癌の標準治療の進化を追求する順天堂医院
順天堂医院は順天堂大学医学部付属の医療機関であり、総合病院として地域の人々の健康を支えているだけでなく、治験センターを設けて癌治療の臨床研究や評価などにも取り組んでいます。癌治療としては手術支援ロボットを活用した低侵襲治療や、高精度放射線治療装置を使った放射線治療、腫瘍内科を設けて癌治療の専門家が主導する化学療法やゲノム医療といった、従来型の標準治療の品質を追求した治療プランを色々と取り扱っており、幅広い癌患者に対して治療の可能性や集学的治療プランを提案しています。
順天堂医院の放射線科は診断部門と治療部門の2本柱で構成されており、鹿間医師は治療部門を統括する医師です。医学的根拠が認められている標準治療を主軸として、定位放射線治療や強度変調放射線治療といった高精度放射線治療を取り扱っており、患者ごとの状況に応じてオーダーメイドの治療プランを提案します。また、その他にも小線源治療や緩和的放射線治療も担当しており、早期癌から末期癌まで様々な癌患者のための放射線治療を実施していることがポイントです。
下記のような複数の認定を受けていることも見逃せんません。
順天堂医院では癌治療の中心に標準治療が据えられており、外科治療・放射線治療・化学療法の3本柱が主軸として考えられています。しかし、同時に従来型の治療だけでなく先進治療や新しい治療法の研究・開発にも取り組んでおり、常に患者のためを考えて医学的根拠にもとづいた高品質な治療の探求が目指されている点も特徴です。
そのため、専門人材の育成はもちろん、医療環境の拡充や医療機器の導入も積極的に行われており、手術支援ロボットや高精度放射線治療装置といった専門機器が活用されていることは強みです。
強度変調放射線治療とは、あらかじめ癌患者の体内にある癌に対して精密画像診断を実施し、事前に取得した癌のサイズや形状、位置などに合わせて放射線照射の強度を可変させる治療システムです。
腫瘍に対して必要量の放射線を照射しつつ、同時に最小限の照射量で患者に対するため、健康な細胞や周辺の臓器への被曝ダメージを抑えながら癌の治療効果を追求できます。従来型の放射線照射と比較して副作用のリスクが低く、治療効果は高いとして二重のメリットを期待できる保険適用治療です。
放射線治療は全身のがん患者さんに対する放射線治療全般を多数行っています。当科の放射線治療医は各々が全般的な治療を行うとともに、専門分野のがんに対して診療を行っていますので、各種がんに対して専門的な放射線治療を受けることが可能です。また、病変への放射線治療を行うにあたり、周囲の正常臓器への照射をなるべく避けるような精度の高い治療法を積極的に行っています。
引用元：順天堂医院公式サイト
https://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/hoshasenka/about.html
定位放射線治療とは、ターゲットとなる腫瘍組織に対して、患者の周囲を放射線照射ヘッドが移動して複数方向から低レベルの放射線を分散照射する放射線治療です。
個々の放射線は強度が低く抑えられており、患者の健康な肉体にダメージを与えませんが、目的となる腫瘍組織において全ての放射線が収束することで癌細胞を攻撃するために十分量の放射線強度を獲得できます。
実際の治療時はリアルタイムの3次元画像診断装置を活用して、患者の体内の癌を追跡しながら放射線照射を行えるため、さらに周辺臓器への悪影響をコントロールしやすいことも特徴です。
従来型の放射線治療と比べて定位放射線治療も低リスクかつ有効性の高い放射線治療だと考えられており、対象となる癌については保険適用で治療を受けることができます。
順天堂医院では、癌の治癒を目指した高精度放射線治療だけでなく、癌の進行を抑制して患者の負担を軽減し、残された人生のQOLを高められるようサポートする緩和的放射線治療も実施されています。
緩和的放射線治療では患者の癌について根治を目指した積極的な治療を行うのでなく、緩和ケアの専門家や他科の医師と連携しながら、患者のライフスタイルの充実とQOLの維持向上を最優先に考える治療プランが提案されることが重要です。
また、放射線治療と化学療法を融合させた放射線化学療法など、複数の治療をミックスさせる集学的治療も実践されています。
