放射線治療の費用目安

「放射線治療が必要」と医師から選択肢を提示されても、そもそもいくらかかるものなのかわからないと、患者さん本人もご家族も答えが出せないものです。こちらでは、さまざまな放射線治療における費用目安をまとめます。

放射線治療の費用目安

放射線治療の費用は、使用する放射線の種類や治療の方法、必要な治療回数などによって決定します。治療のための準備費用と日々の治療に要する費用に大別されますが、放射線治療は高度かつ複雑な技術を要するため、治療回数が多くなるほど費用も高額になります。また、保険適用かどうかによっても費用は大きく変わってきます。

放射線治療の費用に含まれているもの

保険適用の放射線治療であれば、診療報酬に定められた保険点数に基づき、それぞれの患者さんの健康保険の負担割合によって自己負担額が決まります。

放射線治療の種類やがんの大きさ、部位などによっては自由診療扱いになります。医療機関によって異なりますが、多くの場合は治療計画にかかる諸費用、照射の費用、がん細胞の放射線感受性を高めるため必要に応じて投与される増感剤の費用などが治療費に含まれます。

治療内容によって費用は変わるの?

放射線治療は、その内容によって保険適用される治療もあれば、自由診療となる治療もあります。自由診療の場合は、医療機関ごとに治療費が変わってくるので事前の確認が大切です。

以下に、治療内容ごとの大まかな費用の目安をまとめました。

定位放射線治療(サイバーナイフ・ガンマナイフ)

サイバーナイフやガンマナイフといった定位放射線治療は、定額制の保険適用治療となっています。同時に治療する部位の数や治療回数にかかわらず、3割負担で約200,000万円が大まかな目安です。このほか、検査や診察に要する費用は別途かかります。

強度変調放射線治療(トモセラピー)

トモセラピーは限局した固形がんであれば保険適応となり、1部位につき1回30,000円です。このほかに放射線治療管理費などがかかりますが、例えば健康保険3割負担の患者さんで35回の治療が必要だと仮定すると、自己負担額は約400,000円が大まかな目安となります。

保険適応外のトモセラピーを受ける場合は全額自由診療となります。東京都のクリニックC4の場合、トモセラピー治療費は定額制で1,930,000円、治療計画費が570,000円で、このほか初診・初回相談料や再診料が都度かかります。クリニックC4でトモセラピーを受ける際は、少なくとも2,533,000円が必要です。

※参考元:クリニックC4「治療費について - 当院のがん治療」https://cccc-sc.jp/treatment/cost.html

粒子線治療(陽子線治療・重粒子線治療)

現在のところ、以下の疾患に対する陽子線治療は保険適応となっています。

  • 転移のない前立腺がん
  • 手術による根治が困難な骨軟部腫瘍
  • 頭頚部がん(口腔・咽喉頭の扁平上皮がんを除く)
  • 限局性の固形小児がん

また、同様に以下の疾患に対する重粒子線治療も保険適応となっています。

  • 前立腺がん
  • 頭頚部がん(涙腺がんや悪性黒色腫を含む)
  • 骨軟部腫瘍

上記以外については先進医療扱いとなり、治療費は全額自己負担となります。陽子線治療、重粒子線治療のいずれも約3,000,000万円が大まかな目安です。

密封小線源治療

前立腺がんの密封小線源治療を例に挙げると、線源も含めてすべて保険適用となります。挿入する線源の数によっても多少変わってきますが、治療そのものの費用は300,000~400,000円程度となり、入院料を含めても約1,000,000円が大まかな目安です。健康保険3割負担の人であれば、自己負担額は約300,000円ということになります。

アイソトープ内服療法

アイソトープ内用療法は放射性ヨード治療とも呼ばれ、放射線を出すヨウ素のカプセルを内服し、甲状腺ホルモンの産生を抑える治療法です。治療は1時間程度で済み、入院も不要です。

費用は、健康保険3割負担の人で約30,000円が大まかな目安となります。

汎用型高精度放射線治療(トゥルービーム)

汎用型高精度放射線治療とは、短時間かつ高精度な定位放射線治療や強度変調放射線治療を指し、トゥルービームはその治療装置の名称です。呼吸などによって動く臓器を追尾する機能が搭載されているので、患者さんは呼吸を止める必要がなく、ストレスの少ない治療を可能とします。線量が高いので治療時間も短縮され、治療中の画像撮影を行なうことで精度を高く保てるなど、メリットの多い治療法です。一般的に、治療費用は定位放射線治療や強度変調放射線治療に準じたものになるでしょう。

放射線治療の流れ

それでは、実際の放射線治療の流れについて説明しましょう。

放射線科医師の診察と説明

主治医から放射線治療を勧められた場合、その詳しい説明や治療の可否についての判断を受けるため放射線科医師を紹介され、診察を受けることになります。放射線科医師はがんの進行の程度や身体の状態、これまでに受けた検査や治療の内容などから、放射線治療を受けられるかどうか、受けられるのであればその目的や方法、治療期間、期待できる治療効果、起こりうる副作用などについて検討し、その内容を患者さんに説明します。

放射線医師から提示された治療を受けることについて患者さんが同意すると、次は治療計画を立てるためのシミュレーションを行ないます。

治療のシミュレーション

次に、実際に治療を受ける際と同様のベッドに横になってX線検査やCT検査を受け、治療範囲や姿勢、放射線照射の方向などを決めていきます。呼吸状態を測定した上で身体と治療機器が接触しないように確認し、皮膚の表面に目印を付けるマーキングも同時に行ないます。これらの作業は、多くの場合はCTシミュレータを用いて綿密に検証され、治療の安全性を高めていきます。

また、放射線治療は毎回同じ姿勢を再現することが重要です。体位を固定するため、照射部位によっては患者さん一人ひとりに合わせた固定具を製作する場合があります。

治療計画の立案

治療計画システムを利用しながら、照射部位や方向、そしてどのくらいの放射線量を何度に分けて照射するかを検討し、治療計画を立てていきます。その際にはがんそのものの部位や、がん細胞が残っている可能性がある部位、正常な組織の部位、それぞれの照射線量分布を綿密に計算する必要があります。

そうして治療の目的や全身状態などを考慮し、適切な治療方法が決定されます。

治療

治療は放射線治療室で行なわれます。初回の治療は照射部位の位置合わせや確認作業などに時間を要する場合がありますが、一般的な放射線治療であれば2回目以降は10~20分程度で終了します。実際に放射線が照射される時間は数分だけで、痛みを感じることはありません。

シミュレーションの際に固定具を製作した場合は、毎回正確に同じ姿勢が取れるようにこれを使用します。

治療期間中について

多くの患者さんが通院で放射線治療を受けられるので、普段どおりの日常生活を送ることが可能です。通常は月曜から金曜まで週5日間の治療を、何週かにわたって続けます。どのくらいの期間を要するかは、治療の目的などによって変わってきます。

治療期間中は照射位置の確認を定期的に行ない、週1回程度は医師の診察を受けることになります。医療スタッフも患者さんの体調確認や観察を行なっているので、変化を感じた場合は伝えるようにしましょう。

また、放射線治療はその回数や期間が治療効果に直結します。例えば、予定回数の半分しか治療を受けなかったとすると、治療効果はほとんど見込めません。予定された治療期間の途中に休止期間があっても、治療効果は弱まります。体調が良くなったからといって、自己判断で治療を中断してはいけません。

   
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