
一人ひとりを支えながら最善の結果を目指す国保旭中央病院
国保旭中央病院は地域内のがん患者さんに対し良質な医療を提供するための「地域がん診療連携拠点病院」です。
院内では各診療科の医師だけでなく、技士や栄養士、社会福祉士といったさまざまなスタッフが患者一人ひとりの状態を共有し、適切な治療法を検討。手術治療・放射線治療・化学療法を組み合わせた治療プログラムで最良の結果を目指します。
また、治療の際に目指すのは、単に「できるだけ長らえること」だけではありません。国保旭中央病院では、患者本人やご家族の心も尊重し、治療の早期から緩和ケアを実施。QOL(生活の質)を保ちながら、治療に臨める環境を整えています。
平成8年に北海道大学卒業。日本医学放射線学会研修指導者、日本医学放射線学会放射線診断専門医、日本核医学会核医学専門医、日本核医学会PET核医学認定医、日本インターベンショナルラジオロジー学会IVR専門医など多くの資格を持つ放射線科医師。
国保旭中央病院では正確な病態把握のため、CT・MRIやマンモグラフィに加え、より精度の高い診断機器である「PET-CT」を備えています。
また、医師や看護師らが定期的に集まって患者の治療に関する情報を交換する会合も実施。身体的な治療の面のみならず、不安の解消や就労支援といった精神的・社会的ケアも見据え、総合的なサポートを行っています。
さらに、精密かつ侵襲の少ない手術のための手術支援ロボット「ダヴィンチ」や、国産の高精度放射線治療機器である「Vero4DRT」などの治療機器を導入。きめ細やかな連携と優れた医療設備の合わせ技で、患者にとって最善の治療を目指します。
国保旭中央病院ではさまざまな方法で癌の治療に取り組んでいます。この項目では、治療法の一例である「IMRT」について解説します。
体内にできる腫瘍はいびつな形をしていることが少なくありません。特に厄介なのが腫瘍が正常な部位を取り囲むように存在している場合や、腫瘍のすぐそばに重要な臓器がある場合。このようなケースで腫瘍に対して高線量の照射を行うと、正常な部位にもダメージを与えてしまい合併症のリスクが高まります。
そのため、従来は理想的な線量での照射ができず、思うように治療効果が上げられないことがありました。こうした課題を解決し、腫瘍の部位「だけ」に放射線を集中的に照射することを可能にした技術が「IMRT(強度変調放射線治療)」です。
IMRTでは、その名の通り放射線の強度を「変調」することが可能。まず、コンピューターが腫瘍の状態を分析し、数万通りの中から強度パターンを割り出します。さまざまな角度から異なる線量の放射線を照射することで、正常な部位を避け、標的となる腫瘍だけに高い線量を与えることが可能なのです。
国保旭中央病院では京都大学医学部附属病院放射線治療科と三菱重工が共同開発した「Vero4DRT」という医療機器を用いてIMRTを実施しています。
患者はあらかじめ決めた体勢でベッドに横になり、その周りを囲む円状の装置から放射線が照射されます。照射中は装置そのものが回転するため、患者さんは体を動かすことなく、病変のある部分のみに正確な照射を受けることが可能です。
また、Vero4DRTには患者さんの呼吸によるわずかな病変部位の揺れを自動で把握して照射位置を補正する「動体追尾照射機能」が備わっています。この機能により、従来は難しいとされてきた肺などの部位にも照射を行えるようになりました。
IMRTは食道や肺、膵臓、子宮など、全身のさまざまな部位に発生する癌に対して適応が可能です。ただし、どのような癌にも無条件でIMRTでの治療が行われるわけではありません。どの治療法が用いられるかは、患者一人ひとりの状態によって個別に判断が行われます。
前立腺癌
治療の選択肢としてIMRTが適用されやすい癌には、前立腺癌が挙げられます。
前立腺癌は男性の膀胱の下に位置する前立腺という臓器に発生する癌です。比較的進行が遅いため早期に発見した場合は根治も可能ですが、進行すると骨に転移し、血尿や腰痛といった症状を生じることがあります。
