公立藤岡総合病院は、厚生労働省が定める地域におけるがん診療連携拠点病院の認定を受けています。対応するのは五大がんと呼ばれる胃癌、大腸癌、肝臓癌、肺癌、乳癌をはじめ、胆道癌や膵臓癌など多岐にわたり、手術や化学療法、放射線治療、緩和ケアなどを診療ガイドラインに沿って実施します。
特に早期に胃癌、大腸癌に対してはESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)やEMR(内視鏡的粘膜切除術)、ポリープ切除としった内視鏡治療を積極的に実施。救急疾患も多く受け入れているので、吐血や下血、感染症など癌の合併症に対しても迅速な処置が可能です。
呼吸器内科では肺癌をはじめ、悪性中皮腫や縦隔腫瘍などの腫瘍性疾患に対応。十分なインフォームドコンセントを行なった上で、適切な治療法を選択します。近年登場した分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などの新薬を積極的に取り入れ、進行性肺癌の治療成績を飛躍的に向上させています。また、呼吸器系癌のカンファレンスを随時開催して効果的な治療を目指す一方、緩和医療にも注力する一面を持ちます。
泌尿器科では腎臓や尿管、膀胱、前立腺、精巣などほぼすべての泌尿器系癌に対応。2015年からは腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術を行なう医療機関として施設認定を受けています。
公立藤岡総合病院のがん治療実績
公立藤岡総合病院の院内がん登録統計によると、2018年の登録件数は合計830件、もっとも多いのは結腸癌の132件で、次いで前立腺癌の106件、肺癌の102件、胃癌の99件となっています。
公立藤岡総合病院のがん治療方法
放射線
治療
化学療法との併用や高度放射線治療機器の導入で治療成績を向上
癌の代表的な治療法には、標準治療とされている手術、化学療法、そして放射線治療の3つがあります。
放射線治療は患部を切除する手術のような治療ではないので、基本的に身体の形態や機能を損なうことなく治療できるのが特徴です。身体に与える負担も手術に比べて低いので、高齢者や合併症がある患者さんでも比較的安全に治療できるのもメリットといえるでしょう。
近年の放射線治療は、化学療法との併用で高い治療効果が得られるようになっています。また、放射線治療機器の進歩によって安全性が高く高度な治療が可能になったので、放射線治療を選択される癌患者さんは増加傾向にあります。
放射線治療は単独で実施する場合と手術や化学療法と併用する場合がありますが、根治を目的とするほか、癌の症状を軽減して苦痛を緩和する治療としても活躍しています。治療方法には一般的な外部照射と腔内照射などの特殊な方法がありますが、公立藤岡総合病院で行なっているのは外部照射です。X線や電子線を一定の時間をかけて体外から照射する方法で、通常のレントゲン写真を撮影する場合と同様、痛みなどを感じることはありません。
公立藤岡総合病院で導入している放射線治療機器は、世界中で4,000台以上もの導入実績を誇る米国・バリアン社の「CLINAC iX」。高度な画像誘導放射線治療技術が盛り込まれ、多彩な治療オプションを有する高度な放射線治療装置です。
特殊な照射方法の放射線治療を要する場合は、群馬大学付属病院と連携して患者さんに適した治療を受けることができるよう対応しています。
公立藤岡総合病院の施術について
公立藤岡総合病院の放射線治療とそれに伴う診療は、入院棟で実施しています。
初診の場合は原則として予約制になるため、すでに他院で診療を受けている場合は主治医を通じて患者支援センターに連絡の上、受診予約を取ることが必要です。
放射線施術までの流れ
具体的には以下のような流れとなります。
1.申し込み
初診の場合は主治医から電話による予約依頼を行ない、紹介状をFAXします。
2.予約通知
公立藤岡総合病院の患者支援センターより、主治医へ予約通知書がFAXされます。
3.患者さんへの取り次ぎ
主治医より患者さんへ、予約通知書と紹介状が発行されます。
4.来院
紹介状や予約通知書、保険証などを持参して公立藤岡総合病院を受診します。その際にこれまでの検査結果やおくすり手帳があれば提出してください。
十分な診察を行なった上で、放射線治療の検討と実施に入っていくことになります。