高崎総合医療センターでは幅広い診療科に対応しており、治療を手がけている癌も非常に多岐にわたります。
消化器病センターでは内科医、外科医、放射線診断・治療医などが連携し、高度な専門性と安全性を両立させ食道から直腸までの消化管や肝臓、膵臓、胆道の癌に対応します。
治療は術後の早期回復を目指し、ガイドラインに準じた腹腔鏡下手術を積極的に実施して身体への負担軽減を心がけています。また、手術前から栄養療法やリハビリテーションなども行ないます。退院後も患者さんが安心して療養できるよう、がん診療連携パスを活用して地域の医師とも緊密な連携を取っています。
がん診療連携パスとは、がん診療連携拠点病院と地域医療機関との間で治療計画を共有し、癌患者さんに対する一連の診療の流れを体系化したものです。
呼吸器外科でも消化器病センターと同様に身体への負担が少ない手術を行なっています。早期の肺癌であれば基本的に胸腔鏡を用いた手術が可能で、従来の肋骨を大きく開ける手術よりも出血が少なく、肺の機能を温存でき痛みも少なく済むため早期の社会復帰が可能です。肺機能の温存という意味では、これまで行われていた肺葉切除よりも小さい範囲の区域切除手術にも積極的に取り組んでいます。
一方では進行性の肺癌に対する拡大手術も実施。気管支形成や血管形成、胸壁切除再建といった高度な技術を駆使して肺癌の根治を目指します。呼吸器内科や放射線科と連携した手術前の化学療法+放射線療法もそのひとつで、身体負担の軽減だけではなく、集学的治療で安全性と確実性の高い根治手術を目標とすることも重要視しています。
高崎総合医療センターのがん治療実績
高崎総合医療センターの公式ホームページによると、2019年は胃癌に対して62件、大腸癌に対して148件の手術実績が公表されています。
放射線治療は、2015年から2018年にかけて毎年300~400件以上の癌患者さんに対してっ辞されています。
高崎総合医療センターの施術について
放射線施術までの流れ
高崎総合医療センターは、以下のような流れで放射線治療を行なっています。
1.初診
問診や診察の上、画像診断や病理診断のデータと併せて放射線治療の適応について検討します。放射線治療が適切だと判断された場合は、次いで治療スケジュールを決定していきます。
緊急の場合は別として、初診の時点ですぐに放射線治療が開始されることはありません。初診の後に今後の流れを看護師が説明してくれるので、その際に不明な点などを質問することもできます。
2.治療の準備
治療部位や治療方法を確定するためにCT撮影などの検査を行ないます。
そのデータをもとに、コンピューター解析で具体的な治療方法を決定します。通常は数日で治療方法が決まりますが、治療が複雑な場合は1~2週間を要する場合もあります。
3.治療
治療期間は患者さんの状態によってさまざまですが、一般的に数日から2カ月程度の期間となります。また、通院治療が可能な場合と入院が必要な場合に分かれます。
治療内容や効果、副作用などは治療開始前に十分な説明を受けることができますが、治療中も医師の診察や看護師との面談があるので、不安なことがあれば何でも相談することが可能です。
4.経過観察
放射線治療の終了後も、無理のない範囲で定期的な受診が推奨されます。治療が終わること自体が不安を呼ぶこともありますので、定期的な診察を受けて医師とコミュニケーションを取りましょう。