前立腺は尿道を取り囲むように存在するうえ、すぐ隣には膀胱や直腸が存在します。こうした臓器を守りつつ十分な線量を与えることができるので、前立腺癌の治療にはIMRTが有用な場合が多いのです。
たとえば前立腺の場合、後ろには直腸が接しています。IMRTでは、直腸への線量はおさえながら前立腺に集中してより高い線量の放射線を照射することが可能になり、副作用を抑えつつ、治癒の可能性を高める治療が可能になります。
引用元:国保旭中央病院ホームページ「高精度放射線治療とは」
https://www.hospital.asahi.chiba.jp/xproceed/xcure/index.html
国保旭中央病院で放射線治療を受ける流れについてまとめました。
放射線治療では放射線腫瘍医・医学物理士・放射線技士・看護師がチームを組み、他科と連携を取りながら治療にあたります。
今後の治療方針について相談するとともに、治療計画・CT撮影・治療の予約を行います。また、実際に治療を開始する前に、想定される副作用や対策方法についての説明を行なってくれます。
治療を想定した体勢でCT撮影を行い、その結果を元に治療計画を立案。計画作成時には放射線技師・医学物理士が検証を行い、正確な位置に照射を行うための準備を整えます。
治療計画時に決めた姿勢でベッドに横になります。正確な治療を行うため、あらかじめマーキングした位置と体勢がきちんと一致していることを確認してから照射を実施。
治療1回あたりの所要時間は、通常の外照射で10分、IMRTで20分ほどです。土日祝日を除く週5日治療を行い、予定した回数に達するまで継続します。
旭中央病院では、診療科によって予約のルールが異なります。初診でも予約が必須の科もあれば、反対に初診時の予約を受け付けていない科もあるため注意が必要。電話対応が可能な時間も科によって異なるため、電話予約をする前に病院のホームページを確認してください。
また、初診の際は原則として紹介状が必要です。紹介状がない場合は初診時選定療養費として5,500円が必要となります。
なお、院外から直接放射線治療の予約を取る場合は、紹介元の医療機関からの電話予約及び、画像や診療情報提供所といった資料が必要です。
《予約方法》
電話:0479-63-8111
予約受付:科によって異なります
例1:外照射 (3DCRT)
(例)食道がん 30回照射の場合…(管理料(2回分)+専任加算+医療機器安全管理料) +画像誘導放射線治療加算 145,300円 + 照射料(30回) 452,000円 = 約59万7,300円、健康保険の自己負担額が3割の場合で 約179,190円
例2:強度変調照射(IMRT)
(例)前立腺がん36回照射の場合…(管理料(1回分)+専任加算+医療機器安全管理料) 64,300円 + 照射料(37回) 1,258,000円 = 約132万円、健康保険の自己負担額が3割の場合で 約40万円
| 地方独立行政法人総合病院 国保旭中央病院 | |
|---|---|
| 診療科目 | 内科・外科・化学療法内科・脳神経外科・放射線科・緩和ケア内科など、40科 |
| 診療時間 | 初診外来受付時間 7:45~11:00 |
| 休診日 | 土曜・日曜・祝日・年末年始 |
| 所在地 | 千葉県旭市イの1326 |
| 電話番号 | 0479-63-8111 |
| ベッド数 | 989床 |
| 年間治療患者数 |
※参考2019年診療実績 CT 46,082件 MRI 16,363件 アイソトープ 2,066件 PET-CT 1,613件 マンモグラフィ 1,797件 リニアック 13,083件 腔内照射 126件 |
| 対応可能な治療方法 | 3DCRT、IMRT、定位照射、小線源治療、腔内照射、小線源永久挿入療法、ストロンチウム内用療法など |
| 設備 | リニアック、Vero4DRT、ダヴィンチサージカルシステムなど |
| URL | https://www.hospital.asahi.chiba.jp/ |