千葉大学医学部付属病院と連携して癌と戦う、成田赤十字病院
成田赤十字病院は千葉県成田市にある総合病院であり、様々な疾病やケガの治療を行っている医療機関です。癌治療にも積極的に取り組んでおり、高精度放射線照射装置（リニアック）を導入して根治的放射線治療から緩和的放射線治療まで幅広く対応。千葉大学医学部付属病院と連携して肺がん治療センターを設立し、肺癌治療に特化した診療環境を構築するなど癌治療の品質追求を目指しています。
町田南海男医師は成田赤十字病院の放射線科において放射線治療科部長を務める医師であり、日本医学放射線学会から放射線科専門医の資格を認定されている放射線治療の専門家です。令和5年に放射線照射装置を刷新しており、リニアックを利用して悪性腫瘍に対する放射線治療を担当しています。治療前に患者や家族への説明を丁寧にすることで、放射線治療に対する不安や疑問を可能な限り解消し、前向きに治療へのぞめるようサポートを重視している医師です。
なお、放射線科には町田医師の他にも放射線治療専門医が所属しており、院内・院外のカンファレンスへ積極的に参加しながら治療技術の刷新・情報収集に努めています。
成田赤十字病院は成田市及び周辺エリアの人々の健康を支えている総合病院であると同時に、千葉大学医学部付属病院と連携して癌治療についての専門研究を行っている医療機関でもあります。癌診療について独自の取り組みとして、外科治療や放射線治療、化学療法といった標準治療に関わる医師などが連携して、診療科の垣根を越えた情報交換や意見交換を行うキャンサーボードを定期的に開催しています。
これにより、実際の癌治療でも複数の診療科や専門医が連携して、個々の患者の受胎を把握した上で様々な治療法を組み合わせる集学的治療を実践しています。
成田赤十字病院の放射線科では、放射線を使用した検査や診断、IVR（画像化治療）などを行っており、あらかじめ各種画像検査・画像診断を行った上で患者の状態を分析し、患者への肉体的負担を低減した低侵襲治療プランを考案しています。
IVRは患者に対してCTや血管造影、エコー検査など複数の画像診断技術を活用し、リアルタイムで体内の様子をモニタリングしながらカテーテルや針といった治療器具を使って病巣へアプローチする治療法です。
成田赤十字病院ではIVRを通常の治療法として行っている他、産科出血など突発的に発生する危機やリスクに対しても緊急的に実施しています。
IVR（画像下治療）では血管塞栓術、血管拡張術、膿瘍ドレナージ、各種生検などを担当しています。放射線科では正確な画像診断に基づき低侵襲での治療が可能です。
引用元：成田赤十字病院放射線科
https://www.narita.jrc.or.jp/department/hoshasenka/index.html
成田赤十字病院では令和5年に放射線治療装置を含めた医療機器の環境をアップデートしており、高精度放射線照射装置（リニアック）を活用した放射線治療の積極的利用を進めています。
また、放射線治療としては癌患者の癌を治すために行う根治的放射線治療を提供している他、手術を受けられない患者や転移癌・再発癌の患者などで標準治療が困難な人に対して、緩和ケアを目的とした緩和的放射線治療も実施。成田赤十字病院の緩和的放射線治療は終末期医療としてだけでなく、幅広い治療段階で活用されており、患者のQOL向上をサポートする治療プランに組み込まれています。
放射線治療は、がんを治すために行う根治照射（根治的放射線治療）の印象が強くありますが、一方で痛みなどのがんによる症状を和らげるために行う「緩和照射（緩和的放射線治療）」があります。この治療は、終末期に限らず様々な段階で行われており、患者さんのQOL（生活の質）向上に効果が期待でき、当院では主治医や緩和診療科、緩和ケアチームと連携して積極的に実施しています。
引用元：成田赤十字病院放射線科
https://www.narita.jrc.or.jp/department/hoshasenka/index.html
成田赤十字病院には千葉大学医学部付属病院との連携協力機関として肺がん治療センターが設置されており、患者の肺機能の温存を目標とした低侵襲な手術を積極的に採用しています。
低侵襲手術の方法として、完全胸腔鏡下手術やHybrid胸腔鏡下手術が採用。例えば後者においても大部分の症例において切開創は6～10㎝と小範囲に抑えられていることが特徴です。
