地域がん診療連携拠点病院として癌治療を行う、戸田中央総合病院
厚生労働省の「地域がん診療連携拠点病院」に指定されている戸田中央総合病院。癌患者に様々な治療を提供している病院です。放射線治療は従来の照射治療だけではなく、高精度放射線治療装置を活用した強度変調放射線治療や定位放射線治療まで幅広く実施しています。
兼坂 直人医師
放射線科で治療部長を務める兼坂直人医師は、日本放射線腫瘍学会の放射線治療専門医や日本医学放射線学会の放射線治療専門医・放射線科研修指導者、日本がん治療認定医機構のがん治療認定医などの専門医資格を有したプロフェッショナルです。
1982年に東京医科大学を卒業して以来、40年以上にわたって医師として臨床の前線に立ちながら東京医科大学放射線科兼任講師として後進の育成に努めています。
従来の放射線治療全般に加えて、強度変調放射線治療や定位放射線治療といった高精度放射線治療も担当しています。
兼坂医師の他にも、放射線科には放射線診断専門医や日本核医学会PET核医学認定医といった資格を有する放射線診断の専門医が所属。診断と治療の両面から専門的なアプローチを行っています。
より良い癌治療を目指した院内・院外の連携
戸田中央総合病院は戸田市を含めた近隣の癌治療の土台を支える医療機関として、癌治療ネットワークの中心に位置しています。
エビデンスにもとづいた治療プランの考案や検証ができるように、院内に「がん診療支援推進委員会」を設置。癌治療に関する計画や実行、評価、そして改善案のプランニングなどの各プロセスを精査して、より良い癌治療の提供に取り組んでいます。
また不安を抱える癌患者や家族に寄り添うべく「がん相談支援センター」や「がん相談外来(がん看護外来)」を開設。ソーシャルワーカーや認定看護師などの専門スタッフが、癌や治療に関する様々な疑問・悩みの相談に応じています。
戸田中央総合病院では各診療科の専門医や認定医、医療スタッフが連携して治療にあたっています。さまざまな専門家集まってがん治療の計画を練っていることもポイントです。胃がんであれば消化器内科・外科が連携。皮膚がんなら皮膚科・形成外科と連携して治療を行います。
戸田中央総合病院で対応できない希少癌や癌ゲノム医療などに関しても、対応できる医療機関を患者に紹介可能です。小児癌やAYA世代の癌治療、妊孕性温存療法については埼玉県がん・生殖医療ネットワークと連携しています。
2019年3月27日、当院は厚生労働省より「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受けました。
「地域がん診療連携拠点病院」とは、厚生労働省が指定する、地域におけるがん診療の中心的役割を担う施設です。当院は、近隣の病院や診療所と連携しながら、戸田市・蕨市とその周辺地域におけるがんの早期発見・診断・治療の充実と発展に力を入れています。引用元:戸田中央総合病院
https://www.chuobyoin.or.jp/cancer/
患者への負担を軽減しながら放射線治療の効果を追求
戸田中央総合病院では癌治療における放射線の効果を高めつつ、放射線による患者への肉体的ダメージを減らす治療プランの構築を行っています。
あらかじめ癌患者の体内を各種画像診断によって検査して、癌の形状やサイズ、位置などの情報を正確に取得。放射線照射計画を立案します。これにより従来の放射線照射に加えて強度変調放射線治療や定位放射線治療といった高精度放射線治療の実践が可能になりました。
なお放射線科では外照射だけでなく、去勢抵抗性前立腺癌の患者に対してゾーフィゴ(塩化ラジウム:223Ra)を活用した内照射(内用療法)や形成外科と連携したケロイド治療も行っています。
悪性腫瘍に対する根治照射だけでなく、骨転移などの姑息照射も積極的に行い緩和治療にも貢献しています。
骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌に対するゾーフィゴ(塩化ラジウム:223Ra)による内用療法も可能です。
また形成外科と連携しケロイドに対する治療も行っています。引用元:戸田中央総合病院
https://www.chuobyoin.or.jp/department/radiology/info/
強度変調放射線治療は、事前に取得されている画像診断検査の結果と画像診断システムによるリアルタイムの確認結果を参照します。癌細胞へ照射する放射線の強度を随時調整しながら、放射線照射を行う高精度放射線治療です。癌の大きさや形状、位置に合わせて放射線の強度や深度を調節しつつ照射を行うため、健常細胞への被曝ダメージを抑えつつ、癌細胞へダイレクトにダメージを与えられます。
