このページでは、塩分の過剰摂取や日本食に多い塩蔵食品と、癌の発生リスクとの関係性について分かりやすく解説していますので、食生活改善の参考としてご活用ください。
健康的な食生活やライフスタイルが病気リスクの軽減に有効であることは一般的に認知されていますが、一方で塩分の摂り過ぎによる健康被害や病気のリスク増大についても世界中で研究が進められています。
日常的に塩分を摂り過ぎることで、生活習慣病の1つである高血圧症のリスクを上げることが示唆されており、さらに脳卒中や心筋梗塞といった循環器疾患のリスクを高めることも無視できないポイントです。
また、過剰な塩分摂取や塩蔵食品の摂取は胃癌リスクを高めるとされており、特に食塩摂取量が多い男性において胃癌リスクが大きいことは無視できません。加えて、塩分濃度の高い塩蔵食品として、塩辛やいくらの醤油漬けなどを日常的に食べているグループでは、男女の性別に関係なく胃癌リスクが高まるという研究結果も報告されています。
参考元:国立研究開発法人国立がん研究センター癌対策研究所予防関連プロジェクト|塩分・塩蔵食品と、がん・循環器疾患の関連について
1995年から2004年までの期間、岩手県から沖縄県まで各地の9保健所が共同し、食生活と癌リスクや循環器疾患リスクとの相関性について8万人規模の追跡調査を行いました。
報告によると、塩分の摂取量に比例して循環器疾患のリスクが高まっているという結果が得られており、また塩蔵魚類や魚卵といった塩蔵食品の摂取量に比例して、胃癌などの癌リスクが高まっているという結果が得られています。
追跡調査の結果、塩分の単純摂取だけでなく、塩蔵食品の製造過程において生成されるニトロソ化合物が、胃癌リスクを上げている可能性が示唆されました。
参考元:国立研究開発法人国立がん研究センター癌対策研究所予防関連プロジェクト|塩分・塩蔵食品と、がん・循環器疾患の関連について
塩分の摂取量が循環器疾患のリスクを高める可能性があることは追跡調査で確認されたものの、塩蔵食品の摂取量がそのまま循環器疾患のリスクを上げていたわけではない点も重要です。
このことから、魚介類を使った塩蔵食品には、塩分だけでなくDHAやEPA、カリウムなどの栄養素も含まれており、それらが全体的に相互作用して循環器疾患のリスク増大へ直結していない可能性が指摘されています。
ただし、根本的に塩分量が増えることで高血圧症や循環器疾患のリスクが高まることは知られており、塩蔵食品だからといって問題を無視して良いということにはなりません。
健康なイメージのある和食ですが、日本文化にはそもそも醤油や味噌、漬物など塩分の含有量が多い食品や調味料が多く、さらに食の多様化や外食産業の発展によって幅広い年齢層で塩分の過剰摂取が危惧されています。
いくら健康に良いと言われても、味気なく美味しくない食事を続けるとストレスが増大して、別の健康リスクが高まる可能性があります。
そのため、多様な食習慣で楽しみながら減塩生活を続けられるよう考えることが重要です。
過度な味付けがなくとも素材の味を楽しめるよう、旬の食材を選ぶことは有効です。
ポン酢やりんご酢など、塩以外の調味料によって味付けをすることも食の多様性を広げます。
摂取した塩分を排出しやすくなるように、ほうれん草やタマネギ、トマトといったカリウムを多く含む食材を摂取することもポイントです。なお、トマトジュースなどでカリウムを摂取する際は、無塩のものを選ぶように意識すると良いでしょう。