水戸赤十字病院は、食道癌や胃癌をはじめとした数多くの癌に対する治療・手術を行っている医療機関です。
放射線科ではリニアックを用いた治療を実施。放射線治療としては最も一般的な放射線治療機器で、治療台の上に数分間寝ているだけで治療が終わります。照射中は身体に痛みや苦痛を感じることはなく、通常の生活を送りながら治療を続けることが可能です。
治療部位が明確であれば、全身どこでも治療対象となります。各診療科の医師、放射線腫瘍医、放射線治療看護師、放射線治療技師などが連携して、患者さん1人ひとりの病状や希望に合わせた治療を徹底しているでしょう。
水戸赤十字病院のがん治療方法
放射線
治療
リニアックによる高エネルギー放射線治療
水戸赤十字病院では、高エネルギーのX線を放出するリニアックを使った放射線治療を行っています。医療用のX線を使った治療なので、苦痛や痛みが無いのがメリットで、治療台の上で動かずに寝ていることができれば誰でも治療可能です。また、1回の放射にかかる時間は1~3分程度と短期間で、日常生活に支障をきたす心配もほとんど無いでしょう。さらに、全身どこの部位に発生した癌にも照射でき、根治や縮小だけでなく再発予防や癌そのものによる苦痛や痛みの緩和も期待できます。
放射線治療以外にも、2013年にはロボット支援腹腔鏡下前立腺摘除術手術を開始。2016年には腎部分切除術、2018年には胃切除術が保険適用となり、ロボットを使った手術を積極的に採用しているでしょう。婦人科領域に関しても、2019年9月から子宮体癌手術が保険適用になっています。水戸赤十字病院ではロボット支援手術における専門研修を修了した医師が4名在籍しており、専任看護師や臨床工学技士とチームを組んで手術に臨んでいます。
その他にも、外科的手術や鏡視下手術、内視鏡手術や化学療法、免疫療法にて癌治療を実施しているでしょう。
各癌における治療方法
胃、大腸、胆石の癌については、一般消化器外科にて積極的に鏡視下手術を行っており、クリニカルパスに依存することなく、患者さんに応じた拡大・縮小手術もしくは化学療法を検討することになります。週1回の内科とのカンファレンス、週2回の術前症例検討会などを開催し、医療の質の向上を図っているようです。
前立腺癌に対しては、放射線療法、腹腔鏡下前立腺全摘除術、薬物療法、高密度焦点式前立腺高温度治療(HIFU)の中から検査データを基に患者さんの希望を考慮した上で選択。浸潤性膀胱癌に対しては、放射線療法や抗癌剤の動注療法の併用で膀胱温存を目指しています。
緩和ケア内科では、癌患者の痛みや辛さを極力緩和するなどのサポートを行っており、治療によって起こる身体症状に対してアプローチ。専門知識を有したスタッフが、患者さんのQOLの向上を手助けします。緩和ケア外来も設置しているため、入院によるサポートを利用することも可能です。
水戸赤十字病院の施術について
放射線施術までの流れ
水戸赤十字病院では、以下のような流れで放射線治療を行っています。
1.診察
放射線治療を受けるにあたり、まずは放射線腫瘍医による診察を受けます。放射線治療が最適な治療か否かを確認した後、治療期間や期待できる効果、副作用などの説明がなされるでしょう。
外来予約受付時間は、月曜~金曜8:00~16:30、土曜8:00~12:00となっています。
2.治療計画
放射線を照射する位置や範囲を決定するために、CTによる撮影を実施。毎日治療を行う上での体位を決めてから撮影を行います。また、位置ずれの無いように、シェルやマスクといった固定具を作成するケースもあるでしょう。その後、三次元治療計画装置により、病巣部の正確な場所や照射角度、放射線の量や回数を計算。最適な照射方法を決めていきます。
3.療部位の位置確認・照合
照射位置や角度を正確に決めるためにX線画像撮影をし、治療計画によって作成された画像と照合。性格な照射位置を決めていきます。実際の照射部位が決まったら、専用マーカーを用いてポイントになる印を皮膚にマーキングします。
4.治療
マーキングに身体を合わせ、放射線の照射を開始。1回あたりの治療時間は治療法によって異なりますが、通常の治療では約10~15分で終了します。実際に照射している時間は数分間です。照射スケジュールは月曜~金曜の週5回を基本としており、総回数は照射部位や状病によって変わります。