2018年10月1日に京都大高等研究院の特別教授である本庶佑(ほんじょたすく)教授が、免疫を抑制する効果をもつ「PD-1」という分子を発見した功績によりノーベル生理学・医学賞を受賞しました。 日本人がノーベル賞を受賞するのは本庶教授が26人目となります。
本庶教授が発見したPD-1は、免疫を抑えてしまう分子。体内で癌と闘う免疫の働きが抑えられると、当然癌の治癒に影響が現れます。PD-1の働きを阻害することができれば、癌の治療に大きな効果があると言えるのです。 現在、PD-1を標的にした抗がん剤「オプジーボ」がすでに小野薬品工業によって開発されており、次世代の癌治療薬として注目を集めているのです。抗がん剤の多くは癌細胞を攻撃することを目的とした薬。がん細胞を攻撃する「免疫」を助けるオプジーボは従来とは違った薬なのです。
千葉県に在住のある男性は、オプジーボによる癌治療に成功しました。この男性は6年前に健康診断で肺がんが見つかり手術。しかし、癌は脊髄や脳に転移しており、死を覚悟せざるを得ない状況だったそう。他の治療法を試みるなか、「オプジーボ」に出会います。2016年12月からオブジーボの投薬を開始し、2017年の7月にはがんが確認できないまでに回復。男性は「オプジーボの投与から2カ月ほどでずっと悩まされていた頭痛が消えた」と語っています。 「肺がん患者の会ワンステップ」の代表は本庶教授の発見したPD-1、そしてそこから開発されたオプジーボを「希望の薬」と表現しています。 オプジーボは現在まだ高価な薬ですが、研究が進めばより安価に使用できるようになるかもしれませんね
新しいがん治療薬オプジーボの開発に繋がった本庶佑教授の「PD-1」発見。今回のノーベル賞受賞に際して、各方面から様々な声が上がっています。
先日、Twitterで癌を患っていると自ら公表した高須クリニックの代表・高須克弥院長は、「今は別の分子標的薬を使用していますが、次のステージではオプシーボを選択するかもしれません」とTwitterにて発言。また、「自分は樹木希林さんのように放射線治療は受けていないけど、癌はタイプにより治療法を選択すべき」とも語っています。 癌治療に新たな選択肢が生まれたということですね。
参考:毎日新聞のニュース情報サイト『先生は命の恩人』 がん患者ら祝福の声」
https://mainichi.jp/articles/20181002/k00/00m/040/124000c/
参考:スポーツ報知「“全身がん”公表の高須院長、ノーベル賞・本庶氏開発の新薬は『選択肢の一つ』も副作用を指摘」
https://www.hochi.co.jp/entertainment/20181002-OHT1T50060.html
参考:産経ニュース:本庶佑氏にノーベル医学・生理学賞 がん免疫治療薬を開発
https://www.sankei.com/life/news/181001/lif1810010035-n1.html