標準治療として実施される肺葉手術も低侵襲性が追求され、高齢患者でも手術翌日には歩行できることもあるようです。
術後肺炎に関しては理学療法士との連携や禁煙ケアの徹底などを行うことで、COPD合併肺癌患者へのサポート環境を強化した結果、術後肺炎リスクを低減を目指しています。
禁煙の徹底と理学療法士の方々のご協力によるCOPD合併肺癌患者さんに対する気管支拡張薬投与、術前の呼吸器、運動リハビリを行うようになり術後肺炎もほとんどいなくなり、10日間程度の入院で、皆様元気に退院されています。
引用元：成田赤十字病院肺がん治療センター
https://www.narita.jrc.or.jp/department/haiganchiryocenter/index.html
前立腺癌や小径腎癌に関する外科治療では、手術支援ロボット「ダビンチXi（インテュイティブサージカル社）」を活用したロボット支援手術を実施しています。
腹腔鏡手術の低侵襲性と、開腹手術の治療効果を同時に追求できる治療法として採用しており、人間の手の可動域を超えたロボットアームを3Dデジタル高精細カメラと併用することで、高精度な外科的手技を実現していることがポイントです。
人間の手が無意識に発生させる手ぶれなどもロボットシステムが感知して補正・防止するため、精密な執刀が求められる症例であっても正確性を追求できることは強みでしょう。
「ダビンチ」を使った手術は腹腔鏡手術の一種で、大きな切開をせずお腹に数ヶ所穴を開け、そこに内視鏡カメラや微細な手術用鉗子を差し込んで手術を行います。医師は操作席に座り、カメラで写し出された腹部内や患部の3D画像を見ながら手元のコントローラーでロボットアームを遠隔操作して手術を行い、ロボットは医師の手の代わりとなり、細かな動きをして医師の技術をサポートします。
引用元：成田赤十字病院｜「ダビンチ」によるロボット支援手術
https://www.narita.jrc.or.jp/department/hinyokika/daVinci.html
成田赤十字病院で放射線治療を受ける流れについてまとめました。
放射線治療専門医が、各種画像診断結果と患者の癌の状態などを総合的に分析して適切な治療プランの策定を行います。また、根治的放射線治療でなく緩和的放射線治療や化学放射線療法といった目的で放射線照射を行う際には、他の診療科のドクターや専門チームと合同カンファレンスも実施します。
放射線治療の回数や期間、照射部位などをまとめて放射線治療計画を策定。治療計画に則って治療は進められます。
放射線治療はX線や電子線を利用して、目的の癌へダメージを与えながら治療効果を追求します。また適宜、画像診断などを実施して、治療計画の通りに癌の退縮が起きているかといった治療効果の検証を行うこともポイントです。なお、放射線科外来では放射線治療の実施日が指定されている点に注意してください。
予約は院内の他の診療科や地域の医療機関などから受け付けており、患者自身が放射線科に直接予約することはできません。予約受付は平日の午前8時半～午前11時の間。、成田赤十字病院が用意している所定のFAX診療申込書に必要事項を記入して、医療機関からFAXします。
標準治療をベースとした保険適用の治療を行っており、治療費についてはあらかじめ医師などに相談して確認してください。なお、初診時に紹介状を持参しなかった場合、初診時選定療養費として税込7,700円が別途請求されます。
| 成田赤十字病院 | |
|---|---|
| 診療科目 | 内科、消化器内科、循環器内科、血液腫瘍内科、外科、消化器外科、乳腺外科、整形外科など |
| 診療時間 | 8:30～11:00 |
| 休診日 | 土曜日・日曜日・祝日・年末年始 |
| 所在地 | 千葉県成田市飯田町90番地1 |
| 電話番号 | 0476-22-2311 |
| ベッド数 | 710床（一般653床・精神50床・感染症7床） |
| 年間治療患者数 | 年放射線治療（令和4年度） 新規症例数：134件、照射数：2,872件 |
| 対応可能な治療方法 | 手術治療、放射線治療、化学療法 |
| 設備 | X線CT（MDCT）3台、MRI（1.5テスラ）2台、ガンマカメラ1台、血管撮影装置2台、放射線治療装置（リニアック）1台、ダビンチXi（インテュイティブサージカル社）など |
| URL | https://www.narita.jrc.or.jp/ |
