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癌予防へ効果がある生活習慣

癌を予防するために生活習慣を改善するといっても、具体的にどのような生活を送れば良いのか分からなければ癌予防の効果を高めることもできません。

このページでは、日本人にとって癌予防に効果があると期待できる生活習慣や、現在のライフスタイルを改善する上での注意点などについて解説しています。

日本人における癌の原因とは?

日本人の生活習慣と癌の関係

癌のリスク因子には様々なものが考えられており、また日常的に特定の要因があるからといって必ずしも発癌につながるとは限りません。しかし、生活習慣の乱れや不摂生は医学的にも癌を含めて様々な病気のリスクを増大させると知られており、適切な生活習慣や健康習慣を保つことで癌予防として効果を期待することは可能です。

ただし、一般的に良いとされている生活習慣や健康への取り組みが、医学的根拠に基づいて癌予防へ有効とは限らず、あくまでも科学的に適切かどうか考えることも大切です。また、どのような行動や生活習慣が、どんな癌に対して影響しているのか知っておくことも重要になります。

そこで、まずは医学的に癌リスクを上げるとされている生活習慣を把握しておきましょう。

喫煙習慣

タバコが、肺癌を始めとした様々な癌や健康被害を引き起こすという報告は、日本国内だけでなく世界各地の研究期間から発表されています。加えて、喫煙はタバコを吸っている本人だけでなく、その周囲にいる人へ副流煙による影響を与えることも分かっています。そのため、少なくとも癌予防を考えるのであれば「タバコを吸わない」という選択こそが合理的といえるでしょう。

なお、タバコにも様々な種類があり、タバコの種類によって癌の発生部位が異なるということもポイントです。

日本人男性の癌患者の3割においてタバコが原因

国立がん研究センターが運営している「がん情報サービス」によれば、日本人の癌患者のうち、男性ではおよそ3割の癌患者においてタバコが原因であると考えられています。また、女性の癌患者でもそのうちの5%がタバコによって癌になったとされていることも重要です。

男性と女性では喫煙習慣のある人の数が異なるため、男女の性差が大きいからといって、女性であればタバコを吸っても癌になりにくいと判断することは禁物です。

その他、タバコは癌だけでなく心筋梗塞や狭心症、脳卒中といった循環器疾患のリスクを上げることも知られており、周囲の人の健康も考慮するのであれば禁煙を心がけることが肝心といえるでしょう。

参考元:がん情報サービス|たばことがん もっと詳しく

飲酒習慣

古来「酒は百薬の長」とも呼ばれており、体質に合わせて適量の飲酒が一部の病気のリスクを下げることは知られています。しかし、一方で飲酒は口腔癌や咽頭癌、食道癌など消化器系の様々な癌に関してリスクを上げることも報告されており、また過剰な飲酒によって肝臓が悪くなれば肝臓癌の危険性が増すことも重要です。

加えて、そもそも体質によっても飲酒による発癌リスクが左右されることも無視できません。

お酒を飲むことで体内に摂取されたアルコール(エタノール)は、まずアルコールを分解する酵素「アルコール脱水素酵素(ADH)」によって、アセトアルデヒドという物質へ分解されます。そして、このアセトアルデヒドは動物の体内において発がん性物質だと知られていることが肝要です。

なお、アセトアルデヒドは改めて、「アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)」によって分解されて、体内で酢酸となり、さらに分解・代謝が進んでいきます。

言い換えれば、アセトアルデヒド脱水素酵素の機能が弱い人は、体内にアセトアルデヒドが残留しやすく、発癌リスクが高まる可能性もあるでしょう。

参考元:公益社団法人アルコール健康医学協会|アルコールと健康に関する最新の医学情報

お酒の強い・弱いはアセトアルデヒド脱水素酵素の働きで決まる?

アセトアルデヒド脱水素酵素には1型と2型がありますが、一般的に「お酒に強い人」はアセトアルデヒド脱水素酵素2型の活性遺伝子を備えているとされています。つまり、お酒に強いか弱いかはそもそも生まれつきの遺伝的要因によって決定されているということです。

そのため、飲酒による発癌リスクの差は酒量や飲み方に加えて、体質によっても影響されると覚えておいてください。

お酒を大量に飲んで「慣れる」という考えは危険

お酒を日常的に飲むことで、お酒に慣れて強くなれると考える人もいますが、そもそも遺伝子によって決められている体質を無理矢理に飲酒習慣で変えることは危険です。

食生活の乱れ

食生活は生活習慣の改善において重要なポイントですが、具体的に特定の食材について発癌への影響が証明されているケースはあまりありません。

医学的に知られている例としては、牛や豚、羊などの赤身肉や加工肉が大腸癌リスクを増大させ、食物繊維を多く含んだ食品が腸内環境を整えて大腸癌や結腸癌のリスクを下げるというケースがあります。また、各種ビタミンを適切に摂取することで健康状態が改善して、結果的に癌リスクを下げられるといった間接的な効果も期待できるでしょう。

