いちから分かる癌転移の治療方法ガイド

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東京都立墨東病院

東京 放射線治療 手術 化学療法
東京都立墨東病院のキャプチャ
引用元:東京都立墨東病院公式HP
https://www.tmhp.jp/bokutoh/

地域がん診療連携拠点病院だからこそのサポート力!東京都立墨東病院

東京都立墨東病院は平成29年より地域がん診療連携拠点病院として、5大がんをはじめ臓器別に専門分野を定めており手術治療・化学療法・放射線治療などを集中的に行える場を提供しています。さらに、がんに関するセカンドオピニオンや相談支援センター、緩和ケアなど幅広い分野をサポート。地域の医療従事者に対し、緩和ケア研修の開催も行っています。医師やがん性疼痛認定看護師らによる緩和ケアチームを発足しており、質の高い医療提供を目指している病院です。

東京都立墨東病院の医師

松岡 勇二郎東京都立墨東病院 診療放射線科部長

昭和57年に宮崎医科大学(現:宮崎大学)を卒業後、平成17年には東京大学大学院を修了した医師です。現在では東京都立墨東病院の診療放射線科部長を務め、医療連携担当・研修医指導医としての役職も担っています。画像診断・diagnostic radiologyを専門領域とし、日本医学放射線学会の放射線診断専門医などの資格を保有。これまでに様々なケースに対応してきた実績があり、専門的な視点で病状に応じて検査・治療を実施してくれるでしょう。

目次

東京都立墨東病院の特徴

充実した設備とキャンサーボードを開催

東京都立墨東病院では地域がん診療連携拠点病院として、高度な医療が提供できるよう充実した施設・設備を完備しています。プライバシーに配慮した化学療法室や放射線治療装置(リアニック)、手術支援ロボット(ダビンチ Xi)などの設備が整っており、状況に合わせた治療ができる体制になっているでしょう。

また医師や専門のスタッフなどが、がん患者の症状・治療方針を検討し意見交換する場であるキャンサーボードを実施しています。従来の枠にとらわれることなく、職域の垣根を超えたディスカッションをすることで、患者に合う治療プランを決定しています。院外から検討希望症例も受理している病院です。

東京都立墨東病院の治療方法

放射線治療

IMRTで幅広いがん治療に適応

IMRTは強度変調放射線治療のことで、従来の放射線治療よりも線量分布を複雑にすることができ、周囲にある重要な臓器の線量を抑制でき、正常な臓器への負担を大幅に減らせると言われています。一方でターゲットとなるがん細胞に対しては十分な線量を与えることができ、より高い治療効果が期待できるでしょう。

東京都立墨東病院では2020年度よりIMRTを実施しており、前立腺がん・肺がん・婦人科がん・頭頸部がん・脳腫瘍など幅広いがんに対し適応を拡大しています。

IMRTの副作用や治療方法

IMRTは、比較的副作用のリスクは低いと言われています。手術と違い体を傷つけることもなく、正常な組織への放射線照射も抑えることができるので、余計なストレスを最小限に抑えられるでしょう。

たとえば前立腺がんの治療であれば、受付から帰宅するまで30分~1時間程度でしょう。とくに入院する必要もないので、仕事や日常生活への影響も抑えることが可能です。通院だけで治療ができるのは、IMRTのメリットと言えるでしょう。前立腺がんであれば、治療期間は6~8週間ほどとなっており、症状に合わせて治療期間は変動します。

ターゲット(腫瘍)の形状が不整形で複雑な場合、従来法の放射線照射法では腫瘍周囲の正常組織や臓器にも腫瘍と同じ線量が照射されてしまい、腫瘍制御率を高率に維持しながら合併症を低く抑えることが困難でした。強度変調放射線治療(IMRT)は、コンピュータの助けを借りて腫瘍のみに放射線を集中して照射できる革新的な照射技術です。これにより合併症を軽減しながら根治性を高めるといった従来では実現不可能であった放射線治療が展開できるようになりました。

引用元:京都大学医学部付属病院
https://radiotherapy.kuhp.kyoto-u.ac.jp/introduction/強度変調放射線治療imrt.html

定位放射線治療

定位放射線治療とは、がん病巣に多方向から放射線を照射することで線量をターゲットに集めて治療する方法です。一度の放射線照射で高線量を照射できるという特徴があります。ただ放射線を集中して照射するため、照射部位を精密に合わせなければなりません。また照射中は体が動かないように固定するといった対応で、正確に照射できるよう努めています。

東京都立墨東病院では原発性・転移性肺腫瘍だけでなく、2020年よりオリゴ転移に対する定位放射線治療も開始しています。

定位放射線治療の副作用と費用

基本的に副作用がほとんどなく、あっても軽度で済むケースが多いようです。ただし中には、治療期間が終わってしばらくした後で皮膚炎や肺炎の症状が起こることがあります。

一部のがんに対し、保険診療適用となっているため、費用に関しては事前に相談しておくようにしましょう。

定位放射線治療(SRT)とは、病巣に対し多方向から放射線を集中させる方法です。定位照射、ピンポイント照射とも呼ばれます。通常の放射線治療と比較し、周囲の正常組織にあたる線量を極力減少させることが可能です。1回照射で終わる場合を特別に定位放射線手術(SRS: Stereotactic Radiosurgery)といい、小さな病巣に有効な治療法です。

