
リニアックで全身の癌治療を行う、杏雲堂病院
東京都千代田区にある杏雲堂病院は、1882年に神田駿河台で創設され、1世紀以上にわたって地域の人々の健康を見守っている病院です。医学の進歩と社会への貢献を創業以来の診療理念として掲げており、患者ファーストの精神を追求。専門診療科目を複数設置しながら癌患者など様々な人々の診療を行っています。
高精度放射線照射装置(リニアック)の導入を始めとして医療機器の導入に力を入れていることも特徴です。
杏雲堂病院では放射線科を設置し、放射線診療や放射線治療、また緩和ケアに特化した緩和的照射などを行っています。放射線科の部長・科長を務める貞岡医師は、日本医学放射線学会専門医や日本IVR学会専門医、日本脈管学会専門医といった複数の資格を取得しており、それぞれの医学会にも積極的に参加して放射線治療や放射線診療の普及と発展に尽力しています。
なお、貞岡医師の他にも非常勤医師として慶應義塾大学医学部放射線科学教室の教授であり日本放射線腫瘍学会理事長でもある茂松医師など、複数の専門医が所属しています。
杏雲堂病院は1882年の創立以来、様々な患者に対して医学的根拠と患者第一主義にもとづいた診療サービスや医療技術を提供しています。患者が安心して療養や社会復帰を目指せるように、がん相談支援室や患者医療相談室、入院調整室といった専門部署が一体化している「患者サポートセンター」を設立。地域内の医療機関や保険・福祉機関などと地域診療ネットワークを構築して総合的なサポート体制を確立しています。
高精度放射線照射装置のような医療設備や医療機器の拡充によって医療サービスの品質向上にも努めており、患者の負担を軽減しながら治療を受けられる環境作りに力を入れています。
杏雲堂病院の放射線治療では、根治的治療を目的とした根治照射と、癌患者の状態コントロールを目指して行う緩和照射の2パターンをメインに行われています。
根治照射では特に乳癌手術を受けた癌患者に対して、手術では取り切れなかった微小な癌細胞や癌組織に対処するための放射線照射を実施。高精度放射線照射装置(リニアック)による高精度放射線治療によって従来の照射線治療よりも治療効果を高めつつ、再発癌や転移癌のリスクへの対応も行っています。
また放射線治療と乳癌手術を併用することで、乳房温存術のような低侵襲治療であっても癌治療としての精度を追求できることもポイントです。また、特殊な治療が必要になった場合は慶應義塾大学病院とも連携した治療体制を構築しています。
放射線治療は、リニアックという装置で行います。当院のリニアックでは、X線と電子線を使って治療を行うことができます。
X線はレントゲン写真に利用される放射線と同じ種類のものですが、エネルギーはそれよりも大変高く透過力が大きいので、体の深い場所などの治療に使います。逆に電子線の透過力は小さく治療できる深さには限度があり、皮膚の表面に近い場所や体の深い所に重要な臓器があり放射線を当てたくない時などに利用します。引用元:杏雲堂病院公式HP
https://www.kyoundo-hospital.jp/dep/shinryou_housyasen/linac/
杏雲堂病院の放射線治療は全身のあらゆる癌を対象としており、緩和的治療の一環として放射線を活用した痛みの軽減や癌の縮小、手術前後の処理などを行っています。
杏雲堂病院の緩和照射では「患者が自分らしく生きられるように援助する」という緩和ケア病棟理念にもとづいて実施。治療期間の短縮や副作用についての配慮、あるいは同じ部位に対する再照射といった患者ごとの治療プランを用意してくれます。
また、杏雲堂病院では放射線治療の利便性を考えて「通いやすさ」にも配慮し、日常生活を大切にしながら、放射線治療を受けられるように提案してくれます。家事や育児に忙しい女性でも安心して乳癌治療などを行えるでしょう。
例えば「乳房温存後の放射線療法」の場合、週5回×5週間=25回の治療が一般的です。(※患者さんの病態により異なる場合もあります)
仕事や子育てなど、日常生活を送りながら通院治療が可能ですが、途中で治療を止めてしまうと治療効果が下がってしまいますので、通いやすい病院選びも重要なポイントです。引用元:杏雲堂病院公式HP
https://www.kyoundo-hospital.jp/dep/shinryou_housyasen/linac/
光線力学療法(PDT:Photo-dynamic therapy)は光に反応する薬剤を患者の静脈へ注射した後に、レーザー光を照射して癌細胞を攻撃する治療法です。杏雲堂病院ではエキシマ・ダイ・レーザーを活用して初期子宮頸がん治療を行い、低出力レーザーによって患者への肉体的負担を軽減しながら、レーザー光と薬剤による相乗効果による癌への治療効果を追求しています。
