いちから分かる癌転移の治療方法ガイド

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東京医科大学病院

東京 放射線治療手術化学療法
東京医科大学病院のキャプチャ
引用元:東京医科大学病院公式HP
https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/

がん診療連携拠点病院としての役割を果たす、東京医科大学病院

「特定機能病院」「地域がん診療連携拠点病院」「東京都災害拠点中核病院」に指定されている病院です。西新宿エリアで高度な医療を提供し続けており、安心・安堵を感じることができる病院づくりを目指しています。分かりやすい医療を心掛け、より多くの方々に適した医療が提供できるよう注力してくれるでしょう。

東京医科大学病院の医師

山本 謙吾東京医科大学病院 院長

1983年に東京医科大学を卒業し、1998年~1999年に米国ロマリンダ大学へ留学した実績を持つ医師です。整形外科の股関節やひざ関節などを専門領域としており、日本専門医機構認定の整形外科専門医の資格も保有。2021年9月1日に東京医科大学病院の病院長に就任し、今に至ります。整形外科専門医としてだけでなく、病院の院長として病院全体をトータルでサポートしており、患者1人ひとりの背景を十分に把握したうえで適した医療の提供を心掛けています。

目次

東京医科大学病院の特徴

複数の診療科によるチーム体制

東京医科大学病院は複数の専門の診療科が存在しています。その診療科で各々が診断を受け、どのような治療が適切なのかをプランニング。放射線治療・薬物治療・化学療法・外科的手術などの治療法を提案。ひとつの治療だけでなく、複数の治療を併用することもあり、病状・年齢・生活レベルなどを総合的に考慮し判断を行っています。さらに病状によっては、複数の診療科がワンチームとなり治療に臨むこともあり、より複合的な医療を提供してくれるでしょう。

また東京医科大学病院ではレーザー治療やラジウム外来など、幅広い治療も実施しているという点も特徴的です。さらに患者だけでなく家族に対しても相談に応じており、治療やホスピス・在宅医療、費用、緩和ケアなど様々な悩みや不安に対応しています。

東京医科大学病院の治療方法

放射線治療

骨転移のある去勢抵抗性前立腺がんの治療『ラジウム‐223』

ラジウム‐223とは、アルファ線という放射線を放つ放射線物質のことです。骨成分のひとつであるカルシウムと同様に骨の中に集まりやすい特性があり、体内に注射で注入されれば代謝が活発化され、がんの骨転移巣に多く集まります。集まった時点でアルファ線が放出されることで、骨転移したがん細胞の増殖を抑える働きが期待できるでしょう。そのシステムによって、骨転移下去勢抵抗性前立腺がんへの治療効果が得られるとされ、骨転移のある去勢抵抗性前立腺がんの治療で認められています。

また痛み・痺れ・麻痺・骨折などの骨転移に伴いやすい症状を遅延させる効果も期待できるでしょう。ただしラジウム‐223は骨転移した部位にしか集まることはないので、肺や肝臓などの内臓に転移したがんに対しての効果が期待できないと言われています。

ラジウム‐223の治療方法や副作用

ラジウム‐223の治療を行う場合には、基本的に入院する必要はありません。4週間ごとに1回静脈注射を行い、最大で6回までです。病院が指定した日時に来院し、注射を受けるという流れになっています。

(イメージ)ラジウム‐223の代表的な副作用には「骨髄抑制」があります。骨髄抑制とは赤血球・白血球・血小板などを生成する骨髄の機能低下が起こり、これらの血球成分が低下する症状のことです。これは転移した部分だけでなく、正常な骨・骨髄にも集まってしまうので起こると考えられています。

この副作用以外にも、下痢・骨痛・悪心・疲労感・食欲不振・嘔吐などの症状が起こることも。またラジウム‐223を注入した数日後に骨痛が強くなってしまうケースもありますが、この症状は一時的なケースが多く、次第に消失するでしょう。

去勢抵抗性前立腺がんと骨転移とは

前立腺がんは男性ホルモンによって活性化されるという特徴があり、男性ホルモンを抑制するホルモン療法が治療効果は高い結果という報告があります。ただ徐々に効き目が落ちてくる、PSAが上昇する、がんが進行するなどが起こることも。ホルモン療法によって男性ホルモンの分泌が抑制されている状態にも関わらず、悪化してしまう前立腺がんが「去勢抵抗性前立腺がん」です。

去勢抵抗性前立腺がんは、80%ほどの確率で骨転移が発症すると言われており、脊椎・肋骨・骨盤・大腿骨などの部位に骨転移が起こりやすくなります。初期であればほとんど症状はなく、進行するにつれて痛み・痺れなどの症状が起こるでしょう。また骨転移した部位は骨がもろくなってしまうため、小さな外力でも骨折しやすいという症状も。高カルシウム血症によって食欲不振・倦怠感・吐き気・多尿・意識障害などの症状も現れやすくなります。

放射性同位元素であるストロンチウム89 やラジウム223 の骨転移部位への取り込みを利用した治療も行われており,前者は疼痛緩和目的ですでに本邦でも承認されている33-35)。一方,ラジウム223 は骨転移を有するCRPC 患者の全生存期間を延長すると報告されており36),本邦でも最近保険収載された。

