相模原エリアがん診療連携指定病院、茅ヶ崎市立病院
茅ヶ崎市立病院は湘南東部医療圏として構成される茅ヶ崎市・藤沢市・寒川町の相模原エリアにおいて、神奈川県がん診療連携指定病院として指定されている医療機関です。茅ヶ崎市立病院は相模原エリアにおける地域医療及び癌診療ネットワークの基盤を担う役割を与えられており、乳癌や肝癌など様々な癌の患者に対して癌治療の実施や癌情報の提供などを実施。また、2016年には乳癌専門の診療部門として乳腺外科を開設するなど、分野特化型の癌治療にも取り組んでいます。
茅ヶ崎市立病院では放射線治療科と放射線診断科がそれぞれ開設されており、栗原医師は放射線治療科の部長として高精度放射線治療装置「TrueBeam(トゥルービーム)」を活用した放射線治療を行っています。栗原医師は茅ヶ崎市立病院における放射線治療専門医として常勤医になっており、日本医学放射線学会放射線科治療専門医・研修指導医や日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医といった資格を有するプロフェッショナル。患者のために副作用のリスクや治療品質などを多角的に検証しながら治療計画の作成に努めています。放射線照射は短期照射を積極的に取り入れており、通院外来での治療継続をサポートしていることもポイントです。
茅ヶ崎市立病院は神奈川県がん診療連携指定病院としての責務を果たすため、放射線治療専門医など専門性を備えたドクターによる診療体制を構築。同時に、高精度放射線治療装置の導入や手術支援ロボット「ダヴィンチ」の導入など、積極的な医療設備の品質向上に取り組んでいます。特に2023年5月から導入した「TrueBeam(トゥルービーム)」は従来よりも高品質な放射線治療を実施できる医療機器であり、さらにTrueBeamの性能を活かせるよう、治療計画専用CT「AquilionLB」といった機器についても刷新していることは見逃せません。
高精度放射線治療装置「TrueBeam(トゥルービーム)」ではあらかじめ患者の癌について精密な画像診断とターゲッティングを行い、実際の放射線照射においても健康な臓器や細胞への被曝ダメージを軽減。ピンポイントで癌へ放射線のエネルギーを収束できるよう治療プランを構築することができます。
また、リアルタイムの画像モニタリングと動体追跡システムによって、呼吸によって動く肺のような臓器についてもトーレーシングすることが可能になっており、肺癌への高精度放射線治療といった治療法を実現しています。
令和5年5月より、新規放射線治療装置にて治療を開始することとなりました。今までの装置と比べ、格段に高精度かつ高出力になったので、治療効果向上と副作用軽減を兼ね備えた治療を短時間で行うことができます。また、呼吸に合わせて放射線をあてることができるようになったので、呼吸で動く部分に関しても、正常組織への影響は低減しつつ、かつ、治療対象には高線量を照射することができます。
引用元:茅ヶ崎市立病院 放射線治療科・放射線診断科
https://hosp.city.chigasaki.kanagawa.jp/kakuka/4000149.html
放射線治療の信頼性や精密性を向上するため、茅ヶ崎市立病院では放射線診断科においてDRシステムを活用した一般撮影やマルチスライス320列CT、3テスラMRIといった画像診断装置を導入。それらを使って放射線診断専門医やマンモグラフィ読影認定医といったプロフェッショナルが画像診断や各種検査を担当しています。
加えて、院内の医師だけでなく横浜市立大学とも連携しながら専門医によるサポートも受けており、一層の診断体制の強化と適正な診断体制の構築に取り組んでいることも見逃せません。かかりつけ医からの依頼で画像診断・読影検査だけを茅ヶ崎市立病院へ依頼することも可能です。
画像診断は、DRシステム(FPD)を使用した一般撮影、乳房撮影(デジタル)、X線TV検査(FPD)、CT検査(マルチスライス二台320列・16列の2台)、MRI検査(3T・1.5Tの2台)、血管撮影(2台)、核医学検査などを、各診療科の依頼のもと施行しています。
引用元:茅ヶ崎市立病院 放射線治療科・放射線診断科
https://hosp.city.chigasaki.kanagawa.jp/kakuka/4000149.html
治療計画CTのシミュレーションと画像モニタリングにもとづき、癌の形状と位置に合わせて多方向から3次元的に複数の放射線を照射する高精度放射線治療です。1本ごとの放射線強度は細胞へのダメージを抑えた低レベルに制限。ターゲットになる癌の位置でそれぞれの放射線を収束させることでエネルギーを集合させ、癌細胞を死滅させられる強度の照射量を実現します。
