
80年以上の歴史を持つ、甲状腺疾患専門医療機関、伊藤病院
伊藤病院は、甲状腺疾患に対する専門診療を行っている病院です。「甲状腺を病む方々のために」を理念とし、昭和12年の創立から80年以上に渡って甲状腺疾患と闘う患者さんを支え続けてきました。
院内の患者さんはもちろんのこと、病院の外で病と向き合っている人々に対しても情報を届けることに注力。甲状腺に不安を抱える人を少しでも多く助けるために、ホームページをはじめとしたさまざまな媒体で情報を発信しています。
北里大学医学部を卒業後、東京女子医科大学大学院を修了、米国留学などを経て、祖父が創業した国内屈指の甲状腺疾患専門病院・伊藤病院の院長に就任した伊藤公一先生。甲状腺疾患における内科、外科の両方に精通し、現在では多くの医師を指揮する存在として、患者さんからも医師からも厚い信頼を寄せられるドクターです。
他の医療機関との連携を大切にしている伊藤先生。自身も臨床医として治療の第一線に立ち続け、現在も伊藤先生の治療を受けようと来院する患者さんが多いそうです。名古屋甲状腺診療所、さっぽろ甲状腺診療所での診療も担当し、外国人患者を受け入れるメディカルツーリズムにも積極的に取り組んでいます。
甲状腺疾患専門病院として、全国的に高い知名度を誇る伊藤病院。訪れる患者さんたちに対して最善の医療を提供するため、院内すべてのスタッフがより深い知識と高度な技術の習得に努めています。
甲状腺という1つの臓器に対する診断・治療に集中することで、海外からも患者さんが訪れるほど高水準な治療体制を確立。治療に必要なさまざまな診断・治療装置を導入するのはもちろんのこと、スタッフ同士の懇親を促してチームワークを向上させる、医療通訳が可能なスタッフを置くなど、患者さんに対して質の高い医療を提供するための幅広い取り組みを続けています。
甲状腺癌や甲状腺を原発巣とした転移癌について、手術治療や放射線治療といったさまざまな治療を実施。ここでは、甲状腺から転移した癌の治療にも用いられることがある放射線治療について解説します。
伊藤病院では、放射線治療装置「リニアック」による体外照射と、放射性ヨウ素を内服するアイソトープ治療を行っています。
リニアックによる治療の対象となる疾患は、甲状腺癌や甲状腺悪性リンパ種、甲状腺癌の骨転移などです。そして、甲状腺癌に対するアイソトープ治療は、既に手術によって甲状腺をすべて摘出した後の患者さんに対し、他の部位に転移したがん細胞を破壊したり、再発を防いだりする目的で行われます。
リニアック(直線加速器)による放射線治療では、体の外側から病巣部に向けて放射線を照射することでがん細胞にダメージを与えることで、病の根治やつらい症状の緩和を目指します。
正常な細胞に悪影響を与えるリスクを減らしつつしっかりと腫瘍を破壊するために、治療は長い期間をかけて少しずつ行われます。
伊藤病院では、2015年に新しいリニアック装置を導入したことにより、従来よりも照射位置の誤差が格段に少ない精密な照射ができるようになりました。治療時には腫瘍の形に合わせて照射口の形を調節しつつ、画像診断の情報をもとにさまざまな方向から分割して放射線を照射。腫瘍のある位置を正確に狙うことで、副作用のリスクを最小限に抑えます。
リニアックによる放射線治療が適用される癌
ひと口に「癌」と言っても、患者さん一人ひとりの状態によって適用される治療法は異なります。ここでは、伊藤病院でリニアックによる放射線治療が行われることがある癌の一例について解説します。
甲状腺癌骨転移
癌がもともとあった部位(原発巣)から血流に乗って骨に転移したものを、「骨転移」や「転移性骨腫瘍」と言います。甲状腺癌を含むさまざまな癌で起こる可能性があり、癌と闘う患者さんの間で多く見られる病態です。
癌が骨に転移すると、周辺の神経などを圧迫して強い痛みを生じたり、骨がもろくなって骨折したりすることがあります。また、転移が起きた部位によっては麻痺などの神経障害を生じることもあるため、患者さんの苦痛を軽減するためにはすみやかな治療が必要です。
骨転移に対する放射線治療の効果は高く、多くの患者さんに苦痛の緩和や消失が期待できると言われています。
①有痛性骨転移には放射線治療の適応がある。
②放射線治療により、短い治療期間と軽微な有害事象で、高率に疼痛の改善や消失が期待できる。引用元:【PDF】「骨転移 放射線治療の意義と適応」放射線治療計画ガイドライン2016年版
https://www.jastro.or.jp/medicalpersonnel/guideline/2016/10palliative_care.pdf
伊藤病院のアイソトープ治療は、放射線を放出するヨウ素を含んだカプセルを内服することで行われます。
もともと、甲状腺は海藻などに含まれる「ヨウ素」を取り込む性質があります。そして、甲状腺を原発巣として肺やリンパ節などの他の部位に転移した癌細胞も、甲状腺と同じくヨウ素を取り込む性質を持っています。この性質を利用して癌細胞に放射線を発するヨウ素を届け、体内から破壊するのがアイソトープ治療です。
