このページでは、良性腫瘍と悪性腫瘍の違いについて、それぞれの特徴や注意点などにもとづきながら詳しく解説しています。癌治療や転移癌に関する知識を得たいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
体内の臓器には様々な部位で腫瘍が発生する可能性もありますが、一般的に癌と診断される腫瘍は「悪性腫瘍」であり、それ以外の腫瘍は「良性腫瘍」として必ずしも治療を行うべきとは限りません。
例えば、加齢にともなって腕に新しくホクロができたとして、それが常に皮膚癌と診断されるというわけではありません。ただし、成人以降に新たに現れたホクロや、急速に形・色が変化するホクロは皮膚癌(特に悪性黒色腫)の兆候であることもあり、注意が必要です。
癌として直ちに治療が必要とされる腫瘍が悪性腫瘍であり、良性腫瘍は現時点で治療の必要がなかったり、生命に悪影響を及ぼさなかったりする腫瘍を指します。
ただし、良性腫瘍といっても体に変化が生じていることは事実であり、良性だからといって無視して良いとはならないことも覚えておきましょう。
良性腫瘍と悪性腫瘍を区別するポイントとして、代表的な3点をご紹介します。
癌(悪性腫瘍)の特徴として、通常の細胞よりも活発に増殖して広がっていくという点が挙げられます。そのため、腫瘍が良性か悪性かを見極める上で、腫瘍細胞の増殖スピードは重要な指標といえるでしょう。
良性腫瘍の場合、通常の細胞と同じように緩やかな速度で増殖したり、またはほとんど増殖しなかったりするため、短期間で大きな変化は認められません。一方、悪性腫瘍は急激に増殖し、周囲の細胞にも悪影響を及ぼします。また、腫瘍の代謝活性や血流分布などは、画像診断(CT、MRI、PETなど)や病理検査を通じて悪性度の評価にも利用されます。
一般的に、良性腫瘍では腫瘍の形状が整っており、腫瘍と周辺組織の境目も比較的綺麗な状態になっていることが多いとされています。これは、良性腫瘍が通常の細胞と同様に増殖して生まれた結果であり、一定の規則性に従って増殖していることが理由です。
それに対して悪性腫瘍では不規則な増殖の仕方をしたり、一部に偏って増殖したりするため、一般的な腫瘍や組織と比較して周辺が不明瞭であったり、全体的にいびつな形状をしているケースが少なくありません。
浸潤とは、上皮細胞の上に発生した癌細胞が、その下部の組織や周辺の臓器などへ広がって、奥へ奥へと入り込んでいくことを指します。
癌が進行すると組織や臓器の表面から、やがて筋肉や骨といった組織にまで浸潤していき、やがて血管やリンパ管などを通って癌細胞が他の臓器へ転移するリスクも増大します。
つまり、腫瘍の浸潤の有無は、それが良性腫瘍か悪性腫瘍かを見極める上で重要なポイントとなるでしょう。
ただし、すでに述べた通り、癌細胞の浸潤は癌の進行度と相関しており、悪性腫瘍であっても初期の頃は浸潤が進んでいない場合もあります。そのため、現時点で腫瘍細胞が浸潤していないからといって、それが良性腫瘍に間違いないと安易に即断することは危険です。
良性腫瘍だと診断された腫瘍であっても、例外的に悪性化することが報告されているケースもあるため、定期的な癌検診などによって状態を観察していくことが大切です。
腫瘍が発見されたとして、現時点では悪性でなく良性腫瘍と診断されることも珍しくありません。しかし、実は悪性であることを見落としていたり、または稀に良性腫瘍が悪性化したりといったリスクも考えられます。
そのため、例えば気になるホクロやできものなどが生じた場合、速やかに病院へ行って医師の診断を受け、またその後に変化が感じられれば改めて癌検診などを受けるといった取り組みも重要です。