん患者の痛みを緩和する目的で鎮痛薬を処方する、放射線治療を併用して痛みをコントロールするなどしているそうです。また、痛み以外の倦怠感や食欲不振、悪心などに対してもさまざまな薬物療法を実施。ときには非薬物療法も組み合わせて患者の苦痛軽減に努めています。
また、広域救急搬送システムである神奈川県ドクターヘリの運用機関でもある東海大学医学部付属病院。さまざまな形で神奈川県民の健康をサポートしています。
東海大学医学部付属病院の治療方法
放射線
治療
東海大学医学部付属病院で行われる放射線治療
脳腫瘍や頭頸部腫瘍、肺がん、食道がん、乳がん、肝細胞がんの治療、骨転移の緩和などの目的で、あらゆるがんに対して放射線治療を行っています。
2018年度の放射線治療実績は、子宮腔内照射35件、IMRT332件、定位放射線治療114件、全身照射40件とのこと。
放射線治療専門医の資格をもつ医師と日本がん治療認定機構・癌治療認定医の資格をもつ医師が治療にあたります。治療にかかる時間は1日あたり約5分〜10分程度です。基本的に、毎週月曜日から金曜日までの週5日の治療を数週間にわたり行っています。
緩和ケア科
治療
多職種のチーム医療で患者の苦痛を緩和
東海大学医学部付属病院にある緩和ケア科では、がん患者の身体的・精神的な苦痛を取り払うべく、医師や看護師、薬剤師、栄養士、作業療法士、ソーシャルワーカーなどが連携しています。がんやがん治療による痛み・苦痛を緩和しながら、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上に努めているとのこと。具体的には日本緩和医療学会暫定指導医や日本麻酔学会指導医、日本ペインクリニック学会専門医などが中心となり、薬物治療と痛みをコントールする放射線治療を併用して、緩和ケアを行っているそうです。
外来化学療法室
がん薬物療法専門医が1人ひとりに合った治療法を提案
がん薬物療法専門医が5名在籍する外来化学療法室では、抗がん剤・分子標的治療薬・ホルモン剤の3種類を組み合わせて、1人ひとりに合った治療方法を提案。また、がん化学療法看護認定看護師やがん化学療法認定薬剤師も在籍しているのも心強い点です。乳がんや大腸がん、すい臓がん、胃がん、胆道がん、造血器悪性疾患、骨軟部肉腫など、さまざまながん治療に対応しています。
東海大学医学部付属病院の治療について
東海大学医学部付属病院の治療の流れについてご紹介いたします。
放射線治療の流れ
1.受診
東海大学医学部付属病院放射線治療科の放射線治療は、東海大学医学部付属病院内の各科の紹介、または他院からの紹介がなければ受けられません。他院からの紹介の場合は、紹介状と検査結果(CTやレントゲン等)が必要になります。
診察は、これまでに行った検査の結果や進行度などを踏まえたうえで、本当に放射線治療が必要かどうか検討するところからスタート。効果や副作用にかんする説明、疑問点にかんする質疑応答も診察時に行います。
2.治療計
治療を受けることが決まったら、実施する放射線治療の方法を決定。マジックインクを使って放射線を照射する位置に目印を入れ、レントゲンやCTの撮影を行い、具体的な治療計画を立てます。
3.治療
治療計画を立てた翌々日から治療がスタート。治療計画に基づいて、月曜日から金曜日にわたり、1日あたり5分から10分程度の治療を受けます。
4.再診
放射線治療が終了した後は定期健診を実施。副作用の対処も再診の際に行われます。