いちから分かる癌転移の治療方法ガイド

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大和市立病院

神奈川 放射線治療化学療法手術
(サイトイメージ)
引用元:大和市立病院公式HP
https://www.yamatocity-mh.jp/

がん診療連携拠点病院として地域を支える、大和市立病院

大和市立病院は神奈川県大和市にある総合病院であり、1955年の設立以来、癌患者を含めて様々な人々の治療やケアに当たっています。また2012年には「がん診療連携拠点病院」として公的に指定も受けており、専門的な癌診療や地域の医療機関との癌治療ネットワーク体制を強化。癌患者や家族などへの相談や情報提供といった多角的な医療サービスの提供に取り組んでいます。高精度放射線治療装置「リニアック」と動体追跡システムを導入するなど、医療設備の強化や技術の発展に向けて力を入れていることも特徴です。

大和市立病院の医師

佐藤 友美 放射線治療科医長

佐藤友美は大和市立病院の放射線治療科において医長を務めるドクター。2005年に医学部を卒業して以来、およそ20年にわたって様々な患者の治療や診療に当たっています。また、放射線治療の専門医として「日本医学放射線学会認定放射線治療専門医」の資格も取得しており、放射線治療に関する専門ドクターならではの知見や経験を活かしながら、その他のドクターとも連携してチーム医療を実践しています。

佐藤医師の他にも大和市立病院放射線治療科には複数の放射線治療専門医が所属しており、抜本的な医療体制の強化が試みられていることもポイントです。

目次

大和市立病院の特徴

大和市立病院はがん診療連携拠点病院として放射線治療や化学療法(抗がん剤治療)、外科治療といった複数のアプローチによる癌治療を提供。また癌患者や家族などへのサポート体制を整備して治療に関する相談から日々の過ごし方まで幅広い支援を行っています。

また、大和市立病院放射線治療科では2019年4月から高精度放射線治療装置「リニアック(米国Varian社製TrueBeam)」を導入しており、画像誘導放射線治療として強度変調放射線治療(IMRT)や定位放射線治療(SRT)といった放射線治療にも適応していることは見逃せません。

当院では、2019年4月より米国Varian社製TrueBeamという放射線治療装置を導入しました。この装置は画像誘導放射線治療(Image-guidedRadiotherapy:IGRT)が可能で、強度変調放射線治療(IMRT)、脳および肺腫瘍への定位放射線治療(SRT,ピンポイント照射)など高精度放射線治療に対応しています。

引用元:大和市立病院放射線治療科
https://www.yamatocity-mh.jp/section/depts/radiology_treatment/

大和市立病院の治療法

放射線治療

高精度放射線治療装置と動体追跡装置の組み合わせ

大和市立病院放射線治療科で2019年から導入されているリニアック(高エネルギー放射線治療装置)は、従来の放射線治療よりもピンポイントで癌組織へアプローチが可能です。癌の周囲にある健常な臓器や細胞への被曝ダメージを軽減できるといった複数のメリットを追求しています。

全身の様々な癌について根治的放射線照射や緩和的放射線照射など複数の治療プランの検討が可能です。さらに放射線治療と外科治療や化学療法を組み合わせた複合治療による癌治療を検討できます。

加えて、大和市立病院放射線治療科では「動体追跡装置」を導入しており、システムがリアルタイムで癌患者の体内の様子をモニタリングが可能に。自動的に放射線照射のタイミングをコントロールできるよう、一層の医療環境の拡充に取り組んでいることも重要です。

リニアックと呼ばれる高エネルギー放射線治療装置を用いて治療を行います。がんを根本的に治癒させる根治放射線治療や術後照射、痛みなどを取り除く緩和的放射線治療を行っています。

引用元:大和市立病院放射線治療科
https://www.yamatocity-mh.jp/section/depts/radiology_treatment/

強度変調放射線治療(IMRT)

強度変調放射線治療(IMRT)は、あらかじめ精密検査を行って癌患者の癌の形状やサイズといったものを把握した上で、放射線治療の実施日にもリアルタイムの画像モニタリング。癌の状態に合わせて放射線照射装置から照射される放射線量を調整する治療法です。これにより、癌細胞へ必要最小限かつ必要十分量の放射線を照射が可能になり、従来の放射線治療と比較して健常細胞への被曝ダメージを軽減し治療の副作用を抑制することが可能です。

合併症のある人や高齢者でも治療を受けることが可能であり、幅広い癌へ治療適応性を有することも強みです。

定位放射線治療(SRT)

定位放射線治療(SRT)はピンポイント照射とも呼ばれる放射線治療であり、リニアックを用いて実現する高精度放射線治療の1種です。

定位放射線治療では、強度変調放射線治療と同様にあらかじめ癌患者の癌の状態について精密診断を行った上で、ターゲットとなる癌に対して多方向から放射線を照射します。

定位放射線治療で照射される複数の放射線は、それぞれは強度を抑えたものになっており、それだけで患者の細胞へ影響を及ぼすことはありません。しかし、ターゲットの癌へ集中的に照射された放射線はピンポイントで収束され、癌に対してのみ治療効果を発揮できるエネルギー量を獲得することが特徴です。

