
東京西部エリアの癌治療を支える、杏林大学医学部付属病院
杏林大学医学部付属病院は、2022年12月時点において東京都西部を占める多摩地域で唯一の大学医学部付属病院です。厚生労働省が承認する高度医療提供が可能な特定機能病院に指定されています。また、がん診療連携拠点病院としても指定を受けており、癌ケアに関する総合診療環境を整備するため「がんセンター」を設立して、癌患者の体だけでなく精神面まで専門家が寄り添える体制を築いています。
江原医師は、杏林大学医学部付属病院の放射線治療科で診療科長を務める医師です。また杏林大学医学部放射線腫瘍学教室を牽引する教授として、放射線腫瘍学分野を学ぶ後進の育成にも取り組んでいます。放射線照射装置を活用した根治的照射から、緩和ケアを前提とした照射まで多角的な放射線治療を専門としており、医学博士として放射線治療の研究・開発や学会活動などにも尽力しています。
現代医学が標準治療として提供する放射線治療だけでは治療困難と思われる症例に対しても、専門家として患者のQOL向上を前提とした適切な集学的治療プランの検討をしてくれます。
杏林大学医学部は教育機関として癌治療の専門家を育成しながら、癌研究を進めることで国内外の癌治療に貢献。多摩地域におけるがん診療連携拠点病院として指定も受けています。東京都の西部エリアで暮らす癌患者のため、高品質な医療環境を整えられるよう積極的に医療設備の導入にも力を入れています。
例えば、放射線治療に関しては従来の放射線照射システムよりも一層の効果を追求した、高性能放射線治療システム「エレクタバーサーHD」を導入しており、高精度放射線治療を活用で患者のケアを行います。
杏林大学医学部では2019年に放射線治療設備に関する刷新を行っており、高精度放射線治療装置の導入などによって従来の放射線照射よりも治療効果を期待できる放射線治療を実践しています。
高精度放射線治療の例としては、患者の癌細胞に対して多方向から低レベル放射線照射を行い、ターゲットの癌組織でエネルギーを収束させて治療効果を発揮させる定位放射線照射があります。また、癌の形状など条件に合わせて放射線照射強度を調節しながら必要十分かつ最低限の放射線照射を行う強度変調放射線治療など、低侵襲性と治療品質の両面を追求したものが挙げられるでしょう。
治療対象となる癌についても、全身の様々な癌及び腫瘍について可能性が期待されており、脳腫瘍から希少癌まで様々な癌患者の相談に対応できる応用力も強みです。
当院では2019年にさまざまな最新の治療機器が導入されました。これらを用い、病変部に放射線をより集中させ、かつ、周囲の正常組織の被ばくを下げる治療に取り組むことで、精度の高い、体への負担の少ない放射線治療を目指しています。そのために高精度放射線治療と言われるピンポイント照射(定位放射線治療)、強度変調放射線治療(IMRT)を積極的に活用しています。
引用元:杏林大学医学部付属病院 放射線治療科
https://www.kyorin-u.ac.jp/hospital/clinic/others13/
定位放射線照射を行うに当たって、ターゲットになる癌細胞へピンポイントで放射線を照射し、それぞれの低レベル放射線を正確に収束させることは不可欠な要素です。一方、呼吸に応じて運動する肺のように、人体の内部には意識的に動きを止められなかったり、長時間ずっと固定しておくことが困難だったりする臓器もあり、その周辺で臓器に連動して動く癌について位置を追跡することは困難とされていました。
しかし杏林大学医学部付属病院では、高精度の画像モニタリングシステムと追跡システムによって、リアルタイムで癌の位置情報をトレースする画像誘導システムを構築しており、呼吸しながらでも患者に放射線照射を行える「呼吸同期照射」といった治療法も実践されています。
その他、放射線を発生させる装置を患者の体に挿入して、ダイレクトに放射線を癌へ当てて治療する小線源治療など、様々な治療が実践されています。
杏林大学医学部では2008年にがん診療連携拠点病院として指定されたことをきっかけに、化学療法を行っていたかつての「腫瘍センター」の機能や設備を刷新して、癌治療から相談・支援まで総合的な医療サービスを提供する「がんセンター」を設立しました。
がんセンターでは、全ての診療科と薬剤部、看護部、さらに緩和ケアチームや相談支援センターなどが連携して、癌患者の診療から外来化学療法や通院治療などを総合的にバックアップしています。
また、地域の癌治療の総合な下支えも行っており、難治癌の癌治療に対しては臨床試験を推奨するなどあらゆる可能性に目を向けた対応を行っています。