とはいえ、特定の食材や栄養を偏って摂取することはいずれの場合も危険であり、あくまでもバランスの良い食生活を心がけることが大切です。

塩蔵食品による胃癌リスク

塩蔵食品とは塩分を多く含む食品であり、例えばいくらの醤油漬けや塩辛といった食品が挙げられます。

塩蔵食品は胃癌リスクを上昇させるという可能性が示唆されていますが、これは塩分だけによる作用というよりも、ニトロソ化合物などその他の含有成分による影響もあるとされています。

参考元:国立研究開発法人国立がん研究センター癌対策研究所予防関連プロジェクト|食塩・塩蔵食品摂取と胃がんとの関連について

肥満は病気のリスクを上げる

高カロリーの食生活を続けたり、塩分や脂肪分の多い食生活を続けたりすれば、肥満・高血圧症・高脂血症といった病気を引き起こしかねません。また、糖尿病の中には食生活による影響が原因で引き起こされるものもあります。

肥満は肉体へ悪影響を与える要因として知られており、肥満が結果的に癌リスクを上げる可能性は十分にあるでしょう。

肥満が原因の癌には、例えば以下のようなものがあります。

  • 食道癌
  • 膵臓癌
  • 肝臓癌
  • 大腸癌
  • 乳癌(閉経後)

参考元:がん情報サービス|がんの発生要因

痩せすぎも癌のリスク要因

過剰なダイエットや栄養不足などで痩せすぎになっている場合、免疫機能が低下して癌のリスクが上昇するという報告もあるため注意してください。

運動不足

適度な運動は結腸癌や乳癌・子宮癌などのリスクを下げると報告されています。また、運動によって肥満を解消することも重要です。

反対に運動不足は基礎代謝を低下させるだけでなく、循環器にも悪影響をもたらすため、癌リスクを上げる恐れがあります。

適正なダイエットには運動が欠かせない

ダイエットと聞くと、食事制限だけをイメージする人もいますが、食事で摂取カロリーを制限するだけでは筋肉量も減少してしまい、基礎代謝が低下して結果的に「痩せにくい体質」へつながりかねません。また、無理矢理に飢餓状態へされた肉体は、次に栄養を摂取した時に逃すことなく取り込もうとするため、一気に脂肪が増えるリバウンドを引き起こすリスクも高まります。

適切な体重管理には、正しい食習慣と、適度な運動習慣の両面からのアプローチが大切です。

その他の癌の要因

ウイルスによる感染や遺伝的要因、発がん性を有する化学物質の影響など、日常の生活習慣の他にも発癌リスクは数多く存在します。また、暮らしている環境が化学物質で汚染されている場合、それらをライフスタイルの一環として考えることもできるでしょう。

その他、ホルモン剤や抗ホルモン剤によって一部の癌リスクが下がったり、逆に上がったりすることも報告されています。

参考元:がん情報サービス|がんの発生要因

5つの生活習慣の改善ポイントを意識した癌予防

国立がん研究センターの報告では、「禁煙・節酒・食生活・身体活動・適正体重の維持」の5つのポイントについて改善することで、男性で47%、女性であれば37%も癌リスクを下げられると示唆されました。

参考元:がん情報サービス|科学的根拠に基づくがん予防

禁煙

可能であればタバコを止めることが望ましいでしょう。また、周囲にタバコを吸っている人がいれば、一緒に禁煙してもらうか、せめてきちんと分煙環境を守ってもらうといったことも大切です。

ただし、すでに日常的に喫煙している人の場合、急にタバコを止めようとしても難しいかも知れません。そのため、必要に応じて病院の禁煙外来といったプロに相談することも有効です。

節酒・断酒

体質的にアルコールを受け付けない人の場合、きっぱりとお酒を止めてしまうことが賢明です。また、アルコールに強い体質の人であっても、過度な飲酒は控えて、適量にとどめる節酒を心がけなければなりません。

お酒を飲まない休肝日を作るといったことも重要です。

食生活の改善

肉中心の食生活から野菜や魚が多い食生活へ改善したり、食べ過ぎないよう適量を守ったりすることも大切なポイントです。生のままでも美味しく食べられるような旬の食材などを用意して、過度に塩分や油分が多くならないように味を調えるといった工夫もあります。

適度な運動習慣

適度な運動習慣は癌予防だけでなく、筋肉や骨の機能維持にとっても欠かせません。普段から意識的に歩いたり運動するタイミングを設けたりして、体を動かすことを日常に取り入れましょう。

適正体重の維持

食生活の改善や適度な運動習慣の延長には、適正体重の維持という目標もあります。

太りすぎも痩せすぎも発癌リスクを高め、その他の病気の原因にもなり得るため、自分の身長や性別に合わせた適正体重を維持するように心がけてください。加えて、同じ体重であっても、筋肉量が少なく脂肪が多い人と脂肪が少なく筋肉量が多い人では健康状態も異なります。基本的には余分な脂肪を落としつつ、適切な筋肉量を維持できるように努めていきましょう。

   
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「いちから分かる癌転移の治療方法ガイド」は、独自に調べた内容をまとめたサイトです。
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