幅広い疾患に対応できる新山手病院
平成元年に現在の「新山手病院」として改称し、循環器病センター・消化器病センター・結石破砕センター・肉腫センター・がん化学療法センター・放射線診療センター・リハビリテーションセンター・生活習慣病センター・歯科口腔外科センターなどを開設しています。COPDなどの呼吸器疾患をはじめ、がん疾患などにも対応できる体制を構築。平成26年には整形外科の医師も常勤体制となり、脊椎疾患や関節疾患にも対応できる複合的病院となっています。
さらに専門病院とも連携を強化し、症状に合う治療を提供できるよう様々な方法を提案してくれるでしょう。地域医療に貢献できるよう全力でサポートしてくれます。
東京大学の医学部を卒業したのち、1986年に医師免許を取得。さらに東京大学大学院の医学研究科を卒業したあとは1998年に医学博士を取得しています。新山手病院の病院長兼整形外科の医師として業務を実施。日本整形外科学会の整形外科専門医の資格を持ち、新山手病院では骨軟部腫瘍の治療に注力しています。がんへの検査・治療を専門的な立場で実施してくれるでしょう。
2014年より新山手病院にて放射線治療が開始されました。がんと診断されたときや、外科的手術の前後、抗がん剤治療後にプラスの治療が必要と判断されたときなどに活用されます。基本的には外来通院での放射線治療に対応しているため、日常の生活への支障を考慮した治療を勧めることが可能です。
新山手病院ではバリアンメディカルシステムズ製のClinacというリニアック装置を導入しています。治療初回は照射部位の設定などで約30分~1時間程度時間を要しますが、通常は10分程度で照射完了です。実際に放射線を照射している時間は1~2分程度と非常に短いので、身体への負担もほとんどかかりません。がんの種類や治療を行う目的、患者の状態によって、1日1回の照射を20回~35回に分けて行うケースもあれば、数回だけ照射するケースもあります。
放射線治療は治療を行うがんの周囲の正常細胞への放射線量を減らす方法で行うため、どの臓器にがんがあるかによって放射線治療の方法も異なってくるでしょう。そのため医師が状況を的確に見極めたうえで照射部位・回数などを個別で決定していきます。
リニアックとは直線加速器とも呼ばれており、高圧の電磁波を発生させ電子を加速させる「電子線」と、電子を金属にぶつけることで発生する数タイプの「高エネルギー線」の2つの放射線を活用する装置です。リニアックのシステムから考えれば、どの部位のがんであっても治療ができ、がんの種類や部位に応じてエネルギーの強度や2つの放射線を使い分けて治療を行っていきます。
リニアックによる治療を行う前にCTを撮影し、治療計画を綿密に立案していきます。その治療計画に基づいて、治療を開始。治療自体はベッド上で照射するだけなので、痛みはほとんどありません。外科的手術には体力的に耐えられないような患者であっても治療が可能です。
放射線治療の副作用がある方もいれば、まったく何も現れない方もいます。放射線治療は綿密なデータに基づき治療計画が練られるため、放射線治療が終了してから半年程度で現れるような晩発性の副作用は少ないと言われています。
副作用がある場合は、治療中や終了直後といった急性のケースがほとんどです。疲れやすい・食欲不振・照射部位の皮膚の変化などの症状が起こる場合があります。そのため照射中や照射後に何か違和感を覚えた場合は主治医に相談するようにしましょう。副作用の状況などを考慮して、放射線治療の計画を再度見直すなどの対処を行ってくれます。
リニアックによる放射線治療は、保険適用となります。頭頚部がん・肺がん・乳がん・食道がん・肝がん・胆管がん・膵がん・泌尿器がん・骨転移・脳転移など、ほぼすべての悪性腫瘍が適用となるでしょう。まずは担当医や看護師などのスタッフに費用について相談し、どの程度の治療費がかかるのかを確認してください。
高エネルギーのX線を発生させる装置を、リニアック(直線加速器)といいます。別名、高エネルギー放射線治療装置ともいいます。この装置から発生する電子線やX線を、多方向から正確に照射します。病状や治療目的により、放射線腫瘍医が治療方法や回数を決めます。治療は通常、月曜日から金曜日までの週5日間、数週間かけて実施します。このようにすることで、がん細胞を死滅させるのに十分な放射線量を照射し、一方で正常な細胞には、回復するための時間を毎日与えることができます。
