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癌の罹患率と地域ごとの特性

沖縄県が癌患者の少ない長寿県として一般的に認知されているように、癌の罹患率と地域の特性との間に関連性があると考える人もいるでしょう。

そこで、このページでは地域ごとの癌の罹患率や、地域差が生じる原因などについて詳しく考察していますので、ぜひ参考にしてください。

がん登録推進法による癌患者の届出

癌患者の報告が法的に義務づけられている

かつては癌患者に関する報告が任意とされており、全国の診療所や病院ごとに国や国立がん研究センターへ癌症例の件数などを報告するかどうかはまちまちでした。そのため、以前にも癌の罹患率や患者数に関するデータは存在していたものの、必ずしも実態に合致しておらず、統計的な分析に使いにくいことが問題視されていました。

一方、2016年1月に施工された「がん登録推進法」(※)によって、癌患者に関する報告(全国がん登録)が全ての病院や一部の診療所など各医療機関へ義務づけられたことで、現在は全国各地の癌の罹患率や、地域ごとの癌発生部位の特徴などを比較検討できるようになったことがポイントです。

もちろん、社会には未発見の癌患者が潜在的に存在しており、必ずしも全国がん登録による集計結果だけで全ての癌リスクや原因を究明できるわけではありません。

※参考元:厚生労働省 がん登録

癌の罹患率が高い都道府県とその理由とは?

癌の罹患率が高い都道府県は?

厚生労働省健康局がん・疾病対策課が発表した「平成30年全国がん登録 罹患数・率 報告 CANCER INCIDENCE OF JAPAN 2018」では、地域別や癌の種類別、性別・年齢別などのカテゴリごとに癌の罹患数や罹患率が報告されています。

そして同報告書において、全部位(上皮内がんを含む)における癌の「粗罹患率(人口10万人当たりの年間がん罹患数)」の上位5都道府県は、以下のようになりました。

  • 第1位:秋田県(1,105.6人)
  • 第2位:青森県(1,049.7人)
  • 第3位:長崎県(1,046.6人)
  • 第4位:島根県(1,043.2人)
  • 第5位:和歌山県(1,008.7人)
  • ※全国(869.3人)

ただし、第4位の島根県と第5位の和歌山県との差は、2位から4位までの差よりも大きくなっています。なお同報告書では秋田県が特に高い癌の罹患率を示していることが報告されました。

参考元:厚生労働省健康局がん・疾病対策課「平成30年全国がん登録 罹患数・率 報告 CANCER INCIDENCE OF JAPAN 2018」[pdf]]

癌の罹患率を高めている理由は?

癌の罹患率が高い理由について、医学的に明確な事実として決定づけられているものはありません。しかし、例えば秋田県では日常的に漬物や塩鮭といった塩蔵食品を摂取していることが知られており、それらの食生活や生活習慣が癌リスクの増加に影響している可能性はあるでしょう。また、秋田や青森といった豪雪エリアでは冬場に雪が積もって外出しにくくなり、運動習慣が他地域に比較して不足するという点も指摘されています。

ただし、長崎県のように東北よりも温かいエリアでも癌の罹患率が高いという結果が出ており、一面的な原因で癌リスクを決めつけることは早計でしょう。

癌の罹患率は性別や部位によっても異なる

重要なポイントとして、上記のランキングはあくまでも「全部位の癌」に関して、「男女の性別や患者の年齢を問わない」という条件で算出されていることが挙げられます。

例えば、男性の癌として知られている前立腺癌に注目すれば、香川県や鹿児島県の罹患率が高くなるという現象が起こります。

また、癌の罹患率はあくまでも医療機関からの報告にもとづいて計算されているものであり、仮に癌の罹患率が高い地域に暮らしているからといって、絶対に自分が癌になるのだと不安を抱くことは禁物です。

癌の罹患率が低い都道府県とその理由とは?

明らかに癌の罹患率が低い地域は「沖縄県」

同報告書を参照すると、癌の罹患率が低かった地域の順位は以下のようになります。

  • 第43位:神奈川県(814.3人)
  • 第44位:埼玉県(794.5人)
  • 第45位:東京都(780.7人)
  • 第46位:愛知県(729.3人)
  • 第47位:沖縄県(653.0人)
  • ※全国(869.3人)

中でも、特に注目すべきは沖縄県でしょう。一般的に沖縄県は日本全国の中でも「長寿県」として知られており、その健康や長寿の秘密が様々な方面で話題になっています。また、愛知県や東京など人口の多い都市部の癌罹患率が少ない理由としては、そもそも分母となる人口の絶対数が多くて比率が下がることも可能性として考えられるでしょう。

参考元:厚生労働省健康局がん・疾病対策課「平成30年全国がん登録 罹患数・率 報告 CANCER INCIDENCE OF JAPAN 2018」[pdf]]

癌の罹患率を抑えられる理由はある?

癌の罹患率が高くなっている場合と同様に、単一の条件や地域特性だけで癌リスクを低減できると言い切ることは危険です。しかし、一方で沖縄県のように、明らかに癌の罹患率が全国的に見て低いとされている地域については、何かしら長寿や健康へ好影響を与える理由や秘訣があると予想することにも意義があります。

癌リスクを下げる要因についての可能性

地域特有の生活習慣

沖縄のように、日本でありながら食文化が本州エリアなどと異なる地域に関しては、伝統的な食習慣や生活習慣が癌リスクの低減へ働いている可能性もあります。

積極的な癌検診と健康管理

労働人口の多い都市部では企業の福利厚生に対する意識も向上しており、定期検診や健康診断を受けることを企業として推奨しているケースも少なくありません。

また、病院やクリニックが多く、物理的に検診を受けやすいという点も重要です。

癌の罹患率が低い地域の生活習慣を参考にできる?

野菜やビタミンの多い食事

例えば沖縄ではゴーヤチャンプルやテビチ、ラフテーといった独特の料理が有名ですが、ゴーヤや豚肉には豊富な栄養が含まれており、それらが総合的に健康へ好影響を与えている可能性が考えられます。

車社会による運動不足で健康リスクが増えている?

一方、沖縄県民の健康リスクについて、近年はかつての長寿大国といったイメージが脅かされているという報告もされています。

中頭病院リハビリテーション科や沖縄リハビリテーション福祉学院理学療法学科などが県民を対象に行った意識調査によれば、車社会の普及によって運動不足の傾向が高まっており、将来的にきちんとした運動習慣を根付かせる重要性が指摘されていることも見過ごせないでしょう。

参考元:理学療法学Supplement 2006(0), E0365-E0365, 2007 公益社団法人 日本理学療法士協会「沖縄県における運動と健康に対する意識調査」[pdf]

大切なことは地域に限らない健康習慣

地域性を参考にして食習慣や生活習慣を考えることも良いですが、地域性にばかりこだわるのでなく、一般的・医学的に健康とされているライフスタイルを意識しながら、定期的な癌検診などを受けるよう努めることが大切です。

   
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