治療後の子宮頸部の機能や形態についても副作用が抑えられるとされており、妊娠や出産を希望する妊孕性温存療法としても注目されている方法です。杏雲堂病院のPDTは主として20代~30代の女性患者などから多く希望されており、治療後3ヶ月で97%の病変消失が確認されているとのことです。
光線力学療法(Photo-dynamic therapy; PDT)とは、レーザー光に反応する薬剤を静脈注射した後に、レーザー光線を病変部に照射しがん細胞を壊すという治療法です。当院は、エキシマ・ダイ・レーザーを用いたPDTを、初期子宮頸癌の治療に用いた世界で最初の病院です。
(中略)
原則的に、子宮頸部高度異形成~子宮頸部初期癌が対象です。現在までに900例以上の症例を治療いたしましたが、治療後3ヶ月の効果判定で97%が組織学的に病変消失しております。引用元:杏雲堂病院公式HP
https://www.kyoundo-hospital.jp/dep/shinryou_fujinka/pdt/
杏雲堂病院では化学療法を行う専門部署として腫瘍内科を設立しており、様々な癌や悪性リンパ腫、また希少癌まで幅広い癌の治療を提供しています。
従来の抗がん剤治療だけでなく、内分泌療法や免疫療法まで様々な治療プランに対応。抗がん剤や分子標的薬などを組み合わせたオーダーメイドの治療プランを提案してくれます。
希少癌としては専門の医師による胚細胞腫瘍の診療を実施しており、2009年の開設から2020年までの期間で2300名以上の癌患者の治療が行われました。
参照元:杏雲堂病院公式HP
https://www.kyoundo-hospital.jp/dep/shinryou_syuyounaika/
杏雲堂病院で放射線治療(根治照射・緩和照射)を受ける流れについてまとめました。
初診として専門の放射線治療医が患者の状態や癌について診察し、各種検査結果を参考にしながら放射線治療の適応性や診療方針などを策定します。患者の都合によっては初診日に受ける検査やシミュレーションなどを分割し、日を分けて受けることも可能です。
治療計画は治療計画用CTによる画像診断結果にもとづいて、放射線治療シミュレーションと合わせてプランニングされます。また、照射ポイントとなる部位へ特殊インクによるマーキングを行い、治療に備えるという流れです。治療計画は20~30分程度で作成されます。診察がスムーズに進めば、初診日に計画書の作成まで完了します。
初診日の翌日以降から放射線治療がスタートします。治療初日は20~30分程度、2回目以降はおよそ10分の治療時間になっているようです。なお、治療中は常に医師が診察を行い、さらに治療後の状態確認やリスク対策として定期健診が行われます。
放射線治療を希望する人は「患者サポートセンター地域連携科(03-3292-2053)」へ電話して、初診予約を行ってください。なお、初診日は火曜日・水曜日・金曜日(午後のみ)となっています。予約にはかかりつけ医からの紹介状が必要です。
多くの治療は保険適用で行われます。なお、支払は現金やクレジットカード、デビットカード、さらに交通系ICカードなどキャッシュレス決済にも対応しています。
| 杏雲堂病院 | |
|---|---|
| 診療科目 | 総合内科 (内科、糖尿病内科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科)、腫瘍内科、泌尿器科、消化器外科、婦人科、乳腺外科、整形外科、放射線科、リハビリテーション科、病理診断科、麻酔科 |
| 診療時間 | 午前9:00~、午後13:30~ |
| 休診日 | 土曜日(第1・2・4・5)午前、土曜日午後、日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日まで) |
| 所在地 | 東京都千代田区神田駿河台1-8 |
| 電話番号 | 03-3292-2051 |
| ベッド数 | 160床(急性期一般病床80床、地域包括ケア病床40床、緩和ケア病床40床) |
| 年間治療患者数 | 癌診療実績:373名(2020年)、2009年~2020年の総計2308名 |
| 対応可能な治療方法 | 手術治療、放射線治療、化学療法 |
| 設備 | リニアック装置「高精度放射線治療装置 Elekta Synergy Platform」、80列CT、16列CT、1.5T(テスラ)MRI装置、治療計画用CT、GE社製の骨密度測定装置PRODIGYなど |
| URL | https://www.kyoundo-hospital.jp/ |