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陰茎がんの症状や転移、治療法について

陰茎がんの症状や治療方法についてまとめました。

陰茎がんとは

男性の陰茎部分に発生する陰茎がん。日本では10万人に0.2人程度の確率で発症する稀ながん(※2022年8月調査時点)です。60歳台の発症が多く見られます。発生部位が陰茎であるため、誰にも相談できずに放置してしまった結果、進行した状態で受診する方が多いようです。

発症率が低く、大腸がんや胃がんと比べて認知度がないので、発症要因の詳細なデータが充分ではありません。ただ、新生児期に包皮切除を行なう国では発生率が低いため、包茎や亀頭包皮炎などが原因だと考えられています。

※参照元:がん研究会 有明病院/陰茎がん

陰茎がんの症状

陰茎がんの初期段階は、痛みを伴わないため見逃しがちです。陰茎の皮膚から発生し、おできのようになるものと、皮膚が赤くなって深部に浸潤していくものがあります。

陰茎のおできや赤みを放っておくとがんが進行してしまうのです。がん細胞が海綿体や尿道にまで広がると、排尿の異常をきたします。

また、がんの発見が遅れると鼠径部(そけいぶ)のリンパ節に転移することも。太ももの付け根が腫れ、リンパの流れが悪化して足がむくむようになります。

初期段階である陰茎のおできや赤み、排尿時に痛みがあれば、すぐに診察を受けましょう。

陰茎がんの治療

陰茎がんでは、放射線療法・外科療法・化学療法の3種類の治療方法が用いられます。がんの進行状態によって治療方法が変わるようです。

がん細胞がまだ進行していない初期段階の状態では、放射線療法で治療を行ないます。放射線によってピンポイントでがん細胞を死滅させることが可能なので、メスを使う外科療法に比べると、陰茎への影響が少なくて済むのが特徴です。

また、手術でがん細胞を取り除いた後、患部に残っている小さながん細胞を除去する際にも用いられることがあります。

外科療法では、陰茎の患部と一緒にがん細胞を切除。がんがリンパ節にまで転移している場合は、リンパ節の切除も行ないます。

患部を切除するため、術後は陰茎が短くなるケースもあるようです。がんが進行して広範囲に広がっている場合は、陰茎の根本からの切除となります。陰茎がなくなると性交・排尿などに支障が出るため、治療後に人工的な陰茎を形成するそうです。

化学療法では、5-フルオロウラシル(5-FU)を配合した軟膏を患部に塗布。がん細胞が皮膚まで浸潤した初期段階の場合に用いるようです。進行がんや転移がんの場合は、強い薬を併用して治療します。