いちから分かる癌転移の治療方法ガイド

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自宅で癌のリスクを知る唾液検査とは?

いよいよ時代は、唾液で癌のリスクがわかるところまで来ました。慶応義塾大学先端生命科学研究所から生まれたベンチャー企業・サリバテック社は、先進的なバイオテクノロジーを駆使して唾液で癌のリスクを測定できる検査キットを開発しました。その名は「サリバチェッカー」。2017年の発売以来、約1,000カ所を超える全国の医療機関で導入(2020年7月時点)されています。

癌のリスクを手軽に測定

唾液には身体の中で生成される代謝物が多数含まれており、これらの中には癌細胞で特異的に濃度が上がる複数の物質が存在します。それを専用の測定装置で分析したうえでさらに人工知能で解析し、臨床研究データと照合して癌のリスクを評価するのがサリバチェッカーのメカニズムです。

血液検査などと違って痛みや負担もなく検査できるので、定期的なセルフチェックに適したスクリーニング検査だといえるでしょう。

なぜ唾液検査が有効なのか

唾液は「身体の鏡」と呼ばれることもあるほど、血液や尿と同じように健康状態を示す多くの情報が含まれています。

唾液の成分の大半は血液由来です。癌細胞が増殖して生み出されたポリアミンなどの代謝物は血液を通じて唾液中にしみ出しますが、サリバチェッカーはこれらの代謝物を分析・解析するのです。

なぜ血液ではなく唾液を使うのか

サリバチェッカーの開発元であるサリバテック社では、代謝物の研究を進める中で血液や尿、唾液など人体から採取できるものを調べ続けてきました。その結果、健康な人と癌患者さんを比較した場合にもっともデータに有意差がみられたのが唾液だったとのことです。

加えて唾液は血液検査や尿検査のような負担がなく、どこでも採取することができる利便性の高さがあります。検査を受けやすく、早期発見を目指すうえで血液や尿よりも有利だと考えられました。

唾液検査は癌だけではなく、生活習慣病や心疾患などさまざまな病気のリスク測定に役立つ可能性が示唆されています。

サリバチェッカーの特徴

唾液を採取するだけなので、簡単で痛みもありません。身体的にも気持ち的にも負担を感じずに、複数のがんのリスクをチェックできます。

唾液だけで手軽に検査

サリバチェッカーは、少しの唾液をストローで容器に取るだけです。時間もたったの数分で済みます。血液検査のような痛みもなく、検査の後で体調を崩すこともないでしょう。その点では安心して検査を受けられます。

複数のがんのリスクがわかる

サリバチェッカーは、1回の唾液検査で膵臓癌、肺癌、大腸癌、乳癌、口腔癌の5種類のリスクを調べることができます。もちろん、癌の種類ごとにリスクを測定します。

現在のリスクがわかる

サリバチェッカーは遺伝子検査のような生涯を通じた遺伝的可能性の検査ではありません。あくまでも検査を受けた時点の身体の代謝物と臨床研究データベースに基づいて算出された、リアルタイムの癌のリスクがわかるのです。

検査結果はグラフやチャートで示されるので、何度も受けることで定期健康診断のように経時的な変化も管理することができます。

唾液検査の流れ

サリバチェッカーは、申し込みから結果通知まで最寄りの医療機関が窓口になります。

感染症が気になり「自宅で検査がしたい」という方には、自宅用の検査キットを注文すれば医療機関の窓口へ足を運ぶことなく唾液検査ができます。※「検査結果」は1か月以内に医療機関から通知されることになるようです。

検査の申込み

サリバチェッカーを受けることができる医療機関で、検査の申し込みを行ないます。

唾液の採取

医療機関で唾液を採取しますが、その際には食事制限などの注意事項があります。

まず、検査の2日前から豆やナッツ類、シジミが原料のサプリメントや健康食品の摂取を控えなければなりません。豆腐や納豆など、豆を主原料とした食品も同様ですが、しょうゆやみそなどの調味料は問題ありません。

検査前日は21時以降の飲食、薬の服用を避けます。検査当日も同様で、ガムや飴、うがい薬の使用、喫煙もいけません。

検査結果の通知

衛生検査所で唾液成分を測定します。およそ2~3週間で医療機関に結果が届きますが、本人に通知されるまでの期間は医療機関によって異なります。

もし癌のリスクが高いという結果が出た場合は、検査を受けた医療機関に相談しましょう。リスクが低い場合でも、定期的にサリバチェッカーを受けて癌のリスクの状態を確認するのがおすすめです。

こんな人におすすめ

サリバチェッカーは、次のような人におすすめの検査です。