神奈川県がん診療連携指定病院に指定
東名厚木病院は神奈川県より「神奈川県がん診療連携指定病院」に指定。一般的ながん治療を地域医療機関内で連携を図りながら完結できるように目指しています。患者が希望すれば東京大学医学部族病院・国立がん研究センター中央病院・神奈川県立がんセンターなど、がん診療拠点病院との連携を図ることも可能で、紹介・逆紹介にも対応可能です。専門的ながん医療や緩和ケアの提供、がん患者の支援、情報提供など幅広いサポートができる体制が整っているでしょう。
2022年4月より東名厚木病院の院長に就任し、救急病院を中心とした地域医療の分野に貢献してきました。最も大切にしているのはチーム医療であり、病院スタッフを家族のような存在として考え、他職種が助け合いながら信頼し合える環境づくりを強化したいと考えているそうです。また地域の急性期病院や地域医療支援病院としての役割を果たすべく近隣の医療機関と連携し、地域全体としてトータルでサポートし続ける環境づくりにも取り組んでいます。
東名厚木病院の最大の強みは、様々ながん治療に対応しているという点でしょう。放射線治療・手術療法・化学療法と言った三大治療だけでなく、緩和ケア医療にも対応しています。そのため一人一人の病状などに応じて、適切な治療方針を提案してくれるでしょう。また緩和ケア医療やがん相談支援センターなどで、がんに対する不安や悩み、経済的問題などの相談にも乗ってくれます。患者本人だけでなく、家族の相談にも対応可能です。
東名厚木病院の放射線治療では全てのスタッフが患者の立場に立った対応を心掛けています。患者の声にしっかりと傾聴することを大切にしているため、治療方針も十分に理解・納得できるまで説明してくれるでしょう。もし治療中に副作用の症状が現れた場合にはスピーディに診察や処置するだけでなく、なぜ副反応が起きたのか、どうすれば症状が改善するのかなどを詳しく説明しています。
また放射線治療医・医学物理士・診療放射線技師・看護師などの放射線治療に精通したスタッフを配置しており、それぞれが協力し合いながら診療にあたっています。さらに東京大学医学部付属病院放射線治療部門とネットワーク回線を専用に結んでいるのも特徴的。放射線治療計画装置・治療情報・検証情報などを共有するなど、大学病院レベル相当の治療体制を整えています。
IMRTとは強度変調放射線治療とも呼ばれ、治療ビームの放射線強度・形状・位置をがんの形状に応じて微調整しながら照射することが可能です。がん細胞に高い放射線量を集中的に照射できるため、周囲の正常な細胞への放射線量を最小限に留めることができます。IMRTの活用により副作用の発生を抑えながら、高い治療効果が期待できると言われています。
放射線治療を行う際、治療を始める前にCTを撮影し、その画像でがんの形状や位置を的確に把握したうえで照射する計画を立てていきます。がんを効果的に治療するために、この計画を誤差なく適切に立案し、治療ビームを照射することが重要です。
東名厚木病院が導入しているエレクタシナジーにはCTが搭載されており、治療を始める直前にCT装置を活用し、がんの位置を毎回認識しながら治療計画時に撮影したCT画像と治療直前のCT画像を比較。照射計画との僅かな誤差も補正するため、より精度の高い治療を目指すことができます。
放射線治療を行う上での副作用は照射部位の皮膚炎などが挙げられるでしょう。東名厚木病院では副作用の予防対策を徹底的に実施しており、これまで重篤な皮膚障害を起こした事例は無いそうです(2023年5月現在)。万が一少しでも気になる症状があれば、医師へすぐに相談し、適切に対処してもらいましょう。
放射線治療に伴う副作用・合併症は、放射線治療の部位、照射面積、照射線量、照射期間などに影響され、その症状出現には個体差があります。 大きく分けると急性(急性期)障害と晩発(晩期)障害に分けることができます。 急性(急性期)障害とは、放射線治療の照射中および照射後から遅くても2、3ヶ月以内に現れてくるものです。代表的なものとして、全身的には疲労、倦怠感、発熱、食欲不振、吐き気などがあります。局所的には、皮膚炎、脱毛、潰瘍、味覚障害、肺臓炎、膀胱炎、尿道炎、腸炎などがあります。(これらは放射線の照射部位に関連した症状が出ます。) 晩発(晩期)障害とは、長期間の潜伏期を経てから発症するものです。代表的なものは、皮膚乾燥、色素沈着、腸炎、まれに放射線肺臓炎、骨壊死、発がんなどがあります。