これにより周辺臓器や細胞への被曝ダメージを回避しながら、効果的に癌治療が可能です。
なお、茅ヶ崎市立病院の高精度放射線治療装置では5種類の電子線と5種類のX線を照射可能であり、治療部位に応じて適切なエネルギー選択かできるため、全身のあらゆる癌に対応しています。
当院装置は5種類のX線、および5種類の電子線が使用できます。治療部位に応じ、最適なエネルギー選択を可能にし、全身の腫瘍に適応できます。
引用元:茅ヶ崎市立病院 放射線治療
https://hosp.city.chigasaki.kanagawa.jp/kakuka/houshasen/4000191.html
茅ヶ崎市立病院では低侵襲手術を高度なレベルで叶える医療機器として、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を2023年7月よりスタートさせています。
ダヴィンチは高精度デジタルカメラを搭載したロボットアームを含めて、複数のロボットアームを搭載している支援ロボットです。インテュイティブ・サージカル社が定めるトレーニングを修了した医師の遠隔操作によって、人間の関節可動域を超越した動きで手術部位へのアプローチを行います。また術野を3次元デジタルカメラと高精細モニターによって拡大表示することにより、手術の精密性と安全性を高めており、ダヴィンチを使ったロボット支援下手術では内視鏡手術レベルの低侵襲性を維持したまま、開腹手術レベルの治療効果を再現できる点が強みです。
「ロボット支援手術」とは、執刀医がロボットをコントロールしながら行う低侵襲手術(患者さんの体への負担が少ない手術)のことです。当院が導入している「ダヴィンチ」は1999(平成11)年にアメリカFDA(食品薬品局)の許可を受けて以降、普及が進み、現在世界での臨床実績は年間約150万例。この手術を受けた患者さんも延べ1,000万人を超えています。(2022(令和4年)1月現在)
引用元:茅ヶ崎市立病院 手術支援ロボット「da Vinci」導入について
https://hosp.city.chigasaki.kanagawa.jp/4000002/4000448/4001255.html
茅ヶ崎市立病院で放射線治療を受ける流れについてまとめました。
放射線治療科において、放射線治療専門医が診察を行い、主治医であるドクターの意図や患者の希望を踏まえた上で放射線治療の適応性を診断します。また、副作用のリスクや治療法についてもインフォームドコンセントを徹底し、通院外来の利便性なども考慮。患者にとって最適と思われるプランを検討してくれます。
治療計画専用CTを使って癌の状態を正確に診断し、それに合わせて放射線治療計画を作成します。実際の放射線照射は必ず治療計画に則って実施され、治療期間中の定期診察によって治療効果の有無や副作用の程度を確認しながら治療計画へフィードバックします。
茅ヶ崎市立病院の放射線治療は基本的に平日の5日間で毎日実施され、治療回数や治療期間は患者によって異なる点に注意してください。
放射線治療科の診察や放射線治療については予約制が採用されており、患者支援センターを通じて放射線治療科へ直接予約を取ることが可能です。ただし、放射線治療科の診察日は月曜・火曜・木曜日の朝9時と10時に設定されている点は要チェック。なお緊急性の高い場合は放射線治療科へ相談することができます。
ガイドラインにもとづいて行われる標準治療は保険適用となります。治療費は治療期間や治療内容によって異なるため、疑問のある人は事前に主治医や癌相談センターのスタッフへ相談して確認するようにしてください。
茅ヶ崎市立病院 | |
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診療科目 | 内科系、外科系、放射線治療科・放射線診断科、精神神経科、リハビリテーション科、産婦人科など28診療科(令和5年4月時点) |
診療時間 | 平日9:00~17:00 |
休診日 | 土曜日・日曜日・祝日・年末年始 |
所在地 | 神奈川県茅ヶ崎市本村5-15-1 |
電話番号 | 0467-52-1111 |
ベッド数 | 401床(令和5年4月時点) |
年間治療患者数 | 総延患者数:318,938人(令和4年度)、309,425人(令和3年度) |
対応可能な治療方法 | 手術治療、放射線治療、化学療法 |
設備 | 放射線治療装置(リニアック)、CT、MRI、手術支援ロボット(ダヴィンチ)など |
URL | https://hosp.city.chigasaki.kanagawa.jp/index.html |