これにより、定位放射線治療では癌患者の健常細胞への被曝ダメージを抑制しながら、的確に癌治療を進められることが強みとなっています。

加えて、動体追跡照射システムと組み合わせることで、肺のように呼吸に伴って動く部位への放射線照射も実現できます。

また、当院の特徴として島津製作所製 SyncTraX FX4という動体追跡装置を装備しています。体内にあらかじめ埋め込んだマーカーをリアルタイムに追跡しマーカーが決められた位置に来たときのみ照射するシステムで、肺などの呼吸性移動のある治療部位に対して呼吸状態を常に監視しながら放射線治療をおこなうことが可能となります。この高精度放射線治療装置TrueBeamと動体追跡照射システムSyncTraX FX4の組み合わせは神奈川県内で初めて導入されました。

引用元:大和市立病院放射線治療科
https://www.yamatocity-mh.jp/section/depts/radiology_treatment/

外科治療

低侵襲手術

大和市立病院では癌患者に対する外科治療(手術)によるアプローチにも力を入れており、2022年2月17日に開催された第64回泌尿器科学会神奈川地方会において前立腺小細胞癌に関する報告がペストプレゼンテーション賞に選出されるなど、新しい治療法や医療技術に関する研究及び情報発信にも積極的に取り組んでいます。

また、複数の医療機関やクリニックともネットワークを構築しており、ガイドラインやエビデンスにもとづいた外科治療を実践しつつ、腹腔鏡や内視鏡を用いた低侵襲手術を中心として提供。手術支援ロボットを活用したロボット手術を希望する患者については、専門の医療機関へ紹介した上で連携協力してくれることも重要です。

小林幸太先生が第64回日本泌尿器科学会神奈川地方会でベストプレゼンテーション賞に選ばれました。
2022年2月17日開催された神奈川地方会で発表した「2nd-lineアムルビシンが奏功した前立腺小細胞癌の一例」がベストプレゼンテーション賞に選ばれました。

引用元:大和市立病院泌尿器科
https://www.yamatocity-mh.jp/section/depts/urinary/

大和市立病院の施術について

大和市立病院で放射線治療を受ける流れについてまとめました。

放射線治療の流れ

診察

放射線治療専門医が癌患者の診察を行い、放射線治療の適用性の有無や治療方針などについて検討します。また、放射線治療が適用だと診断された場合、続いて具体的にどのような治療プランが適正であるのか、ガイダンスやエビデンスに則って考えてくれます。

治療計画作成

治療方針と治療内容が決定した後、治療計画用CTによって癌患者の体内を詳細に画像診断し、癌の形状やサイズといった情報にもとづいて放射線治療計画を作成します。

放射線照射や治療スケジュールは全て治療計画に従って進められることが前提であり、もし治療効果が十分に認められない場合や治療内容の変更について必要性が生じた場合は、改めて治療計画が見直されることもポイントです。

治療

具体的な治療内容は治療方法によって異なるものの、1回の放射線照射の時間はおよそ10~15分程度となっており、基本的に外来通院による治療継続が可能です。手術や化学療法と併用して治療する場合、それぞれの治療計画に従って治療スケジュールなどが調整されることもあります。

予約方法

大和市立病院の放射線治療科は完全予約制となっており、かならず事前に電話やFAXによる予約が必要です。なお、かかりつけ医や地元の医療機関からの紹介に関しては、医療機関から直接に診療情報や予約申込書などを大和市立病院へ送信するようにしてください。

その後、患者は改めて診療予約票と診療情報提供書を診療日に持参します。

治療費について

大和市立病院では癌診療のガイダンスにもとづいて標準治療が実施されており、原則として治療は保険適用になります。具体的な治療費については必ず主治医などへ相談して確認するようにしてください。

大和市立病院の基本情報

大和市立病院
診療科目 内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、腎臓内科、脳神経内科、血液・腫瘍内科、糖尿病・内分泌内科、リウマチ・膠原病科、精神科、精神腫瘍科、小児科、外科、呼吸器外科、消化器外科、心臓血管外科、脳神経外科、乳腺外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科、放射線科、放射線診断科、放射線治療科、病理診断科、麻酔科、歯科口腔外科(計32科)
診療時間 8:20~11:00(初診・予約のない人)
休診日 土曜日・日曜日・祝日・年末年始(12/29~1/3)
所在地 神奈川県大和市深見西八丁目3番6号
電話番号 046-260-0111
ベッド数 一般病床(166室) 403床
年間治療患者数 手術の実施件数(令和4年1月~令和4年12月分):1062件
放射線治療件数(2020年):255件
対応可能な治療方法 手術治療、放射線治療、化学療法
設備 リニアック(米国Varian社製TrueBeam)、動体追跡装置(島津製作所製 SyncTraX FX4)、CT、MRIなど
URL https://www.yamatocity-mh.jp/