地域がん診療連携拠点病院として20年超の実績を持つ、君津中央病院
君津中央病院は千葉県木更津市にある総合病院であり、昭和13年に医師8名の小さな病院として誕生してから85年にわたって地域の人々の健康を守り続けてきました。そして2023年には診療科33科、研修医を含めて医師170名という総合病院に成長しており、高精度放射線照射装置や手術支援ロボットシステムといった医療機器の拡充にも取り組んでいます。
また平成14年には地域がん診療連携拠点病院として指定され、その後は20年以上にわたって地域の癌患者を支える癌治療ネットワークの中心的存在になっています。
君津中央病院では放射線治療科として、リニアックを活用した放射線治療を行うための診療科を開設しています。清水医師は放射線治療科(リニアック科)の部長や科長を務めている上、常勤医師として癌患者のための高精度放射線治療を担当しているドクターです。また医務局次長や医務局緩和医療科科長といった役職も兼任しており、根治的放射線治療だけでなく緩和的放射線治療にも力を入れています。
専門医資格や認定医資格を複数取得しており、癌治療に対する放射線治療の専門家であると同時に、進行癌に対する放射線化学療法の臨床研究を行う医学博士として活躍しています。
君津中央病院は地域がん診療連携拠点病院として、癌患者に対する癌治療の提供だけでなく、癌患者や家族からの相談対応や心理的ケア、地域の医療機関と連携した癌治療ネットワークの構築など、多角的な医療サービスを提供していることが特徴です。また、院内にある診療科は部門や部署の垣根を越えて連携しており、癌治療や癌ケアについて複数の診療科の医師やメディカルスタッフが参加する合同カンファレンス(キャンサーボード)を定期的に開催し、情報共有を行いながら新しい治療法の検討や可能性に追求にも力を入れています。
君津中央病院では2021年に放射線照射装置を含めた放射線治療環境を更新しており、3次元高精度放射線治療を実施するための医療機器環境を構築しています。
また、常勤医師である清水医師に加えて、国立がん研究センターの医学物理士や癌患者の主治医らとも連携しながら、放射線治療における安全性や品質の確保・維持に努めています。
3次元高精度放射線治療では、患者が実際に放射線照射を受ける体位で事前のCT撮影を行い、患者の体内の癌を詳細に診断した上で治療計画を構築。根治的放射線治療から緩和的放射線治療まで癌患者の状態や希望に合わせた治療プランを個別に策定できることも強みです。
2021年に放射線治療装置一式を更新しました。3次元高精度治療が可能な治療装置や治療体位のままのCT撮影が可能な大口径の治療専用CT、治療専用の画像サーバー、2種類の汎用性の高い治療計画装置(全部で4台)、治療精度を確認するための特殊な測定器などの性能を生かして、精度の高い放射線治療を引き続き行っています。
引用元:君津中央病院 放射線治療(リニアック)科(地階)
http://www.hospital.kisarazu.chiba.jp/shinryo-shokai/housyasenchiryouka.html
2023年現在、君津中央病院の放射線治療科(リニアック科)は常勤医師が清水医師の1名体制となっており、放射線治療科としての入院治療は受け付けていません。また、癌患者の体内から癌に放射線を照射する密封小線源治療といった治療には対応しておらず、それらの体内照射が必要とされる患者に対しては提携先として国立がん研究センターなどの適切な施設病院を紹介しています。
一方、高精度放射線治療として対応可能な癌の種類は幅広く設定されており、消化管の癌や肺癌、乳癌や婦人系の癌、肝癌・膵癌、前立腺癌、リンパ腫など複数の癌に関して治療実績が認められています。その他にも良性腫瘍や皮膚科との連携に対応していることも特徴です。
2022年症例数(2022年1月~2022年12月):全治療件数は320、新規治療患者数は277。内訳は以下の通りです。頭頚部39(新規29)、消化管(上部・下部消化管)51(新規20)、肺・胸部65(新規46)、乳腺85(新規80)、肝胆膵16(新規13)、婦人科8(新規7)、泌尿器科49(新規48)、リンパ腫・造血器9(新規8)、その他脳外科・皮膚科などご依頼があれば幅広く対応しています。
引用元:君津中央病院 放射線治療(リニアック)科(地階)
http://www.hospital.kisarazu.chiba.jp/shinryo-shokai/housyasenchiryouka.html
