入院・手術・救急外来に特化した病院
川崎幸病院は入院・手術・救急外来に特化して外来診療を行わないことで、急性期機能の強化を図っている病院です。「川崎大動脈センター(大動脈外科)」「川崎心臓病センター(心臓外科・循環器内科)」「脳神経外科」「がん治療センター」といった診療科を設けて、より専門的な診察・治療が行える体制を整えています。
また、24時間・365日断らない医療を目指し、地域のニーズに応えられる病院づくりに注力。さらに世界的レベルの医療を展開すべく、将来的に有望な人材の育成にも力を入れて取り組んでいます。
1979年に東京医科歯科大学の医学部を卒業し、三井記念病院や国立がんセンター病院の外科部門で勤務した経験があります。さらに国立がん研究センター中央病院の消化管腫瘍科副科長や食道外科科長を歴任し、2017年より川崎幸病院で勤務。現在は副院長や食道外科部長、がん治療センター長を兼任しながら、医療の現場で活躍しています。
食道外科を専門分野としており、日本外科学会の外科専門医・指導医や日本消化器外科学会の消化器外科専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医、日本胸部外科学会の指導医などの資格を取得。より専門的な知識・スキルを活かした医療を提供してもらえるでしょう。
がん治療は従来「手術療法」「放射線療法」「化学療法」の3つの治療をメインに行われてきましたが、近年では免疫療法も含めた4大がん治療が実施されるようになりました。川崎幸病院では4大がん治療に対応しており、がんの種類や症状などに合わせて様々な治療法を選択できるようになっています。
がんの集学的治療ができる体制が整い、どのような治療法を選択するのか担当医がサポートしつつ一緒に決めてくれるでしょう。また臓器ごとにがん治療のガイドラインを作成しており、標準的治療を提供しています。
川崎幸病院の放射線治療センターでは、エレクタ社製のシナジーと呼ばれる高精度治療に対応できる放射線治療装置を導入しています。この治療装置の大きな特徴は、CT装置が搭載されているという点です。このCTを活用することで治療前に正確な照射位置を決めることができるため、治療ビームの照準精度が向上。病巣部に対して適切な放射線照射を行うことができます。
CTによって強力なビームを微調整しながら照射することで、がん病巣をピンポイントで狙い撃ちすることが可能。これにより、がん周辺の正常な組織への影響を軽減できるのがメリットです。放射線による副作用を抑えつつ、効果的にがんを攻撃することができます。
エレクタ社製のシナジーにはCT装置が搭載されているので、治療中においてもCTで腫瘍を撮りながら照射することが可能です。CT画像で腫瘍の位置を正確に把握できるため、治療前・治療中の放射線照射がより正確になり、的確な位置に合わせることができます。また、がんの形状に応じてビームの形状を変えることができるため、複雑な形状をしたがんにも治療が行えます。
最大の特徴は、3種類のX線エネルギ-(4・6・10MV)を出力できる事にあります。これによって、治療対象である腫瘍の位置(深さ)、周辺臓器の状況に合わせて、適切なエネルギ-を選択する事ができ、より細やかな治療の提供が可能となります。
引用元:鹿児島医療センター
https://kagomc.hosp.go.jp/about/cnt1_00293.html
川崎幸病院の放射線治療センターの強みは、チーム医療を実現しているという点でしょう。放射線治療医・理学博士(医学物理)・診療放射線技師・看護師・医療クラークがワンチームとなり、治療にあたっています。放射線治療を受ける患者の治療への不安・疑問などを専門スタッフがチームとなり、全面的にサポート。それぞれの専門知識を活かしながら、患者に安心して治療に臨んでもらうための体制を整えています。
抗がん剤などの化学物質を用いることで、がん細胞の分裂を抑制し、がん細胞を破壊する治療法となります。抗がん剤は内服・注射によって体内に注入し、血液を介して全身まで運ばれていき、体内にあるがん細胞を攻撃するという仕組みです。そのため全身に転移しているがんでも治療効果が期待できるでしょう。
