地域がん診療連携拠点病院として地域を支える、松戸市立総合医療センター
千葉県松戸市にある松戸市立総合医療センターは、厚生労働省が指定する地域がん診療連携拠点病院として地域の癌治療の基盤を構築している上、日本がん治療認定医機構認定研修施設として癌治療のスペシャリストの育成にも尽力しています。放射線治療や化学療法、外科治療など多角的な癌治療を受けられることも魅力です。
松戸市立総合医療センターの放射線治療科部長である小林医師は、およそ20年にわたって放射線治療に従事する医師です。
医師としての見地から患者の状態や癌の状態をきちんと診察し、適切な治療プランの考案に努めてくれることがポイントです。また、必要に応じて泌尿器科と連携した治療を行うなど、放射線治療をベースとして様々な可能性を比較検討している柔軟さも見逃せません。
松戸市立総合医療センターでは日本医学放射線学会・放射線専門医が集結した放射線治療科や、癌を含めた様々な疾病の内科的診療に携わってきた医療従事者による化学療法内科、日本外科学会・外科専門医である病院長でもある尾形医師がリードする消化器外科など、多分野の医師がそれぞれの得意分野を活かして病院全体で集学的治療を実践しています。
また、地域がん診療連携拠点病院としてがん相談支援センターも設置しており、癌患者だけでなくその家族や友人のサポートも行っていることが特徴です。
松戸市立総合医療センターの放射線治療科では、小林部長主導の下で、悪性腫瘍と一部の良性腫瘍に対して放射線照射が行われています。癌の根絶を目指す根治的治療や癌による辛い症状をケアする緩和的治療など、患者ごとの症状や体質、状態に応じてオーダーメイドの治療プランを考案してくれることが強みです。
また、実際に放射線治療を進めていく段階においても、治療プランが適切に運用されていることを確認したり、放射線照射の治療効果が当初に目指していたものにマッチしているか診察したりと、最後まで責任を持ってケアに努めてくれます。
なお、癌患者に対して治療を行う場合、ほとんどのケースで他の診療科と連携しながらプランを進めていくこともポイントでしょう。
松戸市立総合医療センターには高精度放射線治療装置「リニアック」と放射線治療専用CTが導入されており、従来の放射線照射に加えて、さらに精度を高めた放射線治療も実践されています。
高精度放射線治療としては「定位放射線治療(SRT)」と「強度変調放射線治療(IMRT)」という放射線照射方式が採用されており、1本ごとの放射線の照射レベルを抑えつつ多方向から癌へ放射線を照射したり、癌のサイズや形状に合わせて放射線の照射レベルを随時調節しながら放射線を癌へ照射したりできるのが特徴です。
単純に強度の放射線を照射するのでなく、それぞれの放射線のレベルを抑えることで健常組織への被曝ダメージを抑えながら、必要な放射線量を癌細胞へ集中させることができます。
院の放射線治療装置は通常の放射線治療に加えて『定位放射線治療(SRT)』や『強度変調放射線治療(IMRT)』といった高精度治療に適した性能を有しており、それぞれ病状に応じて医師と医学物理士が協力して適切に計画し実施しています。
引用元:松戸市立総合医療センター|放射線治療科
https://www.city.matsudo.chiba.jp/hospital/kakkyokusinryouka/sonota/housyasentiryou.html
骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌の患者に対しては、泌尿器科と連携しながら放射性医薬品(塩化ラジウム)を用いた体内投与治療も実践されていることが特徴です。
これは放射線を発する医薬品を患者に投与することで、体の中から放射線を発生させて癌細胞の増殖を抑制する治療法です。
なお、放射性医薬品を用いた体内治療は泌尿器科と連携することが前提であり、治療を受けるには松戸市立総合医療センター泌尿器科からの依頼が必要とされています。
松戸市立総合医療センターでは抗がん剤などを活用した化学療法の専門科として、化学療法内科を開設しています。
化学療法内科は、松戸市立総合医療センターだけでなく癌専門病院や大学病院など複数の医療機関において経験を積んできた医療スタッフが、抗がん剤を使って悪性腫瘍患者に対する全身的治療や分子標的療法を行っている診療科です。
各診療科で癌と診断された患者が治療対象となっており、特定の臓器や癌にこだわらず全ての癌や転移癌・再発癌に対して治療プランを作成してくれることがポイントです。また持病のある人であっても主治医や担当医と連携しながら効果的な治療プランを模索してくれます。