君津中央病院では外科治療の品質向上を目的として手術支援ロボットシステム「ダヴィンチ(da Vinci Xi)」を導入。患者への肉体的負担を軽減しながら高品質な治療効果を追求するロボット支援下手術を実施しています。
ロボット支援下手術の適応となる癌症例は複数のものが対象とされており、例えば以下のような症例が提示されています。
加えて、君津中央病院の泌尿器科ではMRIと超音波検査を融合させた3D前立腺生検システムも2022年10月に導入しており、一層の品質向上と低侵襲性の確保が目指されています。
MRI-超音波融合画像による3D前立腺生検システム「BioJet(バイオジェット)システム」を2022年10月より導入しました。これにより、より精度の高い前立腺生検が可能になると考えています。
引用元:君津中央病院泌尿器科(外来22)
http://www.hospital.kisarazu.chiba.jp/shinryo-shokai/hinyoukika.html
食道癌や胃癌などの消化管の癌に対して、特に早期癌の治療では低侵襲性治療を強化するために内視鏡的粘膜抜去(EMR)や粘膜下層剥離術(ESD)といった手術も実施されています。
内視鏡を活用して、従来の開腹手術よりも創傷範囲を小さく抑えることで患者の体へのダメージを軽減。治療時の合併症リスクを抑えつつ早期の社会復帰を目指せます。
また手術のリスク軽減と癌治療の効果向上を目指して、放射線治療と化学療法を補助的に組み合わせた化学放射線療法を術前・術後のサポート治療として実施していることもポイントです。
君津中央病院で外来による放射線治療を受ける流れについてまとめました。
君津中央病院の放射線治療科では、治療を開始する前に放射線治療専門医による初回診察を行い、患者の症状やこれまでの癌治療の経過・既往歴だけでなく、心理的・社会的な状況まで多角的にヒアリングや診断を実施しています。同時に治療方針の説明や副作用リスク、リスクへの対策などを説明するインフォームドコンセントを重視している点も重要です。診察時間はおよそ1~2時間です。
初回診察で放射線治療の適応性が認められれば、リニアックを活用する放射線治療計画を策定します。治療計画の策定には治療計画用CTなどの画像診断装置を使って癌の情報を詳細に分析した上で、患者ごとの状況を踏まえつつ主治医と連携しながらプランニングを行います。
放射線治療科では入院治療を受け付けていないため、治療は外来治療のみで実施。通院治療が困難な患者の場合、それぞれの診療科へ入院したうえで治療を受けられます。
君津中央病院の放射線治療科では人手の問題から、診察前に事前の予約を原則としており、さらに紹介元となる医療機関に対しても紹介前や受診前の電話連絡を推奨しています。
予約は放射線治療(リニアック)科の外来窓口で電話受付が行われており、受付可能時間は平日の8時30分~17時です。
標準治療など保険診療が行われており、治療費は原則として保険適用となります。
国保直営総合病院君津中央病院 | |
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診療科目 | 内科、精神科、脳神経内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、血液内科、腫瘍内科、腎臓内科、糖尿病・内分泌・代謝内科、膠原病内科、小児科、外科、消化器外科、乳腺外科、整形外科、形成外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管外科、小児外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科、放射線科、放射線治療科、麻酔科、歯科、歯科口腔外科、病理診断科 |
診療時間 | 平日8:00~11:00(新規患者) |
休診日 | 土曜日・日曜日・祝日及び12/29~1/3 |
所在地 | 千葉県木更津市桜井1010番地 |
電話番号 | 0438-36-1071 |
ベッド数 | 660床(一般636床、感染症病床6床、結核病床18床) |
年間治療患者数 | 院内がん登録:1,863件(2020年)、1,878件(2019年)、1,775件(2018年) 癌手術:849件(2020年) |
対応可能な治療方法 | 手術治療、放射線治療、化学療法 |
設備 | 大口径治療専用CT、治療専用画像サーバー、治療計画装置、リニアック、ダヴィンチ da Vinci Xi、3D前立腺生検システム「BioJet(バイオジェット)システム」など |
URL | http://www.hospital.kisarazu.chiba.jp/ |