外科的手術によって、がんの病巣自体を取り除く治療となります。もし周辺組織・リンパ節などに転移を認めた場合は、その部位まで切除範囲を広げることもあります。ただ切開が伴う治療法なので、全身管理が必要であり、開腹するまでに時間を要するというデメリットもあるでしょう。川崎幸病院では切除範囲を少なくとどめる縮小手術や腹腔鏡下手術、胸腔鏡下手術などにも対応可能です。さらに体への負担を抑える低侵襲手術も積極的に取り入れており、手術後の回復時間を短縮できるよう努めています。
私たちの体には本来、体内に侵入した異物を除去するための免疫機能が備わっています。免疫療法とは免疫機能を高めることによって、がん細胞を攻撃する治療法のことで、化学療法と同じように全身への効果が期待できる治療法です。免疫チェックポイント阻害剤と呼ばれる薬剤が代表的で、一部のがんに保険診療が適応されています。今後、徐々に保険適応の範囲は広がっていく見込みです。
川崎幸病院でも胃がん・肺がん・食道がんなどのがんにおいて、免疫チェックポイント阻害剤による治療も行われています。免疫療法だけを行うケースもありますが、化学療法や放射線治療などと組み合わせながら、一人一人に合った治療プランを提案してくれるでしょう。
がんによる体の痛みや辛さだけでなく、治療への不安、治療費、仕事、家庭など様々な悩みを抱えている方も少なくありません。川崎幸病院では患者や家族の不安・悩みに対して専門のスタッフがヒアリングを行い、最善と思われる解決方法を見つけるためのサポートを実施。医師・認定看護師・社会福祉士・リハビリスタッフ・薬剤師・管理栄養士・臨床心理士などのスタッフが、実際のサポートにあたります。
さらに入院中だけでなく、退院後の生活・介護についての相談にも対応可能です。緩和ケア病棟への転院手続き調整などにも対応しており、退院に向けての支援を行っています。状況によっては、かかりつけ医や訪問看護ステーション、介護事業所との情報共有や連携も図ることも可能です。
川崎幸病院で放射線治療を受ける流れについてまとめました。
2階総合受付にて診察の手続きを行います。もし他院からの紹介状がある場合は、一緒に受付に提示しましょう。
CT撮影を行い、腫瘍の位置などを確認しながら治療計画を立案します。また血液・生化学検査を実施し、必要な場合は貧血・白血球減少の有無・肝機能・腎機能・腫瘍マーカのチェックなども行います。
検査結果に基づき立案された治療計画について説明を行います。川崎幸病院では、患者自身が納得し理解できるよう分かりやすい説明を心がけています。
基本的には治療計画の説明から数日後に治療を開始します。治療の回数は病変部位などによって異なり、通常は10回~35回程度通院治療を行うケースがほとんどです。治療時間は数分ほどですが、IMRTなどの場合は十数分ほどかかることもあります。
治療が完了したあとは、今後の注意点など患者に説明を行います。
まずは電話またはメールで問い合わせを行いましょう。電話の場合は「放射線治療センター」につなぐように伝えてください。メールの場合は公式サイトに問い合わせフォームが設けているので、そこから連絡しましょう。
≪予約方法≫
電話番号:044-544-4611
治療費についての記載は見当たりませんでした。
社会医療法人財団 石心会 川崎幸病院 | |
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診療科目 | 内科、外科、循環器内科、脳神経外科、心臓血管外科、麻酔科、泌尿器科、消化器内科、糖尿病・代謝内科、腎臓内科、人工透析内科、消化器外科、内視鏡外科、腫瘍外科、肛門外科、乳腺外科、病理診断科、救急科、放射線診断科、放射線治療科、整形外科、形成外科、呼吸器外科、婦人科、リハビリテーション科 |
診療時間 | 要問合せ |
休診日 | 要問合せ |
所在地 | 神奈川県川崎市幸区大宮町31番地27 |
電話番号 | 代表:044-544-4611 |
ベッド数 | 326床(2023年5月18日調査時点) |
年間治療患者数 | 2021年度IMRT実施症例数 64件 |
対応可能な治療方法 | 手術療法・放射線療法・化学療法・免疫療法 |
設備 | 放射線治療装置エレクタシナジーなど(2023年5月18日調査時点) |
URL | https://saiwaihp.jp/ |