いちから分かる癌転移の治療方法ガイド

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茨城県立中央病院

茨城 手術 放射線治療 化学療法
(サイトイメージ)
引用元:茨城県立中央病院公式HP
https://www.hospital.pref.ibaraki.jp/chuo/

総合病院併設の強みを活かしたがんセンター

茨城県立中央病院のがんセンターは、分散式がんセンターとして平成7年に開設されました。特に肝臓や胆のう、膵臓、肺などの難治性のがんに対する高度専門治療を行なうことを目的としています。

患者さんの高齢化や医療の高度化に伴って、循環器疾患や内分泌疾患、腎臓疾患などの合併症を有するがん患者さんに対する総合的な治療が欠かせない昨今では、総合病院に併設されたがんセンターという形態の強みが十分に活かされているといえるでしょう。現在は都道府県がん診療連携拠点病院として、茨城県のがん診療の中心的役割を果たす存在として認知されています。

茨城県立中央病院の医師

玉木 義雄

専門分野は各種がんの放射線治療(頭頸部がん、食道がん、婦人科がん、悪性リンパ腫など)やラジオアイソトープ治療です。また、日本医学放射線学会の放射線治療専門医の資格を有しており、専門的な知識を活かした放射線治療を提供。また日本医学放射線学会の放射線治療研修指導医でもあることから、治療だけでなく後進の育成にも力を入れています。この他、日本頭頸部がん学会、日本肺癌学会、日本乳癌学会、日本核医学会といった学会にも所属し、がん治療に関する情報収集のためのアンテナを広く張っています。

目次

茨城県立中央病院の特徴

低侵襲で緻密な治療が行える治療機器を完備

茨城県立中央病院のがんセンターでは、高精度医療機器を導入して質の高いがん治療を提供しています。その代表的な設備は強度変調放射線治療装置(IMRT)で、腫瘍の形状に合わせた放射線治療が可能です。正常な組織への照射を軽減してがん病巣にピンポイントで照射できるため、治療効果を高めることが期待できます。

また、64列デュアルCTはがん病巣を詳細に検出することが可能で、がんの早期発見や正確なステージの把握に大いに役立ちます。陽電子放射断層撮影装置(PET)は患者さんに苦痛を与えず一度の検査で全身のスクリーニングが可能。脳と尿路以外の全身のがんや転移の有無を検出できます。RI診断装置も完備しており、放射性同位元素による目印をつけた薬剤を投与してその分布を撮影、体内の異常を見つけます。がん治療においては、とくに骨転移の発見に有用です。

センターではロボット手術支援装置「ダヴィンチ」を導入しており、前立腺がん、腎臓がんの摘出手術に用いられています。患者さんの身体的負担が少なく、繊細な手術を行なうことが可能で、今後は前立腺がん、腎臓がんだけではなくさまざまな分野の手術に使用されることが期待されています。

関連部門としては32ベッドを有する化学療法センターがあり、外来患者さんの化学療法を毎月実施しています。また、がん相談支援センターではがんをはじめとする医療全般の相談や退院調整に対応しており、年間数多くの患者さんやご家族を受け入れています。

茨城県立中央病院のがん治療実績

茨城県立中央病院における2021年度の新規放射線治療患者数は435名です(※)。

そのうち高精度放射線治療として強度変調放射線治療を168名、定位照射治療を53名に対して実施しています。強度変調放射線治療の内訳は前立腺がん45名、頭頸部がん23名、子宮がん12名、肺がん33名、食道15名、その他40名となっています。

また、高線量率密封小線源治療を39名に実施。非密封線源治療(ラジオアイソトープ治療)はストロンチウム89を5名、放射性ヨウ素内用療法を6名、ラジウム223による前立腺がん治療を3名に実施しています。

※参照元:茨城県立中央病院公式HP(https://www.hospital.pref.ibaraki.jp/chuo/department/center/houshasen_center/

茨城県立中央病院の治療方法

放射線治療

複雑な形状のがんにも高精度な放射線治療を実施

強度変調放射線治療(IMRT/VMAT)は、通常の放射線治療では困難な複雑な形状のがんにも高精度な線量分布をつくることができる治療法です。正常な組織への照射量を極力少なくすることができるため、副作用の軽減と治療効果の向上が期待できます

最適な線量分布は高性能コンピューターを用いて計算しますが、それでも時間がかかるため、通常の放射線治療よりも開始が遅くなるのがデメリットといえます。しかしながら強度変調放射線治療の優位性は確かで、適応は年々拡大の一途をたどっています。

小さながん病巣に対しては、短期間に多くの線量を照射する定位放射線治療を実施します。同院では脳転移や小さいサイズの肺がん・肝臓がんに対して行なっています。複数の脳転移を一度に治療できるシステムを2018年度に導入したため、治療に要する時間も大幅に短縮でき、多発性脳転移などの症例に対しても定位放射線治療が採用されています。

肺がんや肝臓がんの治療前にはマーカーを体内に埋め込み、その動きに合わせて照射する「迎撃照射」も実施。また、昨年度からは前立腺がんの定位放射線治療開始に向けて基礎研究を実施しています。

茨城県立中央病院の施術について

茨城県立中央病院で放射線治療を受ける流れについてまとめました。

放射線治療の流れ

初診予約(完全予約制)

初診時は原則予約が必要です。かかりつけ医から紹介状を作成してもらい予約します。かかりつけ医がいない場合は直接予約が行いますが、この際診療費とは別に必要が発生します。

放射線治療医の診察

予約日に放射線治療医による診察を受け、治療開始日や線量、治療回数について決定します。

治療プランの策定

治療開始に向けて、患者の体に合わせた固定具を作成。また、治療計画専用CT装置でCT画像を撮影し、患者ごとの治療プランを策定します。

治療の実施と経過観察

治療中は医師が細かく経過を観察。治療が終了した後も定期的な診察を行い、次の治療方針を決定します。

予約方法

かかりつけ医の紹介状を準備して予約を取ります。茨城県立中央病院では、かかりつけ医を通じた予約を勧めています。紹介状がない場合は、診療費とは別に初診時選定療養費7,700円(税込)が別途発生します。

予約に関する問い合わせ先 0296-77-1121(病院代表)

治療費について

治療費については直接病院へお問い合わせください。

茨城県立中央病院の基本情報

茨城県立中央病院
診療科目 内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、神経内科、血液内科、腎臓内科、内分泌・糖尿病内科、腫瘍内科、緩和ケア内科、小児科、外科、呼吸器外科、消化器外科、循環器外科、血管外科、心臓血管外科、乳腺外科、整形外科、皮膚科、形成外科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科、リハビリテーション科、放射線診断科、放射線治療科、救急科、病理診断科、脳神経外科、麻酔科、精神科、リウマチ科、歯科口腔外科
診療時間 8:30~11:30(受付時間)
休診日 土・日・祝日およびその振替休日
所在地 茨城県笠間市鯉淵6528
電話番号 0296-77-1121(代表)
ベッド数 500床
年間治療患者数 入院患者数114,355、外来患者数209,955(令和2年度実績)
対応可能な治療方法 手術療法、化学療法、放射線療法
設備 Angio-CT装置、全身用X線CT装置、PET-CT装置、SPECT-CT装置、放射線治療計画CT装置、高精度放射線治療システム、強度変調放射線治療(IMRT)、ダヴィンチ、内視鏡外科手術装置など
URL https://www.hospital.pref.ibaraki.jp/chuo/