多方向から特定の癌細胞へピンポイントに放射線照射が可能
戸田中央総合病院ではあらかじめ特定している癌細胞に対して、患者の周囲から放射線を照射する定位放射線治療も実践しています。
定位放射線治療は、多方向からターゲットとなる癌細胞へピンポイントで放射線を集中照射する高精度放射線治療です。1本ごとの放射線レベルを低く抑えるため、健常細胞や周辺臓器への被曝ダメージを軽減できます。また多方向から照射された放射線を任意の位置で収束させることで、癌細胞へアプローチしやすくする治療法です。
外科専門医が低侵襲な手術アプローチを実践
戸田中央総合病院では癌に対する外科的アプローチとして、標準治療としての切除術を実施しています。早期の癌には患者へのダメージが少ない低侵襲手術を実施。胸腔鏡を使った手術や切除部位を抑えた縮小手術などを行っています。低侵襲のため入院期間が短くなり、患者が早期の社会復帰を目指せることもポイントです。
また外科専門医をはじめとした医療スタッフがチームを組んで、それぞれの患者の病状や既往歴、現在の癌の状態などにもとづいた治療プランを検討してくれます。
多角的な内科療法による癌治療の提供
戸田中央総合病院では外来化学療法室を設置して、癌治療に対する内科的アプローチの実践や検証に力を入れています。
腫瘍内科は抗がん剤療法や老年腫瘍学、がんそのものや副作用・合併症による症状を軽くするためのケアを行う支持医療といった専門領域を掲げています。大腸がんや肺がん、膵がん、乳がん、精巣がんなど性別や種類を問わず幅広い癌治療について複数の治療プランを提案可能です。
抗がん剤に関する治療効果のみならず、副作用についても検証や評価を進めることで、将来的な治療品質の向上に尽力しています。
近年分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬など新規薬物の臨床導入が急速に進み、従来の抗がん薬よりも複雑多岐にわたる有害事象の発現が認められています。従来薬の副作用に加え、それらの有害事象も探査・抽出・評価に努め、遺漏のない支持医療の支援・提供も目指しています。
引用元:戸田中央総合病院
https://www.chuobyoin.or.jp/department/oncology/info/
放射線治療を受ける流れや予約方法などについてまとめました。
3次元放射線治療計画装置を含めた各種画像診断装置や核医学検査などによって、画像診断レポートを作成。放射線診断の専門医が癌の状態について分析し、放射線治療専門医と連携しながら治療プランを構築します。
放射線照射は放射線治療専門医が担当し、治療計画にもとづいて患者へのダメージを抑えた低侵襲治療を行います。
放射線診断に用いられた検査画像は、患者の要望に合わせてCD-ROMやフィルムで提供されています。検査終了後に読影レポートを作成してくれることも嬉しい点です。
また地域医療連携室では、他の医療機関への通院が難しい患者の治療希望にも応じています。
戸田中央総合病院では、原則として初診予約時に紹介状(宛先:戸田中央総合病院)が必要です。そのため紹介状を作成してもらう場合は「戸田中央総合病院宛て」と書くように、かかりつけ医に相談してください。
乳腺外来を含む一部の外来については紹介状がなくても予約できますが、その場合は保険外併用療養費(選定療養費)として別途7,700円(税込)が必要です。
医療法人社団 東光会 戸田中央総合病院 | |
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診療科目 | 放射線科、内科、呼吸器内科、脳神経内科、外科・消化器外科、乳腺外科、婦人科、腎臓内科、皮膚科など多数 |
診療時間 | 8:00~12:00/12:40~16:45(土曜は午前のみ) |
休診日 | 日曜日・祝日 |
所在地 | 埼玉県戸田市本町1-19-3 |
電話番号 | 0570-01-1114 |
ベッド数 | 517床 |
年間治療患者数 | 放射線治療症例数:241件(2021年度) |
対応可能な治療方法 | 手術治療、放射線治療、化学療法 |
設備 | CT(64列、256列)、MRI(1.5T、3.0T)、3次元放射線治療計画装置など |
URL | https://www.chuobyoin.or.jp/ |