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介護休暇・介護休業を利用する

大切な人が癌になってしまったら、その闘病生活をバックアップするのは家族やパートナーの存在です。自身の仕事も維持しながら本人の生活を支えていくためには介護休暇や介護休業の利用が役立ちます。

ここでは介護休暇や介護休業のしくみや、介護と仕事を両立させるために考えたいことについてお伝えします。

介護休暇・介護休業とは

介護休暇

ケガや病気などによって2週間以上にわたって常時介護を必要とする状態を「要介護状態」といいますが、家族がそうなった場合は1年に5日まで介護のための休暇を取得することができます。この場合の家族とは、配偶者や父母、子、配偶者の父母ならびに祖父母、兄弟姉妹、孫が対象です。

介護休業

介護休暇と同様、要介護状態となった家族を介護するために取得する休業で、ある程度まとまった期間になります。対象家族1人につき3回、通算で93日まで休業することができます。

介護する側が身体を休める暇がなかったり、体力的に限界を感じたりした場合は、ぜひ介護休業の制度を活用したいものです。

介護休業給付金

介護休業の期間は無給とする会社が多いようですが、その場合は雇用保険による介護休業給付金の支給を受けることができます。介護休業給付金は、労働者が介護休業を取得しやすくし、退職することなく介護を続けて職場復帰も助けるという、介護と仕事の両立を支援するための制度です。

支給額は「給料の日額×休業日数×67%」です。手続きは休業期間が終わってから会社を通じてハローワークに申請することになります。

対象にならない場合

介護休暇や介護休業は、日雇い労働者は対象になりません。また、会社と労働者の間で労使協定が締結されている場合は、入社して一定期間が過ぎていない人や所定労働時間が少ない人は対象にならないことがあります。詳しくはお勤めの会社の規定を確認してみましょう。

65歳未満でも介護保険が使える?

一般的に介護保険の介護サービスは65歳以上、要介護状態になったときに利用できます。あまり知られていないようですが、実は40歳以上の末期癌の場合も介護保険を利用できるのです。これには居住する自治体の要介護認定を受ける必要があります。

要介護の程度に応じて受けることのできるサービス内容が変わりますが、例を挙げると電動ベッドや車いすなど福祉用具のレンタル、ホームヘルパーの訪問、住宅改修費用の支給などがあります。こうしたサービスの利用によって、介護をする側の負担も軽減することができます。

仕事と介護の両立に悩んだら

家族やパートナーの闘病生活が長く続くと、それを支える人の仕事と介護の両立が難しくなることもあるでしょう。体力的に厳しくなったり、仕事への意欲を失ったり、つらさのあまり退職を考える人もいます。

一人で抱え込むのは良くありません。闘病生活を支える側にも頼れる相談相手が必要です。

職場に相談

プライバシーにかかわることなので、職場に相談するのはちょっと…という人は多いかもしれません。相談してもどうにもならないと感じる人もいるでしょう。

しかし、職場にとっては労働者に意欲を失くされては困りますし、ましてや退職されると大変です。そのため、フレキシブルな勤務制度や人事異動などを設定している会社も多いのです。

一人で抱え込まず、まずは職場の上司に相談してみるのもひとつの手段です。話し合いの結果、勤務時間や勤務日数を一時的に減らしてもらったり、フレックスタイムやテレワークを検討してもらったりできればずいぶんと楽になるはずです。

退職は避けたい

思い悩んだ結果退職してしまうと、そのときは介護に集中できるかもしれませんが、長い目で見るとマイナス部分が大きいでしょう。あとで再就職しようと思っても困難な可能性も高く、これまでのキャリアを活かすことができるとは限りません。何より収入が絶たれます。仕事と介護の両立を前提に、闘病生活を支えていく上での課題を解決していきましょう。

がん相談支援センターに相談

がん相談支援センターは、全国のがん診療連携拠点病院などに設置されている相談窓口です。誰でも無料で利用することができ、その病院にかかっていなくても問題ありません。癌の診断や治療内容に関することはもちろん、闘病を支えている人にも気になる社会復帰や生活全般に係わることなど、疑問や不安、悩みの相談に乗ってくれます。

場所によっては社会保険労務士や産業カウンセラーが、仕事と介護の両立に関する悩みの相談に乗ってくれるところもあります。一度連絡してみてはいかがでしょうか。

患者会などに相談

病気を正しく知り、病気と闘い、病気のことを社会に広めていくのが患者会の意義ですが、それと同時に患者や家族の出会い、支え合いの場でもあります。そこでは同じような悩みを抱えている人の話を聞くことができるでしょう。参考になることもあれば、悩みを話すことだけで気持ちが楽になるかもしれません。

患者会の情報は、前述のがん相談支援センターに確認してみましょう。