いちから分かる癌転移の治療方法ガイド

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独立行政法人国立病院機構 東京医療センター

東京 放射線治療
(サイトイメージ)
引用元:東京医療センター公式HP
https://tokyo-mc.hosp.go.jp/

地域がん診療連携拠点病院として貢献している独立行政法人国立病院機構 東京医療センター

東京医療センターは、全国に47病院あるがんの診療連携拠点病院の一つに指定されている病院です。高度型の地域がん診療連携病院であり、4年に1度国が指定するがん診療拠点病院などのカタチとして、とくに診療機能が高い医療機関として設定されます。低侵襲ロボット支援手術や内視鏡低侵襲手術、高度放射線治療など、幅広い治療法を用意しており、様々な癌の状態に対応できる環境が整った病院と言えるでしょう。

東京医療センターの医師

木下 貴之独立行政法人国立病院機構東京医療センター副院長/がん治療センター センター長

1988年3月に慶應義塾大学医学部を卒業。日本乳癌学会の乳腺指導医・専門医、日本がん治療認定機構の暫定教育医、日本がん治療認定機構のがん治療認定医などの資格を保有し、癌治療に力を入れている医師です。2019年4月より独立行政法人国立病院機構東京医療センターの副院長兼がん治療センター長で乳腺科を務めています。

地域がん診療連携拠点病院として地域のがん診療の発展に貢献するため、手術療法や薬物療法、放射線治療など幅広い治療法を提供。患者一人一人と向き合い、最善の治療が提供できるようにサポートしてくれるでしょう。

目次

東京医療センターの特徴

各がん診療科と密に連携

東京医療センターには、癌治療を専門に担当する「がん治療センター」が設けられています。がん治療センターは各がん診療科である血液内科・呼吸器科・消化器外科・内科・乳腺外科・脳神経外科・放射線科などの複数の診療科を含む診療センターです。さらに各診療科と連携する外来化学療法を行う「通院治療センター」、がんゲノム医療を行う「がんゲノム医療センター」、院内のがん診療の中心的役割を果たす「臨床腫瘍科」、診療を支援する「診療支援部門」から構成されています。

また外来の癌患者の治療連携を強めるために、2021年より入院病棟に「がん治療センター」として、癌治療・支援の機能が全て集約。地域がん診療連携拠点病院として、癌患者を包括的にケアが行える体制を整えています。

東京医療センターの治療方法

放射線治療

外部放射線治療装置(Clinac iX、TrueBeam)による治療

外部放射線治療装置を2台完備しており、病巣周囲の正常な組織への影響を最大限減らした状態で、病巣の形状に合った照射を行う「回転型強度変調放射線治療(VMAT)」が可能です。さらに治療を行う前にX線やCT画像で照射位置のズレを補正して行う画像誘導放射線治療システムを搭載しているのも特徴的で、赤外線カメラによるナビゲーションシステムや治療室に設置したX線撮像システムで構成されるため、ミリにも満たない精度で正確かつスピーディーに照射位置が補正できます。

またTrueBeamは呼吸の動きを監視するという特徴を持った機器で、呼吸のタイミングを見計らって照射でき、単位時間当たりの照射線量が従来よりも3倍となっているため短時間かつピンポイントで照射できる機能も搭載されています。

光学的患者ポジショングシステムも導入し、許容誤差よりも大きな動きが検知されたときは自動的に照射が停止するというシステムもあります。そのため東京医療センターでは特に乳腺の癌疾患に対して、放射線治療の応用を積極的に行っているそうです。

VMATは、回転原体照射を進化させた照射方法であり、IMRTの中に含まれます。VMATは、回転しながらIMRTが行われるため、治療時間が短縮され、患者さんの治療台上での体内の腫瘍の動きによる影響を軽減させることが可能です。

引用元:がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/radiotherapy/rt_03.html

小線源治療

小線源治療とは体内に鉛筆の芯のような小さな線源を挿入し、放射線を病巣にピンポイントで照射できる治療のことです。東京医療センターではイリジウム192線源を使用した高線量率密封小線源治療装置、ヨウ素125シード線源永久挿入による前立腺がんの小線源療法を実施しています。

イリジウム192線源を活用した高線量率密封小線源治療装置

1ミリほどのサイズのイリジウム192線源を目的の部位に挿入し、人体の内部から放射線を照射できる治療装置を使う治療です。線源を誘導するためのアプリケータが挿入できる部位であれば、どの部位でも治療ができるといったメリットがあります。主に子宮腔内の病巣に対して実施されており、治療計画としてCTやMRIの画像を活用することによって、病巣だけでなく周囲の正常組織のダメージも踏まえた3次元治療計画を立案できる画像誘導小線源治療を実施。