引用元:日本癌治療学会 がん診療ガイドライン
http://www.jsco-cpg.jp/prostate-cancer/guideline/#XV

中心型早期肺がんによるレーザー治療

大きさ1センチ以下の中心型肺がんであれば、光線力学的治療法が適応されます。この中心型肺がんはヘビースモーカーに多く発症しており、胸部CT・レントゲンでの発見が困難なので、喀痰検査によって発見されるケースが多い疾患です。

中心型肺がんは、単にがんを焼き切るのではなく、がんの病巣を選択的にレーザー照射の治療ができます。ただ日光過敏症の副作用がありますが、光感受性物質の進歩によって1週間ほどの遮光で済むようになっているでしょう。

中心型肺がんとは

中心型肺がんとは肺の入り口付近に太い気管支に発生した肺門型の肺がんのことです。気管支を刺激することで咳や痰が出やすくなり、気管支粘膜を傷つけることで血痰・喀血の症状が起こることも。癌が徐々に大きくなれば気管支閉塞を引き起こし、肺炎による発熱・呼吸困難などの症状があらわれます。基本的に末梢型肺がんは自覚症状がほとんどなく、3/4ほどは無症状ですが、胸水が溜まることで胸痛・呼吸困難などの症状が起こるでしょう。

PDT治療は医薬品である光感受性物質と低出力のレーザー照射を組み合わせることによって行う治療法であり、レーザーのみ、または医薬品のみで治療を行うことは出来ません。PDT治療は医薬品である光感受性物質に低出力のレーザーを照射することによって起こる化学反応を利用し、現在のがん治療としては肺がん(早期、進行がん)、悪性脳腫瘍、早期食道がん、再発性食道がん、胃がん、早期子宮頸がんに保険が適用されています。

引用元:末梢型肺癌に対する光線力学的治療(PDT)に関する医師主導治験
https://nms-thoracic-surgery.com/trial/pdt/

化学療法

状況を把握しながら化学療法を実施

化学療法は病状など状況に応じて行われます。他の治療法と併用することも多く、患者だけでなく家族も踏まえて通院・日常生活のサポートも視野に入れて行わなければなりません。

たとえば胃がんであれば、切除不能な進行胃がんや再発がんに対し手実施されるというガイドラインがあります。手術を行った後で化学療法をスタートすることも。使用する薬剤は5-FU・TS-1・ゼローダ(フッ化ピリミジン系抗がん剤)・シスプラチン・オキサリプラチン(白金製剤)・イリノテカン(トポイソメラーゼ阻害剤)・パクリタキセル・ドセタキセル・ナブパクリタキセル(タキサン系抗がん剤)・トラスツズマブ・ラムシルマブ(分子標的治療薬)・ ニボルマブ(免疫チェックポイント阻害薬)などです。ほとんどのケースでは、これらの薬剤から1~3個程度併用して治療が行われます。

ロボット手術

胃がんなどでのロボット手術

ロボット支援下手術は監視の動きに制限をきたすため縫合などの操作に高いスキルが必要となる、立体的な感覚が得られにくいなどのデメリットも抱えていました。そこで東京医科大学病院ではda Vinci サージカルシステム(ダヴィンチ)を活用することによって、三次元の画像を見ながら手術を行うことが可能です。また高い自由度を持つ鉗子を活用することで、繊細な操作も可能となっています。低侵襲でありながら開腹手術に近い治療効果を期待できるのがポイントです。

東京医科大学病院の施術について

東京医科大学病院で放射線治療を受ける流れについてまとめました。

放射線治療の流れ

診察

担当医の指示に従って、放射線治療をどう進めていくのか決定していきます。

治療計画作成

1人ひとりの状況を踏まえ、放射線の照射回数・部位などの治療計画を作成します。

治療

完全予約制で治療を実施し、病状の部位や種類によって、回数や治療にかかる時間がことなります。キャンセルする場合には早めに連絡が必要です。

予約方法

放射線治療を受ける場合には、担当医の診断が必要です。そのため予約を取得する場合には担当医に相談してください。

治療費について

治療費に関しては、直接病院へお問い合わせください。

東京医科大学病院の基本情報

東京医科大学病院
診療科目 総合診療科、血液内科、呼吸器内科、循環器内科、糖尿病・代謝・内分泌内科、リウマチ・膠原病内科、脳神経内科、消化器内科、腎臓内科、感染症科、高齢診療科、臨床検査医学科、メンタルヘルス科、小児科・思春期科、呼吸器外科・甲状腺外科、心臓血管外科、消化器外科・小児外科、乳腺科、眼科、脳神経外科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、整形外科、形成外科、麻酔科(ペインセンター)、皮膚科、歯科口腔外科・矯正歯科、産科・婦人科、泌尿器科、放射線科、臨床腫瘍科、病理診断科
診療時間 【受付】平日8:00~14:30
第1、3、5土曜日8:00~11:00
休診日 第2、4土曜・日曜・祝日
年末年始(12月29日~1月3日)
4月第3土曜(創立記念日代替日)
所在地 東京都新宿区西新宿6-7-1
電話番号 03-3342-6111
ベッド数 904床(2023年5月18日調査時点)
年間治療患者数 放射線治療患者総数:807件(2019年度)
対応可能な治療方法 手術治療、放射線治療など
設備 MRI、CT、強力集束超音波治療法HIFUなど(2023年5月18日調査時点)
URL https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/