引用元:がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/radiotherapy/rt_03.html

ロボット手術

ダビンチによる低侵襲手術

低侵襲の技術を活用し、複雑な手術であっても体への負担を抑えることができるよう開発されたダビンチ。高画質カメラで視野を確保し、立体的な3Dハイビジョンシステムを用いて手術の手元を把握できます。人間の手の動きを再現できるため、手首に装着した器具を動かすことで緻密な手術も実施可能です。

ロボット支援手術を行う医師はトレーニングを積み、資格を取得した医師が操作を実施します。

ダビンチ手術の対象

東京都立墨東病院では前立腺がん・胃がん・直腸がん・子宮良性腫瘍・初期の子宮体がんの手術おいて、ダビンチが活用されています。今後、すい臓がん・肺がんなどへの拡大も視野に入れており、ロボット治療を幅広いがんに適用できるように取り組んでいるようです。

診療科の担当医・麻酔科医・看護師・臨床工学技士などのスタッフがチームとなり、ワンチームとして安全・正確なロボット手術を目指しています。もし治療前にロボット手術に対する不安や疑問があれば、担当医が丁寧に答えてくれるでしょう。

その他の治療

キャンサーボードやカンファレンスなど

手術や放射線などの治療に関わる医師をはじめ、専門のスタッフなどが集まり、がん患者の治療方針や症状などの意見交換を行う検討会のことを「キャンサーボード」と呼びます。東京都立墨東病院では月に一度キャンサーボードを開催しており、院内だけでなく、地域の医療にも開いた内容になっているのが特徴的です。院外の医療スタッフも参加し、自由に検討する希望症例も挙げることができ、今抱えている悩みをディスカッションできます。ほかにも肝胆膵がん症例検討会や肺がんカンファレンスも実施しており、専門領域を絞って症例の症状や治療方針を多角的な視点でディスカッションしています。

また「がん相談支援センター」も設置しており、がん患者や家族への悩み・不安を気軽に相談できる環境となっています。医療ソーシャルワーカーや看護師が相談に対応しており、相談内容に合わせて、適宜、医師・薬剤師・心理士など専門スタッフや関係の機関と連携体制を整えてくれるでしょう。費用自体は無料となっているため、誰もが気軽に話すことができます。ただし面接による相談は要予約制になっているので、事前に予約取得が必要です。

他にも緩和ケアもあり、医師・看護師・医療ソーシャルワーカー・薬剤師・心理士などの専門スタッフがチームを組み、がん患者や家族のQOL向上のためにサポートしてくれるでしょう。体や心のつらさ、医療費や退院後の生活の心配事など少しでも悩みが解決できるよう話し合いながら適切な方法を提案してくれます。

東京都立墨東病院の施術について

東京都立墨東病院で放射線治療を受ける流れについてまとめました。

放射線治療の流れ

診察

まずは専門の診療科を受診し、放射線治療が必要かどうかを判断してもらいます。放射線治療が適用となった場合には医師の判断のもとで治療計画を立案。放射線照射部位や回数などを各々の状況にあわせて決定していきます。

治療

立案した治療計画に基づき放射線治療を開始。体調を都度確認しながら、照射していきます。もし体調に異変があった場合には、必ず医師や看護師に伝えましょう。状況によっては照射を中止することもあります。

予約方法

東京都立墨東病院では他の病院やクリニックからの紹介にも対応しています。放射線の検査・治療を希望する場合はFAXを送信してください。もし不明な点があれば、受付時間内に担当者まで連絡しましょう。

《予約方法》

電話:03-3633-6151(代表) 内線2325

予約受付:月~金9:00~16:00

治療費について

治療費に関しては直接病院へお問い合わせください。

東京都立墨東病院の基本情報

地方独立行政法人 東京都立病院機構 東京都立墨東病院
診療科目 内分泌代謝内科、脳神経内科、血液内科、消化器内科、呼吸器内科、腎臓内科、総合診療科、循環器科、神経科、小児科、外科、心臓血管外科、呼吸器外科、整形外科、脳神経外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、新生児科、内視鏡科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、リウマチ膠原病科、診療放射線科、歯科口腔外科、感染症科、救命救急センター、救急診療科、集中治療科、麻酔科、輸血科、検査科
診療時間 要問合せ
休診日 要問合せ
所在地 東京都墨田区江東橋4-23-15
電話番号 03-3633-6151
ベッド数 765床(2023年5月18日調査時点)
年間治療患者数 放射線治療部門のリニアック治療において2020年度320人
対応可能な治療方法 手術治療・化学療法・放射線治療など
設備 放射線治療装置(リニアック)、手術支援ロボット(ダビンチ Xi)など(2023年5月18日調査時点)
URL https://www.tmhp.jp/bokutoh/