ヨウ素125シード線源永久挿入した前立腺癌小線源療法

東京医療センターでは2003年に国内でも早くヨウ素125シード線源永久挿入での小線源療法を行った実績があります。その後も多くの症例を扱ってきたそうで、どの症例も重篤な合併症は確認されていないとのことです。また前立腺に接している直腸への副作用を予防するために、前立腺と直腸の隙間を広げるためのゲル状の物質を注入し、施術を実施しています。基本的に麻酔を含め、およそ2時間を要する治療です。

小線源治療とは主に、子宮がんや前立腺がん、乳がん、口腔がんに対して行われています。放射線を出す小さな線源を、がん病巣内もしくは近くに挿入して、直接体内から病巣に放射線をあてる治療法です。一般に行われている高線量率小線源治療では、あらかじめ専門の器具を病巣内に挿入し、その器具内にイリジウムという小線源を遠隔操作で挿入して治療します。放射線が届く範囲が狭いためがん病巣に集中して治療できること、がん病巣の位置移動にも追従して精密に治療できることが利点です。

引用元:東京都福祉保健局
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/iryo_hoken/gan_portal/research/gan_qanda/monshin_chiryo/housyasen4.html

先端治療

ラジオ波治療による早期乳癌への治療

AMラジオの周波数に比較的近い波長のラジオ波である医療用高周波電流を癌組織に流し、組織を焼灼する治療法です。このラジオ波による治療は肝臓癌の治療では承認済みで、多くの肝臓癌を患っている患者に活用されています。

大きさが2センチ以下で単発かつ限局している早期乳癌が、ラジオ波の治療の適応条件です。この治療を選択することで乳房を切除せずに、乳房の変形も最小限に抑えることができるでしょう。傷口も針穴程度なので、患者の心身の負担も少ない治療法と言えます。ただし熱によって癌細胞を死滅させる治療になるため、皮膚のやけどや施術した部位にしこりが残ってしまうケースも。また乳房内の再発をきたしていないかも確認する必要があるでしょう。

東京医療センターの施術について

東京医療センターで放射線治療を受ける流れについてまとめました。

放射線治療の流れ

受付

放射線治療を受ける前に日常生活や就業状況、通院方法などについて問診票を活用しながら、看護スタッフが個別に確認します。その際、診療日時などの相談も行いましょう。

診察

放射線治療医が診察を行い、検査結果などを総合的に判断し検討した治療方法について具体的に説明をしてくれます。癌の特徴や、心身状況なども考慮し説明してくれます。一般的に照射は数週間にわたり、平日毎日実施しますが、状況次第では1回や数回で終わるケースも。専門の看護師が個室で病状や治療に関しての相談・質問に対応しているため、気軽に質問しやすい環境になっています。経済的なことに対しては、がん相談室のスタッフが対応。

治療計画

放射線を照射する前に、体位や方向、範囲を決定していきます。計画に従って固定する道具を作成し、CTやMRIの撮影を実施。万が一のミスを防ぐために、写真撮影も行います。治療部位に対しては、消えにくいペンでマークを付け、照射部位によっては呼吸を調整してもらうケースも。計画CTを撮影した後に帰宅するという流れです。その後、スタッフが治療計画を作成し、義歯が商社の準備を実施。治療の途中で計画を見直すこともあります。

治療

計画に従って、治療台に寝て、照射位置を正確に定めた状態で照射を開始します。痛みを感じることはほとんどありません。部位によっては息止めなどの練習を行うこともあるでしょう。治療の期間中は看護師が体調を確認し、体調に合わせて医師による診察を行い、副作用や不安なことなどを相談することも可能です。

経過観察

放射線治療が終了すれば、数か月に1度のペースで放射線治療医の診察を数年間継続して行い、病状や再発、後遺症などを確認します。数年間受診していないケースでも後遺症や再発などを疑う症状が現れたときは、受付に問い合わせると良いでしょう。

予約方法

基本的に地域の医療機関からの紹介状を用意し、外来受診する前に予約センターに連絡。都合のいい日時で予約を取得しましょう。

治療費について

記載なし

東京医療センターの基本情報

独立行政法人国立病院機構 東京医療センター
診療科目 総合内科・脳神経内科・外科・産婦人科・がん治療センターなど
診療時間 【受付】月曜~金曜:8:30~11:00
休診日 土曜・日曜・祝日・年末年始
所在地 東京都目黒区東が丘2-5-1
電話番号 03-3411-0111
ベッド数 740床(※総病床数)
年間治療患者数 不明
対応可能な治療方法 手術治療、放射線治療、化学療法、薬物療法
設備 外部放射線治療装置、高線量率密封小線源治療装置など
URL https://tokyo-mc.hosp.go.jp/