令和4年1月に順天堂医院では食道・胃外科と消化器・低侵襲外科の統合が行われ、食道・胃外科が新設されました。
同科では患者の消化器系の癌に対して低侵襲かつ高品質な外科治療を提供できるよう、内視鏡手術だけでなく手術支援ロボットを活用したロボット支援下手術が行われています。
ロボット支援下手術では、複数のロボットアームと高精細デジタルカメラを搭載した医療用ロボットを執刀医が操作し。高精度モニターに拡大された術部位をリモート環境で手術することが特徴です。
ロボットには手ぶれ補正や術部位の拡大機能、360度のアーム回転機能など様々な機能が搭載されており、人間の手技では実現困難な作業も行えるようになっている点が重要です。これにより、内視鏡手術と同程度の低侵襲性で、開腹手術と同程度の治療効果を期待できるとされています。
消化器・低侵襲外科は平成27年5月、「より優しく患者さんを治す」外科治療の推進と開発、そして質の高い医療を実践できる外科医の育成を目指し、初代教授に福永哲教授を迎えて開講いたしました。根治性と安全性、そして患者さんのQOLを第一に、迅速かつ積極的に高難度の低侵襲治療に取り組み、術後の患者さんの早期の社会復帰を実現しています。また、一般的には腹腔鏡手術やロボット支援下手術が難しいとされる高度進行胃がんに対する化学療法後のConversion surgeryや食道浸潤例や食道胃接合部癌についても、認定医による高レベルな手技により、低侵襲手術の考慮を可能にします。
引用元：順天堂医院公式サイト
https://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/shokudo/about.html
順天堂医院の放射線科では、放射線治療の前に日本医学放射線学会の放射線治療専門医による診察・検査が行われ、放射線治療に対する癌患者の適応性を含めて様々な検討が行われます。なお、通常は院内他科からの要請によって放射線診断が実施されますが、順天堂医院では外来患者の放射線診断や放射線治療も受け付けており、紹介状がなくても外来受診を希望できる点は特徴です。
複数の画像診断と、放射線治療計画用CTを使った3次元シミュレーションの結果にもとづいて、日本医学放射線学会放射線治療専門医らの見解により治療計画が作成されます。
どのような治療計画やプランを選択するかは患者ごとにオーダーメイドで検討され、癌の状態やライフステージ、患者の希望などを総合的に考慮されることが肝要です。
放射線照射の治療期間や回数は治療計画に則って決められ、治療効果の評価がフィードバックされて治療計画の適正性を分析します。なお、放射線化学療法や術後放射線治療といった複合的な治療の場合、その他の治療も並行して実施されることがあるため、さらに患者によってプランニングが複雑化します。
予約は原則的に患者本人からでなく、順天堂医院の他科の医師か、地域のかかりつけ医や医療機関からの申請によって受け付けられます。なお、かかりつけ医がいない人は地域の連携病院などについて相談可能です。
標準治療を主軸とした治療が提供されており、保険適用で治療を受けることができます。
| 順天堂医院 | |
|---|---|
| 診療科目 | 総合診療科、食道・胃外科、腫瘍内科、放射線科、乳腺センター、がん治療センター、化学療法室、緩和ケアセンター、臨床研究・治験センターなど多数 |
| 診療時間 | 平日9:00～16:00 土曜9:00～11:00 |
| 休診日 | 第2土曜日・日曜日・祝日・年末年始 |
| 所在地 | 東京都文京区本郷3-1-3 |
| 電話番号 | 03-3813-3111 |
| ベッド数 | 一般：1,036床、精神：15床 計：1,051床 |
| 年間治療患者数 | 2022年高精度放射線治療実績：434例（強度変調放射線治療：304例、体幹部定位放射線治療：62例、脳定位放射線治療：68例）、 外来患者数：1,052,021人（2022年4月1日～2023年3月31日） |
| 対応可能な治療方法 | 手術治療、放射線治療、化学療法、ゲノム医療、免疫療法、緩和ケア |
| 設備 | 手術支援ロボット、高精度放射線治療装置（リニアック）、CT、MRI、 PET-CTなど |
| URL | https://hosp.juntendo.ac.jp/ |