松戸市立総合医療センターでは院長が消化器外科のリーダーとして活躍しながら、消化器外科部長兼医療技術局長やその他の医師らと協力して、幅広い癌の治療を担当しています。
2020年には日本肝胆膵外科学会認定の高度技能専門医修練施設(B)にも指定されており、高度技能指導医や高度技能専門医といったプロフェッショナルが所属して、患者への肉体的ダメージを軽減しつつ治療効果の品質向上を目指す内視鏡手術などが実践されていることも重要です。
胃癌や大腸癌などの患者であっても腹腔鏡下手術によって術後7~10日での退院が可能となっており、速やかに社会生活や日常生活へ復帰できることは見逃せません。
日本内視鏡外科学会における審査で認定された技術認定取得者が手術に携わり、腹腔鏡下の鼡径ヘルニアの手術では術後2日で、胆石の手術では術後3日から4日で退院することが可能です。胃がんや大腸がんなどの悪性疾患に対する腹腔鏡下手術では術後7日から10日で退院することが可能です。食道裂孔ヘルニアや食道アカラシアなどの食道良性疾患に対しても積極的に腹腔鏡手術を行っております。腹部緊急疾患として急性虫垂炎、腸閉塞、胆石胆のう炎、腹膜炎についても迅速に対応しております。
引用元:松戸市立総合医療センター|消化器外科
https://www.city.matsudo.chiba.jp/hospital/kakkyokusinryouka/geka/syoukakigeka.html
松戸市立総合医療センターで放射線治療を受ける流れについてまとめました。
松戸市立総合医療センターでは担当医や各診療科と連携した上で、放射線治療の適応性や日本医学放射線学会・放射線治療専門医による診察が行われています。
また、治療を始める前に必ず放射線治療専用のCTなどを使って癌の状況を正確に診断した上で、患者一人ひとりの症状に適した放射線治療プランを、慎重に検討してくれることがポイントです。
事前の画像診断や診察、主治医からの情報などを総合的に考慮して治療プランを作成し、改めて放射線治療を実施します。なお、治療を開始する前に改めてCTによる画像診断を行い、体へ治療のガイドラインとなる線を引きます。
CT撮影を行った後、およそ1~2日で治療を開始しますが、高精度放射線治療の場合には治療開始まで1週間程度がかかることもあります。具体的なスケジュールは、あらかじめ担当医に確認しておきましょう。
平日に1日1回の治療を基本として、一般的に1~2ヶ月程度の治療期間を設けます。なお、緩和ケアの場合はもっと短期間で照射が終了することもあります。
治療期間中や期間の満了後も定期的な診察によって、計画通りに治療が進んでいるか、癌の状態はどうかといった経過観察を丁寧に実施していきます。
放射線科の外来日は月・火・水・木・金曜となっており、さらに新規患者の外来は月・火・金曜に限定されている上、新規患者は診察を受ける前に紹介状を用意した上で予約が必要です。詳細は病院の問い合わせ電話番号「047-712-2511」に連絡して確認してください。
松戸市立総合医療センターは保険診療を行っており、実際の治療費がどの程度になるかは治療プランや治療内容、治療機関などによって変動します。詳細は主治医にしっかりと相談しておきましょう。
松戸市立総合医療センター | |
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診療科目 | 内科、糖尿病・代謝・内分泌内科、リウマチ科、アレルギー科、感染症内科、血液内科、消化器内科、循環器内科、脳神経内科、呼吸器内科、化学療法内科、皮膚科、外科、消化器外科、乳腺外科、整形外科、脳神経外科、心臓血管外科、呼吸器外科、形成外科、産婦人科(産科・婦人科)、眼科 、耳鼻いんこう科、泌尿器科、歯科口腔外科、小児医療センター(小児科、小児外科、新生児科、小児心臓血管外科、小児脳神経外科、小児麻酔科)、リハビリテーション科、放射線治療科、放射線診断科、麻酔科、精神科、救急科、病理診断科、総合診療科、緩和ケア科 |
診療時間 | 診療科によって異なる(受付時間は午前8時30分~午前11時) |
休診日 | 土曜・日曜・祝祭日、年末年始 |
所在地 | 千葉県松戸市千駄堀993番地の1 |
電話番号 | 047-712-2511 |
ベッド数 | 総数600床(一般病床592床、感染症病床8床)(2023年5月18日調査時点) |
年間治療患者数 | 要問合せ |
対応可能な治療方法 | 手術治療、放射線治療、化学療法、緩和ケア |
設備 | 放射線治療装置(リニアック)、放射線治療専用CT、MRIなど(2023年5月18日調査時点) |
URL | https://www.city.matsudo.chiba.jp/hospital/index.html |