東名厚木病院では化学療法センターを設置しており、外来で化学療法を受ける患者専用のスペースとなっています。化学療法室にはベッド・リクライニングソファも設けられており、希望に合わせて選択可能です。治療中にゆっくりと休んだり本を読んだり、家族と話したりなど、リラックスした状態で過ごすことができるでしょう。
化学療法を行う患者の対応は、がん治療の経験が豊富な看護師が実施しています。
化学療法センターはスタッフの目が届きやすい環境となっており、治療中に何かあれば迅速に医師が駆け付け対応できる体制を完備しています。
外科的手術はがんの病巣を切り除き、その臓器周辺組織・リンパ節に転移がある場合は一緒に切除を行います。早期がんやある程度進行したがんであっても、切除が可能と判断されれば手術治療を積極的に選択。東名厚木病院では食道がん・胃がん・肝がんなどの消化器外科や、乳がん・甲状腺がんと言った乳腺甲状腺外科、肺がん・胸腺がんなどの呼吸器外科など様々な診療科において手術治療が実施されています。
東名厚木病院では緩和ケア外来・在宅緩和ケア・緩和ケア病棟に対応しています。
緩和ケア外来では、がんなどの病気によって生じる痛み・だるさ・息苦しさなどの身体的ストレスや、今後の不安、療養するうえで気になることなどを少しでも和らげることを目的とした診察です。この診察は緩和ケア担当医師だけでなく、看護師や薬剤師、ソーシャルワーカーといった専門職も対応しており、患者や家族の悩みなどに合わせて、適切な専門家が相談に乗ってくれます。基本的には2名の緩和ケア担当医が月曜と木曜に外来診療を行っていますが、緊急で受診したい場合には「がん相談支援センター」に相談すると良いでしょう。また事前予約制となっているので、早めの予約がおすすめです。
在宅緩和ケアとは、自宅や患者自身が過ごしたい地域の介護施設において緩和ケアを受けられる医療体制です。東名厚木病院では2名の緩和ケア担当医が患者や家族の思いに寄り添い、医療職・介護職・地域の薬局などとチームを組み、より快適な生活を送るためのサポートを行います。在宅緩和ケアを希望するなら、緩和ケア外来を受診し、訪問診療を担当する医師・看護師と自宅や施設で必要となるサービスなどを相談。訪問は基本的に月曜・木曜の午後、月に2回の診察となります。もし病態などが変化すれば訪問看護師と連携しながら、緊急訪問にも対応可能です。
さらに緩和ケア病棟も設けられており、14床の全室個室になっています。医師や看護師などの専門職が患者・家族の辛さなどの症状を緩和しながら、より良い生活が送れるようにサポート。入床・退床の基準も定められているので、緩和ケア病棟に入床したい場合は相談してみてください。
東名厚木病院で放射線治療を受ける流れについてまとめました。
「がん相談支援センター」まで予約の電話をかけてください。
≪予約方法≫
電話番号: 046-229-2552(がん相談支援センター)
予約受付:平日9:00~16:00
治療費についての記載は見当たりませんでした。病院に直接問い合わせてください。
社会医療法人社団 三思会 東名厚木病院 | |
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診療科目 | 内科 循環器内科 消化器内科 肝臓内科 呼吸器内科 腎臓内科 糖尿病・代謝内科 人工透析内科 神経内科 外科 消化器外科 乳腺外科 血管外科 呼吸器外科 整形外科 形成外科 美容外科 脳神経外科 救急科 泌尿器科 婦人科 眼科 麻酔科 精神科 皮膚科 リハビリテーション科 放射線科 放射線診断科 放射線治療科 緩和ケア内科 |
診療時間 | 各診療科によって異なります |
休診日 | 日曜・祝日 |
所在地 | 神奈川県厚木市船子232 |
電話番号 | 046-229-2552 |
ベッド数 | 282床(2023年5月18日調査時点) |
年間治療患者数 | 2020年目的別放射線新規治療件数:根治74件・緩和64件・術後再発予防62件・局所制御13件・延命6件 |
対応可能な治療方法 | 手術療法、化学療法、放射線療法 |
設備 | 高精度放射線治療装置「エレクタシナジー」、CTなど(2023年5月18日調査時点) |
URL | https://www.tomei.or.jp/hospital/ |