咽頭がんは50~80代の男性に多いがん(※)です。喫煙によりリスクが高まり、咽頭がんを発症している人の90%以上が喫煙者だといわれています。咽頭がんを発症した場合、どのような症状が起こるのでしょうか?こちらのページでは、症状・治療方法・痛み・転移について詳しく解説しています。
※参照元:国立がん研究センターがん情報サービス/年齢階級別罹患率【喉頭 2018年】
咽頭がんの初期症状はのどの違和感、軽い痛みがありますが、激しく痛むなどの強い症状はでません。 がんが大きくなるにつれて、食事が喉を通りにくい・息苦しいなどの症状が出てきます。
咽頭は鼻の奥から食道にかけてある食べ物や空気の通り道で、3つの部位に分けることができます。それぞれ、上咽頭・中咽頭・下咽頭と呼び、部位別にできるがんを上咽頭がん・中咽頭がん・下咽頭がんと呼びます。
上咽頭がんの場合、耳と鼻を繋ぐ耳管に症状が出やすくて、片耳の閉塞感や鼻づまり、鼻血でがんだと気づかれることが多いです。中咽頭がんの場合は片側の扁桃腺に腫れ、下咽頭がんは声のかすれが症状として出現。
咽頭がんは早期の発見が難しいとされてきましたが、内視鏡の技術進化によって非常に小さながんも発見されやすくなってきました。
日本では咽頭がんを含むがんの治療に、外科手術が優先されます。がんの状態によっては、抗がん剤、放射線を組み合わせておこなわれることも。
咽頭の腫瘍が大きくなると、治療に伴って食べる・話す・呼吸するなどの機能性の低下は避けられません。
機能性を維持するために、病院によっては機能性再建手術を取り入れているところやがん病巣だけをとらえることができる放射線治療をおこなっている病院もあります。治療を受ける際の病院選びは慎重に行ないましょう。
咽頭がんはのどのイガイガ感や異物感、食べ物を飲みこむ際に痛みが生じます。がんが進行して行くと耳に痛みがでてきます。咽頭には扁桃腺があるため、扁桃腺が腫れて痛みがでることも。
痰に血液が混じることもあります。がんが進行して骨に浸潤すると、刺す・切るような痛みや痛覚に痛みを伝える神経に損傷が起きて神経障害性疼痛が起こることも。もしも1ヶ月しゃがれ声が続くようであれば、病院に受診して診断してもらうことが大切です。
転移とはリンパ液や血液の流れにのって癌細胞がほかの臓器に移動して増殖する状態のことをいいます。
リンパ節に転移したがんのことをリンパ節転移とよび、咽頭癌では頸部リンパ節への転移が多いです。もしも頸部リンパ節への転移が確認された場合は、頸部郭清術が必要。
頸部郭清術とは、リンパ節とリンパ管および周辺組織を含んだ部位を切除することです。ほかにも放射線治療がおこなわれることもあります。