また、アイソトープ治療は、甲状腺の摘出手術を行った後にわずかに残った甲状腺組織を破壊(アブレーション)し、癌の再発を予防する目的でも行われることがあります。この治療のことを、アイソトープアブレーションと言います。
アイソトープ治療が適用される癌
アイソトープ治療には、放射性ヨウ素を用いた甲状腺疾患に対するもののほか、イットリウムを用いた悪性リンパ種に対するもの、ストロンチウムを用いた骨転移の疼痛緩和目的で行われるものがあります。伊藤病院は甲状腺疾患専門の病院であるため、治療の対象は甲状腺癌、または甲状腺を原発巣とする転移癌のみに絞られます。
なお、甲状腺を全摘した患者さんに対して、必ずアイソトープ治療が行われるというわけではありません。
悪性腫瘍の治療は手術が基本です。しかし、がん細胞が肺など遠くの臓器に転移している場合には、甲状腺をすべて摘出した後にアイソトープ治療を行います。(中略)リンパ節転移や周辺臓器への浸潤が認められたような病状の患者様に対して、アブレーションを行う事があります(甲状腺全摘術を受けた全ての患者様に行うわけではありません)。
引用元:「悪性腫瘍(がん)のアイソトープ治療(放射性ヨウ素内用療法)について」「アイソトープアブレーション」伊藤病院
https://www.ito-hospital.jp/04_treatment/03_isotope.html
進行性の甲状腺がんで、手術やアイソトープ治療の効果が思うように得られない場合は、分子標的薬治療を選択します。がん細胞は栄養を得るため、新しい血管をがん病巣に向けて成長させようとします。分子標的薬はその血管の新生を阻害し、がんを小さくする効果を期待するものです。
薬剤は内服薬で、基本的に毎日服用することになります。甲状腺がんに対する分子標的薬は「ソラフェニブ」「レンバチニブ」「バンデタニブ」の3種類が保険適応となっており、伊藤病院でも多くの使用実績があります。しかし、薬によって特有の副作用も起こり得ます。できる限り内服治療を継続させるため、副作用の症状に応じて休薬や減薬を行ないながら対応していきます。
甲状腺がんの手術は、がんの広がりの程度や転移が疑われるリンパ節の部位によって切除する範囲が変わりますが、基本的にはバセドウ病や良性腫瘍と同じ手術方法です。
甲状腺の切除範囲には、片方だけを切り取る「甲状腺片葉切除術」や甲状腺すべてを取り除く「甲状腺全摘術」があります。また、リンパ節の切除範囲には気管の周囲だけで済む場合と、両側の頸部リンパ節をすべて取り払う場合とがあります。いずれにしても、手術は全身麻酔で行なわれる場合がほとんどです。
甲状腺が残っていれば、手術後に甲状腺ホルモンを内服薬で補わなくても済むかもしれません。ただ、甲状腺をすべて摘出すれば、手術後に放射性ヨウ素による再発や転移の検査や治療が容易になるというメリットがあります。
伊藤病院でリニアック治療・アイソトープ治療を受ける流れについてまとめました。
リニアックによる放射線治療の流れ
CT撮影と、固定器具の作成を行い、照射する位置や放射線の線量といった治療計画を立てます。
専用の測定機器を用いて、医師と放射線技師が治療計画どおりに照射を実行できるかの検証を行います。
固定器具を装着してCT撮影を行い、治療部位の位置を正確に合わせます。その後、数分間の照射を受けた後、医師の診察を受けます。治療を続ける期間は患者さんの状態によって異なりますが、治療の効果を得られるまでには数カ月~1年ほどの時間がかかることもあります。
治療前の準備として、食事制限(ヨウ素制限)を行います。また、服用中の薬を中止したり、注射薬を使用したりといった準備も必要です。
放射性ヨウ素カプセルを服用し、経過を観察しながら内服量を調節します。治療は入院でも、外来通院でも行うことが可能です。
伊藤病院では、初診・再診ともに診療予約を行っていません。診療受付時間内(初診の場合は午前6時~午後3時)に直接来院し、1階の「新患受付」窓口を訪れましょう。ただし、4歳未満の子どもに対しては診察ができないこともあるため、事前に電話での確認が必要です。
初診の際は紹介状があるとスムーズですが、紹介状を持っていない場合でも診察を受けることができます。なお、事前にヨウ素の制限などを行う必要はありません。
《予約方法》
電話:予約制度はありません(お問い合わせの場合は03-3402-7411へ)
予約受付:予約制度はありません
記載なし
| 伊藤病院 | |
|---|---|
| 診療科目 | 内科・外科・放射線科・病理診断科(甲状腺疾患専門) |
| 診療時間 | 月曜~土曜9:00~、14:00~ |
| 休診日 | 日曜・祝日・年末年始(12/30~1/4) |
| 所在地 | 東京都渋谷区神宮前4-3-6 |
| 電話番号 | 03-3402-7411 |
| ベッド数 | 60床 |
| 年間治療患者数 | 甲状腺癌266件(2024年の治療実績) |
| 対応可能な治療方法 | 手術治療、放射線治療、化学療法(甲状腺疾患専門) |
| 設備 | アイソトープ施設、放射線治療装置(リニアック)、核医学診断装置など |
| URL | https://www.ito-hospital.jp/ |