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絨毛がんの症状や転移、治療法について

絨毛がんの症状や治療法についてまとめました。

絨毛がんとは

絨毛がんは、子宮内で胎児と母体を結びつけている「絨毛」にできる病気です。妊娠がきっかけで発症するケースがほとんどだと言われています。進行が早くて転移しやすいのが特徴で、半年から1年で手遅れになることも。特に肺・腟・肝臓・脳などに血行性転移を非常に起こしやすいがんです。

まれに、妊娠とは無関係に卵巣や精巣にある生殖細胞からがんになる、「非妊娠性絨毛がん」を発症するケースがあります。非妊娠性絨毛がんは、妊娠性の絨毛がんよりも治りにくく、男性にも発症する可能性があります。

最近では、化学療法で大部分が治癒できるようになり、症状が安定する寛解(かんかい)に至る確率が90%以上(※2022年8月調査時点)と言われています。

※参照元:東京がんクリニック/絨毛がん

絨毛がんの症状

絨毛がんを発症すると、不正出血が起こりやすくなります。絨毛は非常に血液量の多い組織なので、がん細胞ができると高確率で出血するのです。絨毛がんは妊娠初期に発症しやすいため、不正出血の症状が現れても妊娠の影響だと勘違いしてしまう方も少なくありません。

また、下腹部の違和感や痛みも絨毛がんの症状の一種です。お腹が痛いだけで「がんかもしれない…」と不安になる必要はありませんが、複数の症状が重なって現れるようなら、一度検査してみることをおすすめします。

絨毛がんは肺や肝臓などの臓器に転移しやすいので、特にせきや吐き気といった症状が長引く場合は、医師の診察を受けるようにしましょう。

絨毛がんの治療

絨毛がんは、外科療法・化学療法・放射線療法で治療します。一般的には、外科療法と化学療法を用いることが多いようです。

絨毛がんの外科療法では、絨毛と子宮に広がったがん細胞を除去するために、専用の機材を使用します。子宮内にあるがん細胞を吸引し、その後キューレット(スプーン状の器具)で子宮内に残ったがん細胞を除去。外科療法には他に、下部横切開または縦切開して、子宮もしくは卵巣・卵管を摘出する方法もあります。

絨毛がんは、非常に抗がん剤が効きやすいため、外科療法と併用して化学療法が用いられます。抗がん剤によってがん細胞の働きが弱まるので、快方に向かわせることが可能な治療方法です。手術前と手術後の両方に併用されることが多く、抗がん剤単体で用いられることもあります。

絨毛がんは非常に悪性が強く進行・転移が早いがんですが、早期に発見して適切な処置を行えば約半数以上の割合で治療が成功するという報告が上がっています。