引用元:がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/radiotherapy/rt_03.html
様々ながんに対し放射線治療は活用されます。
悪性軟部腫瘍の事例
軟部肉腫の場合、切除縁評価によって広範囲の切除が基本となっています。骨肉腫・ユーイング肉腫などの悪性骨腫瘍のような劇的な症例を除けば、補助的な化学療法の有用性が認められているようです。とくに横紋筋肉腫・骨外ユーイング肉腫・PNETなどの円形細胞肉腫では化学療法は有効と言われています。
しかし未分化多形肉腫などの非円形細胞肉腫の場合、症例が少なく化学療法の有用性が暫く検証できませんでしたが、2004年頃より徐々にエビデンスも報告されてきている現状です。ただ化学療法への効果が症例によって異なり、年齢や病状などを考慮したうえで慎重に進めていかなければなりません。
軟部肉腫の場合、様々な新薬も開発されているため症例に応じて適宜選択して用いられています。また新山手病院では強度変調回転放射線治療(VMAT)が導入されているため、タイミングを見計らって、放射線治療も実施されるでしょう。
新山手病院では、がんに対して外科的手術も実施しています。
たとえば大腸ポリープの場合、正常な細胞が集合してイボのような形状になったものはがんではなく、放置したとしても大腸がんになるリスクは非常に低いと見られています。しかしポリープの中には腫瘍と分類されるものがあり、良性のポリープは腺腫と呼ばれ、大腸ポリープのほとんどが腺腫で、S状結腸や直腸に発症するケースが多いです。そのため一般に大腸ポリープと言えば、この腺腫を指します。腺腫を介して大腸がんを発症する可能性もあるため、比較的大きなサイズであれば切除が好ましいと言われています。内視鏡検査で診断することができるため、早期発見が重要になってきます。
肺腫瘍とは、肺がん・転移性肺腫瘍・良性肺腫瘍の3つに大きく分けられます。また肺がんは、肺そのものから発症したものを「原発性肺がん」、別の臓器で発症したがんが肺に転移したものを「転移性肺腫瘍」、肺に発症する腫瘍のなかで進行速度が遅く他臓器に転移しない腫瘍のことを「良性肺腫瘍」と分類されています。どの肺腫瘍においても自覚症状がほとんどなく、健康診断などで発見されるケースが多いようです。
そのため悪性腫瘍だと、比較的進行した状態で発見されることが多いため、がんの中でも治療が難しいと言われています。新山手病院では状況に応じて、ハイブリッド胸腔鏡手術を実施しており、患者の負担を軽減しながら病巣切除するための治療を提案してくれるでしょう。
新山手病院で放射線治療を受ける流れについてまとめました。
主治医または他院からの申し込みを行います。状態などの診察を行い、治療方法や治療計画の説明を実施。
治療計画書に従って、放射線治療を実施します。週に1~2回程度診察を行い、状況によっては治療計画の変更も。
治療計画に従って、治療を行い、定められた回数が終われば治療終了となります。その後、状態観察し何か異変があれば相談してください。
放射線治療を行う場合は、放射線治療室直通の電話まで連絡してください。完全予約制になっているので、必ず予約を取ってから受診しましょう。
《予約方法》
電話:042-393-8280
予約受付:月~金 (祝祭日除く) 9:00~16:30
治療費に関しては、直接病院へお問い合わせください。
公益財団法人 結核予防会 新山手病院 | |
---|---|
診療科目 | 内科、外科、呼吸器科、消化器科、循環器科、整形外科、リハビリテーション科、放射線科、皮膚科、泌尿器科、歯科口腔外科、心療内科、脳神経外科、乳腺外来、糖尿外来、糖尿病・内分泌科、神経内科、スポーツ整形外来、鼠径ヘルニア外来、乳腺外来、人間ドック、集団検診(東村山市健康診査等) |
診療時間 | (窓口予約受付)平日8:30~16:30、第2・4土8:30~11:30 |
休診日 | 第1、3、5土曜・日曜・祝日・年末年始 |
所在地 | 東京都東村山市諏訪町3-6-1 |
電話番号 | 042-391-1425 |
ベッド数 | 180床(2023年5月18日調査時点) |
年間治療患者数 | 整形外科手術実績(2021年度):615件(うち骨軟部腫瘍:22件) |
対応可能な治療方法 | 放射線治療、手術など |
設備 | Lineac:バリアンメディカルシステムズ製 Clinac など(2023年5月18日調査時点) |
URL | https://www.shinyamanote.jp/ |