二次がん(二次性発癌)とは聞き慣れない言葉かもしれません。わかりやすくいうと、抗がん剤や放射線治療で正常な細胞がダメージを受け、治療後数年から数十年後という長いスパンで元々のがんとは別の種類のがんや白血病を発症するのが二次がんです。
二次がんは元々のがんと異なるので、原因も違います。それを正しく理解しておけば発症リスクを軽減させるのに役立つでしょう。
がんサバイバーにとって重要な二次がんの情報をここでお伝えしていきます。
治療が上手くいったとしても、二次がんに対する不安が消えることはありません。しかし、早期発見ができるとすればその不安も少しは和らぐのではないでしょうか。
大切なのは、まず自分が受けてきた治療内容を把握すること、がんの症状について理解すること、そして何より定期的な検査をしっかり受けることです。
具体的なデータはまだ多くありませんが、二次がんを発症するかどうかは治療を受けたときの年齢や治療内容、遺伝子の構造や家族歴などさまざまな要因があります。
ただ、そういったリスクが高いとしても必ず二次がんを発症するわけではありません。実際に二次がんを発症する人の数はそれほど多いわけでなく、それを理解したうえで、具体的な発症リスクについて押さえていきましょう。
元々のがんの種類は二次がんの発症リスクに関係する可能性があります。一般的ながん治療には抗がん剤や放射線治療が必要ということもありますが、二次がんがそうした治療の影響で発症するかどうかはまだ明らかではありません。
また、元々のがんと二次がんに共通した根本的な原因や環境要因、遺伝的要因といったリスクがあるという考え方もあります。
若年者は高齢者に比べ、抗がん剤や放射線治療の影響による二次がん発症のリスクは高くなると考えられます。単純に年齢が若いために二次がんのリスクにさらされる期間が長くなるということもあります。
がんにかかったことがない人でも、加齢とともに発症リスクは高くなります。がんサバイバーの二次がん発症の研究は進んでおり、そのリスクを軽減させる治療法の開発も試みられています。とはいえ、一般的には健康的な生活習慣が発症リスクを抑えることは間違いないでしょう。
喫煙や過度の飲酒、運動不足やバランスの悪い食生活など、こうした生活習慣は元々のがんはもちろん、二次がんの発症リスクになる可能性が高いといえます。患者さん自身で発症リスクを軽減できる唯一の方法が生活習慣の改善です。
こうしたリスクがなかったとしても、二次がん発症の可能性をゼロにすることはできません。二次がんのリスク要因は非常に複雑なため、自身のがんの種類や受けてきた治療、そして二次がんのリスク要因について主治医と話し合っておくことをおすすめします。
がんの症状を理解することは、二次がんの早期発見にとても役立ちます。二次がんの発症を抑えられないとしても、診断が早ければ治療も成功する可能性が高くなります。中には自覚症状がないがんもありますが、だからこそ定期的な検査は欠かせません。
二次がんの症状はさまざまですが、例を挙げると排便や排尿習慣の変化、継続する痛み、身体各部のしこり、ひどい咳、倦怠感などです。もちろん、このような症状があるからといって必ず二次がんを発症したわけではありません。しかし、気になる症状がある場合は早めに主治医に相談することが大切です。