手術、放射線療法、化学療法、緩和治療などがん治療に関わる診療について、診療科の枠組みを超えた包括的がん治療を提供します。また、科学的根拠に基づく治療、安心して受けられる治療を行うため、常に最新のがん診療の情報を検討し治療方針を見直します。地域での安心したがん治療の推進を図るため、地域医療連携と共に地域の病院や診療所との連携を行います。
難治がんにおける治療については臨床試験を積極的に推進します。がんと診断されてから必要に応じた緩和ケアの実施を行います。引用元:杏林大学医学部付属病院 がんセンター
https://www.kyorin-u.ac.jp/hospital/clinic/center08/
杏林大学医学部がんセンターの取り組みとして、癌患者のみならず先天的に癌の発生リスクが懸念される人々に対して、遺伝的アプローチに根ざした診療サポートを行っていることも特徴です。
遺伝性腫瘍外来は完全予約制の診療部門であり、特に遺伝性腫瘍をターゲットにした検査や診療を提供しています。乳腺外科や産婦人科、腫瘍内科、消化器外科といった各診療科が連携して遺伝カウンセリングと遺伝子検査を実施。さらに倫理審査委員会による判断にもとづき、予防的な臓器切除の検討も視野に入れていることがポイントです。
当院でも、乳腺外科、産婦人科、消化器外科、腫瘍内科など関連する各科によって、遺伝カウンセリングと遺伝子検査ができる体制が整っております。平成31年度には予防的な臓器切除も行えるように、倫理審査を含めた準備を進めています。
400万人圏を有する多摩地区ですので、遺伝性腫瘍への診療体制を整備し、潜在するがん患者や遺伝子変異の保因者に適切な医療や指導を提供することは極めて重大な使命です。引用元:杏林大学医学部付属病院 「遺伝性腫瘍外来」について
http://www.kyorin-u.ac.jp/hospital/introduction/news_archive/news_detail-932.html
杏林大学医学部付属病院で放射線治療を受ける流れについてまとめました。
杏林大学医学部放射線治療科では、月曜日から木曜日が診療日になっており、主治医を通して放射線診断医及び放射線治療医による画像診断や診断を受けます。治療適応と診断された場合は、およそ数日以内で放射線治療を開始できるなど、スピード感のある診療体制が整えられていることも強みです。
従来のマルチスライスCTを進化させたCTスキャナ装置「Aquilion Precision」などを使って、癌治療のプランニングを行うための画像診断・検査が実施。そして得られたデータにもとづいて、それぞれの癌患者の適性や癌の状態に応じた放射線治療計画が策定されます。
放射線照射は通院外来によって行われる他、入院が必要な場合は各診療科で入院した上で治療を受けるといったことになるでしょう。実際の放射線治療では診療放射線技師と専門看護師が放射線治療医の策定したプランに則り、リアルタイムの画像モニタリングを併用しながら放射線照射を実施します。
放射線治療科の診療については、各診療科の主治医や担当医を通して受診手続きのため、まずはそれぞれの主治医などに相談してください。なお、かかりつけ医がいない場合などは患者支援センター地域医療連携係などへ相談も可能です。
保険適用の治療についてはあらかじめ主治医や相談員などに確認しておきましょう。なお、初診には原則として紹介状が必要であり、紹介状がない場合は別途7,700円(税込)が請求されます。
| 杏林大学医学部付属病院 | |
|---|---|
| 診療科目 | 呼吸器内科、リウマチ膠原病内科、腎臓内科、脳神経内科、循環器内科、乳腺外科、小児外科、脳神経外科など |
| 診療時間 | 平日8時30分~12時00分 土曜8時30分~11時00分 |
| 休診日 | 日曜、祝日、11月第2土曜日(学園創立記念日代替日)、年末年始(12月29日~1月3日) |
| 所在地 | 東京都三鷹市新川6-20-2 |
| 電話番号 | 0422-47-5511 |
| ベッド数 | 1,055床 |
| 年間治療患者数 | 2022年度統計:外来患者数1日平均1,986人、入院患者数1日平均724人 |
| 対応可能な治療方法 | 手術治療、放射線治療、化学療法 |
| 設備 | 超高精細CTスキャナ装置「Aquilion Precision」、超音波診断装置「EPIQ CVx」、高性能放射線治療システム「エレクタバーサーHD」、眼科用リアルタイム映像システム(NGENUITYR3Dビジュアルシステム)など |
| URL | https://www.kyorin-u.ac.jp/hospital/ |